「営業って結局どうすりゃいいの?」と机にうつ伏した午後に読む話

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「営業って結局どうすりゃいいの?」と机にうつ伏した午後に読む話

「営業って結局どうすりゃいいの?」と机にうつ伏した午後に読む話

開業して数年が経ちましたが、今でもふとした瞬間に「営業って結局どうすりゃいいんだ?」と考えてしまう自分がいます。忙しいのに売上が伸びない月、問い合わせがピタッと止まった日、そして何よりも孤独な午後。そんな時、机にうつ伏して溜め息をつきながら、なんとも言えない無力感に襲われるのです。士業だからといって仕事が勝手に舞い込む時代ではありません。資格を取っただけでは、食っていけない。そんな現実と向き合う日々の話です。

資格を取っただけじゃ仕事は来ないという現実

司法書士試験に合格したとき、「これで食っていける」と思ったのが正直なところでした。何年も勉強してやっと手にした資格。実力があれば仕事は自然に舞い込んでくるはずだと。でも、現実はそんなに甘くありませんでした。開業してすぐのころは、電話も鳴らず、メールの通知もゼロ。名刺は配ったけれど、ほとんど反応なし。営業という現実が、静かに、そして確実にのしかかってきました。

待ってるだけでは電話は鳴らない

初めて事務所を構えたとき、正直「待っていればそのうち依頼がくる」と思っていました。立地もそこそこ、ホームページも作ったし、看板も出した。でも実際は、静かすぎる事務所で時計の針の音ばかりが響く毎日。結局、自分から動かなければ始まらないことを、静寂が教えてくれました。

「紹介があるでしょ」は幻想だった

開業前、「最初は知り合いの紹介でなんとかなるよ」と言ってくれた先輩がいました。ありがたいことに何件か紹介もありました。でも、それがずっと続くわけじゃありません。「紹介が来ること」自体が奇跡であり、それに甘えてはいけないということを、痛いほど思い知らされました。

いろんな営業方法を試してみたけれど

手探りでいろんな営業を試しました。ネットで調べて「効果あり」と書いてあった手法を片っ端から実行。でもどれも決め手に欠けていて、手間ばかり増えて空回りしていたように思います。うまくいったこともあれば、完全にスベったこともある。今回はその中でも特に印象的だったものをいくつか振り返ります。

飛び込み営業のつらさと空しさ

一度だけ、思い切って地元の不動産会社を回ったことがあります。名刺を持って「司法書士の○○です、よろしくお願いします」と頭を下げながら回る…。反応は「ふーん」「へぇー」程度で、ほとんどが名刺受け取りで終了。その後、連絡が来ることもなく、帰り道で虚しくなったのを覚えています。根性が必要な営業だと痛感しました。

DMとチラシは、正直ほとんど効果なし

ポスティング業者に頼んで地域に向けてチラシを配ったこともあります。文面もデザインもプロに依頼しましたが、反応はほぼゼロ。「見たよ」と言ってもらえるだけでもありがたかったですが、実際の依頼にはつながらず、費用対効果を考えると微妙…。今では反響より、自己満足だったのかもしれないと振り返っています。

ホームページ作成、でも反応は…

「今はWEBの時代!」と意気込んで、知り合いの制作会社に頼んでホームページを作成。SEO対策もそれなりにやったつもりでした。でも結果は、閲覧はそこそこあっても問い合わせにつながらない。文章や構成が悪かったのか、サービス内容に魅力がなかったのか…。分析はしても答えは出ず。やっぱり営業って難しい。

人付き合いが苦手な司法書士がぶち当たる壁

そもそも、私はあまり人付き合いが得意ではありません。どちらかというと、一人で黙々と作業する方が好き。そんな性格なので、「営業=人脈作り」が辛くて仕方ないのです。無理して交流会や懇親会に参加しても、帰り道ではどっと疲れて「もう行きたくない…」とため息が出ます。

交流会や名刺交換がしんどすぎる

地域の異業種交流会や士業の集まりに参加したこともあります。でも、話しかける勇気が出なかったり、話題がうまく続かなかったりで、名刺交換して終わりになることばかり。帰宅後に名刺を見返しても、「この人誰だっけ…」状態。正直、気疲れしか残らなかったというのが本音です。

