え、今日って開いてないの?――役所の“休み”に振り回された話

え、今日って開いてないの?――役所の“休み”に振り回された話

「まさかの閉庁日」――その朝、全てが狂った

朝一で市役所に行く予定だった。依頼人との約束も済ませ、書類も準備万端。気合を入れて出発したのに、現地に着いてみると「本日閉庁」の貼り紙。目の前が真っ白になった。平日だったはずなのに。急ぎの手続きだったこともあり、冷や汗が出て、焦りと苛立ちがぐるぐると頭の中で渦を巻いた。

依頼人との約束、そして現地へ

その日は朝9時半に市役所で依頼人と待ち合わせていた。相続関係の書類提出のためで、これを逃すと納期限ギリギリ。依頼人もわざわざ仕事を休んで来てくれるとのことだったので、責任重大だった。いつも通り車を走らせて市役所に向かい、駐車場に車を止めたあたりまでは、何の不安もなかった。

門の前で立ち尽くす:あの貼り紙の衝撃

ところが、正面玄関の自動ドアが開かない。あれ?と思って近づくと「本日閉庁日」と大きく書かれた紙がベターッと貼ってある。まさか…と周囲を見渡すも、他の来庁者らしき人の姿もなく、異様な静けさ。何かの間違いかと思って電話をかけてみたが、当然つながらず。血の気が引く瞬間だった。

役所って、そんなに不親切だったっけ?

昔はもっと丁寧だったような気もするが、最近は情報を探す側の責任、みたいな空気を感じる。ネットで調べても出てこない閉庁情報に、もはや「意地悪されてるのでは?」と思いたくなる。毎回違う役所、違うルール。そんな状況に、さすがに心が折れそうになる。

カレンダーには「平日」って書いてあるのに

今回の件、完全に油断していた。だって普通の木曜日。祝日でも振替でもない、至って通常の平日だった。それなのに閉庁とは。自治体のカレンダーにも「平常通り開庁」とあった日だった。なのに、どうして…と検索しまくってようやく、「庁舎設備点検日」なる内部事情にたどり着いた。

祝日でもない「特別閉庁日」という落とし穴

市町村によっては、年に数回、勝手に「特別閉庁日」を設けているところがある。職員の研修日とか、システム更新日とか。理由があるのはわかる。でも、せめてもっと分かりやすく周知してほしい。貼り紙1枚、サイトの1行だけじゃ足りないって。手続きで生活してる側としては死活問題なんです。

自治体によって違う、地味に厄介な運用

同じ県内でも、A市は年末年始以外は基本開庁、B市は月1で定期閉庁日あり。C町は祝日でも受付だけはしてくれることも。バラバラすぎて、いちいち確認しないと動けない。司法書士にとって、これがどれだけ手間と神経を使うことか、あまり知られていないと思う。

ネットにも出てこない「例外日」

公式ホームページにも出ていないことがあるのが本当に厄介。お知らせ欄をスクロールしてようやく見つける「臨時閉庁」の文言。しかもPDFファイルの中だったりする。こんなもん見つけられるか!とツッコミを入れたくなるけど、誰にも届かない。せめてGoogleマップと連動してくれたら…と妄想してしまう。

時間も信用も吹き飛ぶ一瞬

こういう時に一番つらいのは、依頼人との信頼関係が揺らぐことだ。いくら役所の都合とはいえ、「知らなかった」では通用しない。相手はプロだと思って任せてきてくれている。その期待に応えられなかった自分が悔しくて仕方なかった。

依頼人への説明、地味に心がすり減る

「今日は市役所、閉まってたんです…」という電話、何度かけても慣れない。相手が怒っていなくても、自分の中で「ああ、やってしまった」とダメージが残る。もちろん予定変更は可能だけど、時間と労力を費やして来てくれた依頼人に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

このミス、誰が悪い?自分?役所?仕組み?

一歩引いて考えれば、たしかに情報収集不足だった自分の責任。でも、そもそも情報の出し方にも問題はある。役所、国、システム、それぞれがバラバラで、一般市民が不便を感じても誰も責任を取らない。この国の行政手続きの「ややこしさ」は、現場で仕事する者を本当に疲弊させる。

こうすれば防げた?…たぶん防げなかった

後からなら「もっと確認すればよかった」と思える。でも、実際の業務の中では一件一件そこまで細かく確認する余裕なんてない。しかも、毎月毎週ルールが違う。自分でも「今月の◯◯市、閉庁日は…」とスケジュール帳に手書きでメモするが、それでも漏れる時はある。

役所の「開庁情報」チェックの限界

正直、役所の閉庁日を毎回確認してる司法書士なんて、そうそういないと思う。そこまで時間が取れない。手続き内容、書類の整備、依頼人とのやり取り、郵送物のチェック…。日々の業務が詰まりすぎていて、「そこまで手が回らない」のが現実だ。

電話確認は面倒…けど、やるしかない?

結局のところ、確実なのは電話で直接確認すること。でも、その「一手間」がなかなかできない。昼休憩に電話すれば「担当が不在」、夕方にかければ「受付時間外」。たらい回しにされた末に「その日は閉まってます」と言われた時の疲労感、なかなかのものです。

Googleカレンダーに「閉庁日手動登録」してる自分が悲しい

最近はもう、自分でGoogleカレンダーに「◯市役所:定休日」とかメモっている。でも、これが地味に面倒。しかも、更新し忘れてトラブルになることも。まさかITツールでカバーしないと成り立たない仕事になるとは思ってなかった。紙と印鑑の世界なのに、やってることはDXっていう矛盾。

司法書士という仕事は、地味なミスが命取り

一つの手続き、一枚の書類、一つの確認ミスが、大きなトラブルになるのがこの仕事。地味で目立たないけど、神経をすり減らす。しかも、対外的には「こんなことで?」と思われがちな部分。だからこそ、精神的な疲労は想像以上に蓄積する。

段取り8割、それでも転ぶ時は転ぶ

何度もチェックして、準備して、それでも最後に転ぶことがある。今回はその「最後の落とし穴」が開庁日だっただけ。これを防ぐには、やはり「運」や「執念」みたいなものも必要かもしれない。なんとも割に合わない話だけど、そういう仕事だと割り切るしかない。

事務員に任せきれない情報の確認作業

事務員さんも頑張ってくれている。でも、「どこが閉まってるか」まではなかなかカバーできない。責任は最終的に自分にあるし、任せた結果トラブルになれば、その分信頼を失う。結局、自分で確認して、自分で納得しないと安心できない。そのあたりの「負担の分散」が難しい。

まとめ:誰のせいでもないけど、誰かに文句を言いたい日

誰が悪いわけでもない。役所にも都合があるし、自分の確認不足も否めない。でも、「もう少しなんとかならない?」と思う出来事だった。こうした小さなミスが、大きな精神的ストレスになるのが司法書士の仕事。せめてこの愚痴が、同じ立場の誰かの共感や、ミス回避の参考になればと思う。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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