「暇そうですね」に込められた一言の重さ――司法書士のリアルな日常とは?

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「暇そうですね」に込められた一言の重さ――司法書士のリアルな日常とは?

  1. 「暇そうですね」と言われた瞬間の心の中
    1. 冗談か本気か、どっちにしても刺さる
    2. 一言に込められた、無理解と距離感
  2. 世間のイメージと現実のギャップ
    1. 司法書士=登記屋さん、で止まっている人が多い
    2. テレビにも出ない、ドラマにもならない地味な職業
  3. 実際の一日:忙しいのに“暇そう”に見える理由
    1. 書類の山、電話、来客…外から見えない地味な戦い
      1. 午前中だけで疲れる打ち合わせ地獄
      2. 午後はひたすら申請と不備対応
      3. 夕方からが「自分の仕事」になる皮肉
  4. なぜ“暇そう”に見えてしまうのか
    1. 事務所で静かに座っている=暇に見える理不尽
    2. 「先生」と呼ばれる肩書のワナ
  5. 本音:言われて一番モヤモヤする言葉
    1. 「暇そう」「楽そう」「儲かってそう」三大イライラワード
      1. 苦労を見せないことが仇になる
      2. 「暇そう」=価値が低いと思われている気がする
  6. モチベーションを保つのがしんどい時もある
    1. 誰にも相談できない“士業の孤独”
    2. 「休む=収入減」の重圧
  7. それでも続けている理由
    1. 感謝の言葉に救われる瞬間がある
    2. 「あなただから頼みたい」と言われた日
  8. 同業者へのメッセージ:「暇そう」と言われたときの対処法
    1. 笑って流す?それとも訂正する?
      1. 感情的になると損をする
      2. 軽く説明して、誤解だけ解いておく
  9. これから司法書士を目指す人へ
    1. 「暇そう」は幻想、実際は体力勝負
    2. 覚悟すべきは、地味な毎日と人間関係
  10. おわりに:暇に見えても、心は戦っている

「暇そうですね」と言われた瞬間の心の中

「司法書士って、暇そうですよね」――この言葉、何度聞いたかわかりません。一見何気ない一言ですが、言われた側としては、どこか心をざわつかせる響きがあります。笑って返すこともありますが、内心はモヤモヤ。何も知らずに言われるからこそ、その言葉が意外と重く感じるんです。

冗談か本気か、どっちにしても刺さる

「いや〜先生って暇そうでいいですよね!」と、笑いながら言われたことがあります。でも、そのとき私の机の上には登記申請書類が10件、裁判所への書類も2件、顧客とのメールも未返信が山積みでした。冗談のつもりでも、現場を知らない人に軽く言われると、なんとも言えない虚しさがあります。

一言に込められた、無理解と距離感

この一言は、単なる印象というより、「士業=偉そうにしていて暇で儲かってる」みたいなステレオタイプの反映なんでしょうね。話している相手との距離がぐっと遠く感じる瞬間でもあります。「この人は、俺たちの仕事に関心すらないんだな」と感じてしまいます。

世間のイメージと現実のギャップ

司法書士という仕事に対する世間のイメージと、実際の業務内容には大きなギャップがあります。名前は聞いたことがあっても、具体的に何をしているのかまでは知られていない。それが「暇そう」という誤解に繋がっているんだと思います。

司法書士=登記屋さん、で止まっている人が多い

多くの人は、「司法書士=不動産登記の人」でイメージが止まっています。でも実際は、相続、遺言、裁判書類の作成、成年後見、会社設立など、業務は多岐にわたります。しかも、それぞれが複雑で、慎重さと正確性を求められる仕事ばかりです。

テレビにも出ない、ドラマにもならない地味な職業

司法書士はドラマになりにくいんですよ。検察官や刑事のような派手さもなければ、医者や弁護士のように感情的なシーンも少ない。書類と向き合い、人と向き合う毎日。だからこそ世間からの注目も少なく、誤解されやすい仕事だと思います。

実際の一日:忙しいのに“暇そう”に見える理由

朝から晩まで動き回っていても、静かに座ってパソコンを打っている姿だけを見れば、「暇そう」と見られてしまうのかもしれません。でも、その裏側には、見えない仕事がたくさんあるのです。

書類の山、電話、来客…外から見えない地味な戦い

一日中デスクに座っている日もありますが、それは書類作成が終わらないから。しかもその間に電話も鳴るし、飛び込みの来客もある。マルチタスクどころの話じゃありません。特に月末や相続手続きが重なると、昼ごはん抜きも珍しくないです。

午前中だけで疲れる打ち合わせ地獄

午前中だけで3件打ち合わせが入る日もあります。高齢の相談者に丁寧に説明し、法的に正確な案内をするのは想像以上に神経を使います。そのまま昼をまたいで、午後の予定が押すなんてこともザラです。

午後はひたすら申請と不備対応

午後になると、法務局へのオンライン申請や役所への確認作業。不備が返ってくればすぐ対応しなければなりません。特に最近はオンラインとはいえ、エラーが出るたびに時間を取られて、ストレスも倍増します。

夕方からが「自分の仕事」になる皮肉

すべての対応が終わる頃には、もう夕方。「やっと静かになった…」と思ったときが、自分の事務作業の始まりです。誰にも邪魔されない時間はありがたいですが、結局帰宅が21時を過ぎることもあります。

