その態度、見下されてない?“舐められがち”な人の共通点と逆転の一手

その態度、見下されてない?“舐められがち”な人の共通点と逆転の一手

なぜ「舐められる」と感じるのか?

司法書士という肩書きがあっても、実際の現場では「先生」と呼ばれながら軽く扱われることも少なくありません。とくに地方でひとり事務所を運営していると、気を遣って丁寧に対応すればするほど、逆に「この人、押せば何でもやってくれそう」と思われてしまうことも。私はこれまでに何度も「そこまで頼んでないですけど?」といったような態度に遭遇してきました。

クライアントの何気ない一言に傷つく日々

ある日、初回相談に来られたご夫婦が「とりあえずここで聞いとこうか」なんて話しているのを耳にしました。まるでコンビニに立ち寄るような感覚です。こちらは数十年の経験と責任を持って対応しているのに、その一言で一気に疲れが襲ってくる。こういう小さな言葉が、積もり積もって自信を削っていくんですよね。

「先生」と呼ばれつつも、軽く扱われる矛盾

形式的には「先生」と言われていても、その実「自分たちの言うことを何でも聞いてくれる都合のいい人」と思われているケースも多々あります。尊敬と依存が混じり合って、結果的には軽視されるという微妙な立場に追いやられてしまうんです。

舐められがちな司法書士の特徴とは

舐められる原因には、性格や対応姿勢などが大きく関わってきます。自分では良かれと思ってやっていることが、実は「この人は主張しないタイプだ」と誤解されるきっかけになっていることもあります。これは反省も含めて、私自身何度も経験しています。

親切心が裏目に出る瞬間

例えば、少しでも分かりやすく丁寧に説明しようと、時間をかけて何度も噛み砕いて話していたら、「この人、話長いな」と思われたり。「忙しいんで、結論だけ言ってください」と遮られるときもあります。こっちは善意でやってるのに……と、正直やるせない。

笑顔・丁寧・腰の低さ=弱さと誤解される構造

特に最初の印象は大きいです。腰が低く、にこやかに対応していると「この人、こっちが上に出れば何とかなる」と思われてしまう。やたらと高圧的になる必要はありませんが、最初の一歩で「線引き」を見せることは大切だと今では痛感しています。

「一人事務所」の限界と舐められやすさの関係

私は今、事務員一人と小さな事務所を切り盛りしていますが、この「一人で何でもやってる感」が、ある意味でナメられる要因でもあります。相談から書類作成、役所とのやりとりまで全部自分でやっている姿を見せることで、「先生が全部やってくれるんでしょ?」という空気が出来上がるのです。

人手不足がもたらす交渉力の低下

忙しいからこそ、「もう言い返すのも面倒だな」と思ってしまう場面が増えます。それが結果的に相手のペースに巻き込まれていく原因になります。「余裕がないと主張もできない」、まさにその通りです。

事務員との役割分担に生じるバランスの難しさ

事務員にある程度任せたい気持ちはありますが、結局「ここは自分がやった方が早い」と思ってしまいがち。結果的に自分が前面に立つ機会が多くなり、負担も舐められるリスクも倍増するという悪循環に陥ってしまいます。

過去の失敗談に学ぶ、信頼と威厳の取り戻し方

実は一度、「この人には何を言っても通じない」と感じたお客様に対し、きっぱりと断ったことがあります。そのときは緊張しましたが、結果的にその人は逆にこちらを信頼してくれるようになりました。自分の軸を持つ大切さを痛感した瞬間でした。

あの一言がトリガーだった…舐められた日の記憶

「先生って結局、お役所の手続き屋さんでしょ?」という言葉を投げられたとき、心の中で何かが音を立てて崩れました。でも、そこから「だったら、それ以上の価値をどう示すか」と考えるようになったんです。

感情に流されず、毅然とした対応を選んだ結果

反論ではなく、冷静に「ここからは有料相談になります」と伝えた瞬間、相手の態度が明らかに変わったのを覚えています。毅然とした対応は「プロとしての覚悟」を見せる最良の方法だと学びました。

現場での「線引き」として意識していること

信頼とサービス精神は両立できますが、無料でなんでもやってしまうと、その瞬間から舐められ始めるリスクが高まります。最近は、初回から「これは業務範囲に入りますので」という一言を必ず入れるようにしています。

無料相談の線引き、していますか?

「とりあえず話だけでも…」の相談がいちばん危険です。親切心で聞いてしまうと、それが当たり前になってしまう。「聞いてもらえる無料の人」になる前に、早めに枠組みを提示することが肝心です。

時間単価意識と態度の変化の関係

単に料金の話ではなく、「時間を大切にする姿勢」が相手の態度を引き締めます。逆に、だらだらと話を聞いていると、相手も無意識に「この人の時間は軽い」と感じてしまうんです。

言い方ひとつで舐められなくなる方法

優しさは残しつつも、プロとしての主張を伝えるには「言い方」がカギになります。表情・声のトーン・話す順番。すべてが相手の反応を変える要素です。たった一言で印象は大きく変わります。

説明の順番を変えるだけで印象が変わる

「今から○○の手続きをご案内します。その前に、少しお時間をいただく内容になります」と先に伝えるだけで、相手は構えて聞いてくれます。逆に、ダラダラ話してから本題に入ると、緊張感が切れてしまいます。

断る勇気が信頼を生むという皮肉

「それは当事務所では対応しておりません」と言った瞬間、逆に「しっかり線を引いてる信頼できる人だ」と思われることもあります。全部受けることが信頼じゃない、そう思えるようになったのは、かなり後になってからでした。

司法書士だからこそ求められる「強さ」

最後に、やはりこの仕事には「優しさ」と「強さ」の両立が必要だと強く感じます。ときに冷たく見える態度も、相手のためになっているという意識を持つこと。私は今でもそのバランスに悩みながら仕事をしていますが、少しずつ「舐められない」自分になれている気がします。

優しさだけでは足りない、境界の守り方

人に優しくするというのは、時に自分を犠牲にしてしまうことにもなります。けれど、自分を大切にしなければ、長くこの仕事を続けることはできません。まずは自分の時間と心の余裕を守ることから始めましょう。

毅然とした態度は、むしろ安心感を生む

毅然としていることは決して冷たいわけではありません。「この人なら大丈夫」と思わせる雰囲気は、むしろ安心感につながります。信頼は、曖昧さではなく明確さから生まれる。今では、そう信じています。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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