「知り合い価格でお願い」って言われたら…?モヤモヤをスッキリさせる対処法

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「知り合い価格でお願い」って言われたら…?モヤモヤをスッキリさせる対処法

「知り合い価格でお願い」と言われた瞬間、心の中で何が起きているか

司法書士として長くやっていると、避けて通れないのが「知り合い価格でお願いできない?」という一言です。仕事の内容をざっくり聞いてくるだけならまだしも、正式な依頼であっても「安くしてよ」という圧のあるお願いがくると、正直げんなりします。頭では「ちゃんと断らなきゃ」と思いつつ、心の中ではモヤモヤが広がります。

なぜか申し訳なくなる自分がいる

自分の中にある「優しさ」や「人間関係を壊したくない気持ち」が邪魔をして、つい「今回はいいか」と割引してしまったことが何度もあります。でも、終わってみると後悔が残るんですよね。「なんで自分ばかり損してるんだろう」って。相手に悪気があるわけじゃないのは分かってるのに、気づけば自分を責めてしまうという、なんとも理不尽な展開になります。

「断ったら感じ悪いかな…」というプレッシャー

地方でやっていると特に、「あの人は冷たい」と噂が立つのが怖いという感情があります。都会のようにドライな関係じゃないからこそ、知り合いに気を使いすぎてしまう。だからこそ「ちょっとだけでも値引いておこうかな」という弱気な選択をしてしまいがちです。結局、その“ちょっと”の積み重ねが経営を圧迫していくんです。

値引き=信頼の証?いや、それは違う

たまに「俺のこと信用してくれてるんだよね?」みたいに言われることもあります。でもそれっておかしな話です。信頼してるなら、ちゃんと正規の報酬を払うべきじゃないでしょうか。こちらが値引きすることを当たり前と思われると、「仕事」ではなく「好意」で回しているだけの関係になってしまう。プロとしての立場を守るためには、距離感が必要です。

現実問題:知り合い価格がもたらす“損失”とは

「ちょっとぐらいいいじゃない」と軽く言われる“知り合い価格”ですが、実際にはさまざまな損失が発生します。お金だけでなく、時間、精神的な余裕、そして事務所の信頼性までもが削られていくのです。それに気づかずに続けていると、取り返しがつかないダメージになります。

収入が減るだけではない、時間も削られる

1件の仕事を安く受けた分だけ、他の案件にかけられる時間が減ります。時間は有限です。しかもそういう“知り合い案件”に限って、連絡が雑だったり、書類の準備が遅かったりする。だから倍の手間がかかるんです。以前、友人から頼まれた案件で、報酬は半額以下、手間は2倍…本当に泣きたくなりました。

他の案件を断らざるを得ないジレンマ

しかもその“友人案件”がスケジュールに食い込むと、他の正式な依頼を断ることになるんです。ちゃんと料金を払ってくれるクライアントの仕事より、知り合いの“お願いベース”の案件を優先している自分に、なんとも言えない罪悪感と無力感が湧いてきます。長く続けていると、この「優先順位の崩壊」が大きな問題になります。

結果として業務の質が落ちることも

忙しい中で無理に割引案件を詰め込むと、当然集中力も削がれます。その結果、ミスが出たり、他の案件への対応が遅れたりする。誰も得しない結果になってしまうこともあります。「誰のための値引きだったんだっけ?」と自問自答したくなります。

事務所経営者としての視点:「好意」の持ち出しは長続きしない

司法書士も経営者です。事務所を運営する以上、きちんと利益を出していかなければなりません。「今回だけね」と安請け合いしていると、その“特別価格”が他の知人にも伝わり、なし崩し的に「安くて当然」になってしまいます。これ、本当に怖いです。

知り合いの範囲が広がるほど苦しくなる

特に地方だと、ちょっと顔見知り程度でも「知り合い」扱いされがちです。すると、誰にでも値引きしなきゃいけない雰囲気が出てきて、気づけば“知り合い価格”がデフォルトみたいになる。そんなの、やってられません。

ボランティアと仕事の線引きが曖昧に

そのうち、自分が何のためにこの仕事をやっているのか分からなくなってきます。「誰かの役に立ちたい」という気持ちはあっても、それがボランティアであるべきかどうかは別の話。線引きをあいまいにしないことが大事です。

「知り合い価格」を求められたときの現実的な対応策

知り合い価格を断ることは、悪いことではありません。むしろ、事務所と自分の信頼を守るために必要なことです。やんわり断る方法、そもそも頼まれにくくする工夫など、現実的な対応策を用意しておくと、いざという時に冷静に対応できます。

「正式な料金表」を見せる勇気

「知り合いだから」と言われたときには、「うちはすべてこの料金表でお願いしてるんです」と淡々と伝えることが大事です。感情ではなく“ルール”として話すと、相手も納得しやすくなります。うちは壁に張って見えるようにしてあります。

あらかじめ“割引しない方針”を周知しておく

「誰に対しても同じ料金」というスタンスを事前に示しておくと、そもそも頼まれにくくなります。事務所のホームページやパンフレットにも明記しておくと、こちらから言い出す必要すらなくなります。これは精神的に楽です。

曖昧にしない断り方の例文集

たとえばこんなふうに言っています。「申し訳ないけど、事務所の方針で誰に対しても一律料金にしてるんだ」「気持ちはありがたいんだけど、そうしないと他のお客様との公平性が保てなくてね」。一度きちんと断れば、案外それっきりになります。

自分を守るということ=事務所を守るということ

知り合いに優しくすることは時に、自分や事務所を追い詰める結果になります。誰のための仕事か、何のための仕事か。そこを見失わないように、自分自身の立ち位置を明確にしておく必要があります。

優しさだけでは潰れる

「人に優しく、自分にも優しく」なんて言いますが、現実はそううまくいきません。優しさだけで回していたら、どこかで自分が壊れます。だからこそ、“優しくない選択”をする勇気が必要なんだと思っています。

「プロ」としての境界線をはっきりさせる

「ここまでは仕事、ここからは付き合い」と線を引かないと、いつまでもあやふやなままです。その曖昧さがストレスの元になるし、相手からも“都合のいい人”として見られてしまう。そうなる前に、線を引く覚悟が必要です。

長く続けるために“断る勇気”を育てよう

司法書士として長くやっていくためには、ちゃんとお金をもらうこと、自分を守ることが大前提です。そのために必要なのは「断る勇気」。慣れるまでは怖いですが、やってみると案外あっさり受け入れてくれるものです。

まとめ:「知り合い価格」問題にモヤモヤしなくなる考え方

「知り合い価格でお願い」と言われるたびに感じていたモヤモヤ。でもそれは、自分が悪いわけではありません。相手の無邪気さと、こちらの気の使いすぎが生んでいるだけの話。必要なのは感情ではなく、仕組みとルール。そう考えると、少し楽になれます。

割引しないことは冷たさではなく誠実さ

一律で対応することは、「あなたも他のお客さんと同じくらい大切です」というメッセージでもあります。それを理解してくれる人こそが、本当に大事な“知り合い”なのかもしれません。

断ることは相手との関係を守ることにもなる

むしろ安易に受けてしまった方が、あとで「なんであの時…」と関係にヒビが入ることもあります。そうならないためにも、最初の対応こそが肝心。自分を守ることで、相手との信頼関係も守れるという視点を忘れないようにしたいものです。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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