なぜ“暇そう”に見えてしまうのか

どれだけ忙しくても、黙々と机に向かっている姿は傍目には静かです。その静けさが「暇」に見えるのかもしれませんが、実際の内情は真逆です。

事務所で静かに座っている=暇に見える理不尽

正直、座って作業していると「今日は暇なんですね」と言われることがよくあります。でも、何十枚もの申請書や添付書類を必死にチェックしているときほど、声をかけられたくない気持ちになります。理不尽ですが、外から見えない努力って、どうしても軽く見られがちです。

「先生」と呼ばれる肩書のワナ

「先生」と呼ばれる立場だからこそ、「働いてる感」を見せないと、逆に「暇そう」と誤解されます。でも、そんな見た目ばかり気にしていたら、本来の仕事に集中できません。肩書と実態のギャップには、今も戸惑うことがあります。

本音:言われて一番モヤモヤする言葉

「暇そうですね」以外にも、司法書士をしていて言われてつらい言葉はあります。それらはどれも、こちらの苦労をまるで無視されたような感覚にさせるのです。

「暇そう」「楽そう」「儲かってそう」三大イライラワード

この3つは本当に多くの人に言われます。そしてどれも、実情を知らない人にとってのイメージだけで語られているんですよね。苦労話は外に出さない方がいいと言われますが、それが逆に損になることもあるのかもしれません。

苦労を見せないことが仇になる

「そんなに大変なら、もっと疲れてる顔をすれば?」と言われたことがあります。苦労を隠してニコニコしていると、「楽そう」に見えるという矛盾。でも、相談者の前でつらい顔なんて、やっぱり出せないじゃないですか。

「暇そう」=価値が低いと思われている気がする

この言葉の裏にあるのは、「そんなに暇なら、価値がない仕事なんじゃないの?」というニュアンス。だからこそ腹が立つのかもしれません。実際には、人の人生に関わる大事な手続きを扱っているのに。

モチベーションを保つのがしんどい時もある

人からの評価も少なく、孤独になりがちな司法書士。忙しさだけでなく、精神的なバランスを取るのも大変です。

誰にも相談できない“士業の孤独”

士業は横のつながりが弱く、日々の悩みを相談する相手が少ないのが現実です。特に地方では、同業者同士がライバルでもあるため、弱みを見せるのもためらわれます。孤独に耐えることも、この仕事の一部かもしれません。

「休む=収入減」の重圧

仕事が途切れると即収入に直結するのも、個人事務所のつらいところ。体調が悪くても、家族の事情があっても、なかなか休めません。自由業という言葉に夢を持たれることもありますが、その裏には不安との戦いがあります。

それでも続けている理由

こんなに大変で報われないことも多い司法書士業ですが、それでも続けているのは、やはり「人との信頼関係」があるからです。

感謝の言葉に救われる瞬間がある

「先生、本当に助かりました」と涙を流して言ってくれた依頼人がいました。その一言で、何日も続いた徹夜作業の疲れが吹き飛んだ気がします。直接人に感謝される、それがこの仕事の何よりの報酬かもしれません。

「あなただから頼みたい」と言われた日

競合の多い業界で、「先生だから安心してお願いできる」と言ってもらえたとき、心から嬉しかったです。書類を超えた“人と人との信頼”こそが、司法書士の本質だと思っています。

同業者へのメッセージ:「暇そう」と言われたときの対処法

同業の方々も、きっと一度は言われたことがあるでしょう。そんなとき、どう受け流すか。意外とこれが、精神衛生を保つコツだったりします。

笑って流す?それとも訂正する?

私は最初、毎回ちゃんと反論してました。でもそれだと疲れてしまうんですよね。最近は、「あはは、そう見えるかもしれませんね〜」と笑って受け流しつつ、興味があれば少しだけ説明するようにしています。

感情的になると損をする

言われた直後はムッとするかもしれませんが、感情的になると、かえって相手との距離ができてしまいます。誤解は、ゆっくりほぐすくらいがちょうどいい。そう思うようになりました。

軽く説明して、誤解だけ解いておく

相手が少しでも聞く耳を持ってくれるなら、「実はけっこう大変なんですよ」と一言添えるだけでも効果的です。すべてを説明する必要はない。けれど、誤解だけはその場で小さく壊しておく。それが私のやり方です。

これから司法書士を目指す人へ

司法書士になろうとしている方に、ぜひ伝えたいのは、「暇そう」という言葉に惑わされないでほしい、ということです。実際は地道で体力も気力も使う、そんな仕事です。

「暇そう」は幻想、実際は体力勝負

体は座っていても、頭はフル回転。クレームにも冷静に対応し、重たい責任を背負いながら書類を完成させる。そんな仕事が「暇なわけがない」と、声を大にして言いたいです。

覚悟すべきは、地味な毎日と人間関係

一発逆転もなければ、脚光を浴びる瞬間もない。でも、地味な努力を積み重ね、信頼を築いていく。その姿勢を持てる人が、司法書士に向いていると思います。

おわりに:暇に見えても、心は戦っている

外から見れば、確かに静かで落ち着いた職場かもしれません。でも、司法書士は常に「正しさ」と「責任」と向き合いながら、目に見えない戦いを続けています。だからこそ、同業者同士で支え合い、理解し合える関係を築いていけたら――そんな願いを込めて、今日もまた書類に向き合っています。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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