あの場では笑ってたけど、本当は悔しかった。同業者セミナーの帰り道で感じたこと

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あの場では笑ってたけど、本当は悔しかった。同業者セミナーの帰り道で感じたこと

同業者セミナー、行ってよかったのか分からない

何か新しい刺激を受けたくて、そして「今のままじゃいけないな」と思って、久しぶりに同業者向けのセミナーに参加した。事務所の事務員に「今日ちょっと頼むね」と言い残し、朝から電車に揺られて片道1時間半。地方にいるとこうした機会自体が貴重で、行くだけで価値があると自分に言い聞かせていた。けれど、結果的には、得たものより失った自信の方が大きかったように感じている。

事務所の仕事を事務員に任せて参加したけれど

普段は僕一人と事務員一人で回しているから、どちらかが抜けるだけで事務所はかなりの負担だ。セミナーに出ることも、ちょっとした覚悟がいる。でも、今回のテーマが「これからの登記業務とテクノロジーの融合」だったこともあり、「やっぱり行かなきゃ」と意を決して参加した。新しい情報を得て、少しでも自分の業務に活かせたらと思っていた。

始まってすぐに感じた“場違い感”

最初の講師の話が始まって3分、すでに「これはヤバい」と感じていた。専門用語が飛び交い、皆がうなずく中、自分だけが時折ノートを止めて「ん?どういう意味だ?」と悩んでしまう。ああいう空気って、一度「自分だけ取り残されてるかも」と思うと、どんどん萎縮していくんですよね。聞いてるフリしながら、頭の中では「帰りたい」の文字が何度も流れていた。

笑ってうなずいてたけど、頭の中はフリーズ状態

周囲に合わせて「うんうん」とうなずいてはいたけれど、本音を言えば、全然理解できていなかった。知らない単語が多すぎて、一つひとつ引っかかってしまう。でも「わからない」と言える雰囲気じゃない。同業者の中で「こんなのも知らないの?」って思われるのが怖くて、結局最後まで黙ったままだった。情けなかった。

自分の知識不足が露呈した瞬間

正直、ここ数年は新しいことを学ぶ余裕もなく、目の前の案件をこなすことに追われていた。だからかもしれない。最新の法改正や、AIを活用した業務効率化の話にまったくついていけなかった。「知っておかなきゃいけないこと」だったのに、現場にしがみついているうちに置いていかれていた。

話のスピードについていけない自分

講師の話はテンポが早く、スライドも目まぐるしく切り替わる。「この制度は来年度から変わります」「クラウド型の申請は既に一部で導入済みです」…知っておくべき情報ばかりだった。でも、自分は初耳ばかりで、焦ってメモを取りながらも内容が頭に入ってこなかった。

「それくらい知ってるよね?」の空気に心が折れる

周りの人たちは、笑顔で質問したり意見を言ったりしている。あの空気が一番つらかった。まるで「そんなの今さら?」と言われているようで、どんどん自信がなくなっていった。地方でこもって仕事をしているだけでは、ダメなのかもしれないと痛感した瞬間だった。

帰り道、ぐるぐると反省と自己否定

セミナーが終わって駅に向かう道中、風景も人も目に入らなかった。歩きながら頭の中でずっと「なんであんなに知らなかったんだ」「勉強してこなかったツケが今来たんだ」と自己嫌悪の言葉ばかりが回っていた。電車に乗ってからも、スマホで調べたり、講師の名前を検索したりしたけれど、余計に落ち込むだけだった。

「なんであんなに知らないんだろう」と自問自答

一つひとつ調べるたびに、「これも知らなかったのか」と思い知らされる。今までやってきた自分のやり方は、本当に正しかったのか?時間が経つほどに、不安と悔しさが押し寄せてきて、心がどんどん重くなった。

焦って調べるほど、さらに落ち込む負のスパイラル

「今さら勉強しても遅いのでは」「こんなに周回遅れだったなんて」…調べれば調べるほど、どんどん視野が狭くなっていく。自分に足りないことばかりが目につき、「あの場にいたのが間違いだった」とすら思えてしまった。

検索しても答えじゃない、求めてたのは「安心感」

本当は知識よりも、自分のような人間が他にもいるという安心感がほしかった。ネットで調べても、すぐに正解は見つからないし、誰かの失敗談もそうそう出てこない。孤独を深めるだけだった。

でも、じゃあ自分は何もできてないのか?

落ち込みながらもふと、「でも自分は自分なりにやってきたはず」と思い直す瞬間があった。実際、目の前のお客様には丁寧に向き合ってきたつもりだし、「ありがとう」と言ってもらえたこともある。都会のトレンドは知らなくても、日々の現場で培ったものもあるのではないか。

目の前の依頼者には真摯に向き合っているつもり

セミナーで出てきたシステムや理論はわからなくても、相続や登記の相談に真剣に乗ってきた。特別な知識はなくても、話を聞くこと、安心してもらうことにこだわってきた。それが無意味だとは思いたくなかった。

最先端の知識が全てではない、そう思いたいけど

でも時代は変わっている。登記や手続きもDXが進み、効率が求められるようになってきた。理想論では食っていけないかもしれない。心のどこかで、最先端を知らないことへの不安は消えないままだ。

他人と比較してもしんどくなるだけだと分かってるのに

人と比べたって仕方ない。そう頭ではわかってる。でも、あのセミナーで感じた“格差”は、あまりにも大きかった。同じ司法書士でも、こんなにも違うのかと突きつけられたようで、どうしても引きずってしまう。

でも比較してしまう、あの人たちの“余裕”と“自信”

発言する人、講師に名刺を渡してる人、隣の席で堂々と質問していた人。みんなが大人に見えて、自分だけが学生のようだった。自信があるように見えるその姿が、ただただ羨ましかった。

「地方で一人でやってるから仕方ない」は逃げなのか?

「自分は地方で孤立してるから」と自分に言い訳をしていたけれど、それすら甘えなのか?変わる努力をしていないだけなのか?そんな問いが、帰り道の頭の中に何度も響いた。

学び直しのきっかけにはなった……のかもしれない

たしかに悔しかったし、落ち込んだ。でも、あの日の体験がなければ、今の自分はそのまま変わらずにいただろう。あの悔しさが、「ちゃんと学ぼう」という気持ちを引き出してくれたのも事実だ。

あの日の悔しさを無駄にしないために

次に同じ場に立った時、今より少しだけでも理解できていたらいい。そのために少しずつでも、知識をアップデートしていきたい。無理のない範囲で、できることからやってみようと思う。

“わからない”を素直に言える場所がほしい

本音を言えば、「わからない」と安心して言える場がほしい。一人で全部抱えるのは、正直しんどい。小規模でもいいから、同じような悩みを持つ司法書士同士で話せる場があれば、それだけで少し救われる。

小さな勉強会でも、居場所になるかもしれない

肩書きも年齢も関係ない、ただ「今、困っていること」を共有できる場所があればいい。小さな勉強会でも、月に一回の雑談会でも、きっと意味がある。自分から始めてみてもいいのかもしれない。悔しさを前に進むきっかけに変えるために。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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