そもそも「売り込み」が性に合わない

自分を「売り込む」ことが苦手です。自分のサービスを「どうですか?」と声に出すのが本当に苦しい。自信がないわけではないけれど、何となく「必死さ」が出てしまうのが嫌で、結局、口をつぐんでしまう。そんな自分の性格もまた、営業を難しくしている要因の一つです。

紹介がすべて? でもそれってコントロールできない

多くの士業が「紹介」を営業の中心に据えています。たしかに、紹介で来たお客さんは信頼もされていて仕事もしやすい。でも、それを自分で増やすのは簡単ではありません。お願いすれば増えるものでもないし、待っていても動きは鈍い。紹介頼みの営業には限界があると痛感しています。

紹介ルートを増やしたいけどどうすれば

「紹介ルートを増やすには信頼関係が大事」とよく聞きます。でも、その信頼関係をどう作るかが分からない。回数を重ねれば、自然と信頼が生まれる…と言われても、その「回数」をどう作るのかがまた難しい。一歩目を踏み出すまでのハードルが、思っているより高いんですよね。

「紹介をください」と言う勇気が出ない

「何かあったらご紹介ください」と言えばいいとわかっていても、それが言えない。言った途端に「営業っぽさ」が出てしまうのが嫌で、ぐっと飲み込んでしまうこともあります。そうやって言えないままに関係が終わっていくことも多く、後悔ばかりが積み重なっていきます。

結局、自分に合った営業しか続かない

ここまでいろんな方法を試してきましたが、最終的に思うのは「自分に合ってない営業は続かない」ということ。無理して頑張っても長続きしないし、心がすり減っていくだけ。だからこそ、自分が続けられるスタイルを見つけることが、実は一番の近道なのかもしれません。

頑張りすぎると心が折れる

何事も「頑張りどころ」はあると思いますが、営業に関しては特に「がんばりすぎると折れる」と感じます。飛び込み営業で冷たくあしらわれたり、懇親会で空回りしたり…。そんな日々が続くと、自分の存在意義まで見失いそうになる。そこまでしてやるべきなのかと、自問する日々です。

「このやり方ならまだできるかも」を見つける

例えば、ブログやコラムを書くことなら、まだ続けられそうだと思っています。文章を書くのは嫌いじゃないし、自分の考えを伝える手段としてしっくりくる。SNSも少しずつ試しています。小さなことでも「これならやれそう」と思える方法を探して、細々とでも続けていくしかないと、今は思っています。

司法書士を目指す人に伝えたい営業のリアル

これから司法書士を目指す人には、ぜひ「営業」についても現実を知ってほしいと思います。試験に受かるまでがゴールではなく、そこからがスタート。そして、そのスタートラインには「営業」という壁が立ちはだかっています。でも、それは自分のやり方次第で乗り越えられるものでもあります。

技術があっても、営業力がなければ仕事は来ない

どれだけ登記の知識があっても、どれだけ契約書が書けても、知ってもらえなければ存在しないのと同じです。だからこそ、営業は「仕方なくやるもの」ではなく「必要不可欠な技術」として、身につけておいたほうがいい。少しずつでいいので、慣れていくことが大切です。

でも、心が削れる営業は長続きしない

無理に人に合わせたり、自分を偽ったりする営業は、確かに短期的には効果が出ることもあります。でも、長い目で見ると疲れてしまって続かない。だからこそ、心が削れすぎない、自分のペースでやれる営業スタイルを見つけることが、何よりも大切なのだと思います。

最後に──うまくいかなくても、やめなければ何とかなる

営業って、正解があるようでない。真面目にやってもうまくいかないことが多いし、かといって何もしなければ誰にも見つけてもらえない。でも、やめずに続けていれば、少しずつでも「自分のやり方」が見えてくる気がします。そんなわずかな光を信じて、また明日も営業について悩むんだろうな、と思っています。

営業に「正解」はないけれど、「失敗から学ぶ」ことはできる

結局のところ、営業に「これをやれば間違いない」という正解は存在しないのかもしれません。でも、「これをやったら失敗した」「この方法は自分に合わなかった」といった経験は、確実に次につながります。そうやって少しずつ、自分に合った営業のかたちを見つけていけばいいのだと思います。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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