たった一つの数字違いで…届かなかった書類が招いた大混乱

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たった一つの数字違いで…届かなかった書類が招いた大混乱

たった一つの番地違いで発覚した「届かない書類」事件

仕事というのは、どんなに経験を積んでもミスがゼロにはならないものだと痛感する出来事があった。ほんの一桁の違い。たった「1」違うだけで、書類が届かなかった。司法書士という職業柄、住所の正確さには常に注意しているつもりだった。だが、そんな自負も無力になるような、予期せぬトラブルに巻き込まれた。忙しさに追われる日々の中で、こうした「小さな綻び」が後々大きな混乱を招くのだ。

事の発端は「戻ってきたレターパック」だった

朝、郵便受けを開けた瞬間、赤いレターパックが戻ってきていた。差出人は自分。宛先は顧客の住所。戻ってきた理由は「あて所に尋ねあたりません」。一瞬、目を疑った。何かの間違いじゃないか? そう思って宛名を確認したが、特に違和感はない。だが、冷静に見ていくと違和感に気づいた。

宛名書きは完璧だったはずなのに…

送付前に事務員にも確認してもらい、印刷ミスもなかったはず。念のため、控えの住所と比較してみると、番地が違っていた。顧客の正しい住所は「3-5-8」だが、送付した書類には「3-5-9」と記載されていたのだ。しかも印刷ミスではなく、入力自体が間違っていた。背筋がゾッとした。

配達員のメモ書きに違和感を覚える

封筒には配達員の手書きメモが残っていた。「該当住所なし、近隣確認済」。つまり、実際にその番地を探しに行ってくれたということだ。だが存在しない番地なので、当然配達はできなかった。丁寧に調べてくれた配達員には頭が下がるが、そういう問題ではない。顧客に届かなかったという事実がすべてなのだ。

確認してみると、番地が「1」違っていた

たった一つの数字が違っただけ。これがどれだけの影響を及ぼすのか、実感するには十分すぎる事件だった。普段から「チェックは二重に」と口酸っぱく言っているはずの自分がやらかしたのだから、情けない。

入力ミス?聞き間違い?原因不明のまま

顧客からもらった住所を記録する段階で何かが間違っていたのだが、音声でのやりとりだったため、どこでミスが起きたのか特定できなかった。もしかすると電話口で「8」と聞こえたのを「9」と打ってしまったのかもしれない。あるいは、もともとのメモにミスがあったのか…もはや検証不能だ。

差出人としての信頼に傷がつく瞬間

結果的に、顧客からは「大丈夫ですか?」とやんわり言われた。責める口調ではなかったが、その一言が胸に突き刺さる。信頼というものは、こういう小さなところから崩れていくのだ。司法書士は信頼が命。それが少しでも揺らげば、次の依頼は来ないかもしれない。

なぜこんな初歩的なミスが起こるのか

「確認していれば防げたミス」。そう言われればその通りだ。でも現実は、確認しきれないほどの業務量と、気を抜く暇もない日々に押しつぶされている。だからこそ、こういう単純なミスが起こるのだ。

忙しさがすべてを雑にする

最近は相続案件が重なっており、書類作成・調査・電話対応・役所とのやり取りなど、すべてが重なっていた。ひとつ終わればまたひとつ。気がつけば昼も食べずに夕方を迎えることもある。そんな状況では、慎重さもどこかに置き去りになってしまう。

書類が山積みの机、電話は鳴りっぱなし

デスクの上には常に5件分以上の案件が山積み。電話が鳴れば手を止めて対応し、また別件の書類を開く。途中で頭が混乱し、別の案件と混ざることもしばしば。そういう時に限って、こういうポカが起こるのだ。

「急ぎでお願い」がトラブルの元凶に

この書類も、顧客から「早めに送ってください」と言われていたものだった。そう言われると急がなきゃと思ってしまうのが人間。焦ると注意力が下がる。その結果がこの番地違い。急ぎ=雑、の方程式が成立してしまう。

事務員との連携ミスもあったかもしれない

一人で事務所をまわしているわけではない。事務員さんにも助けてもらっている。でも、今回の件はお互い「確認したつもり」になっていたのかもしれない。

確認してもらった“はず”が確認してなかった

「この宛先で合ってるよね?」と軽く声をかけただけで、深くチェックしてもらっていなかった。相手も忙しかったのか、「はい」と返事だけして実際には確認していなかったようだ。確認作業を“会話”で終わらせるのは危険だと改めて思い知った。

司法書士にとって住所ミスが致命的な理由

登記や法的書類は、住所ひとつ間違えただけで効力を失ったり、手続きが無効になることすらある。今回のような送付ミスで済めばまだマシだが、内容証明や登記申請にミスがあれば、取り返しがつかない。

クライアントからの信用を一瞬で失う

信頼関係は地道に積み上げていくものだが、崩れる時は一瞬だ。司法書士に依頼する人は、ミスが起きないことを前提に依頼してくる。それが「間違えてしまいました」では済まされない世界。ミスは即、信用の損失につながる。

「こんなことも間違うのか」と言われる怖さ

顧客に悪気はないとしても、「こんなことも間違う人に任せて大丈夫か?」という目で見られるのが一番つらい。そこからの挽回は難しく、次回の依頼を逃すことになりかねない。

再送・再印・再押印…時間と手間が倍になる

今回のようなミスは、ただの書類送付ミスでも手間が倍以上になる。封筒の再準備、書類の印刷、押印、レターパックの購入、そして発送。1通の書類に対して、無駄な工数が一気に増える。事務所の人的リソースを考えると、本当に痛い。

ただのミスが1日仕事になる絶望

午前中に発覚したミスが、その日の大半を奪っていく。やるべきだった他の仕事が後ろ倒しになり、翌日にシワ寄せが来る。ミスというのは、その場だけでは終わらない。連鎖的に業務全体を狂わせていくのだ。

今後どう対策していくべきか

こんな失敗を繰り返さないために、今後どうするか。理想論ではなく、現実的に取り入れられる対策を模索するしかない。体力も時間も限られている中で、ミスを減らす工夫が必要だ。

チェックリストを強制的に導入する

一番手っ取り早いのは、チェックリストを作って運用すること。「宛名住所確認欄」「番地照合チェック欄」など、見落としやすいポイントを明文化して可視化する。人間の記憶や感覚には頼らない。これだけでも、かなり変わるはずだ。

「送り先番地チェック」欄を設けるだけでも違う

チェックリストの項目に「番地一致確認」と書くだけでも、毎回注意を促す効果がある。見てから送る、これを徹底するための“トリガー”になる。意識に頼らず、仕組みに頼ることがミスを防ぐ第一歩だ。

本当は…もう少しゆとりがあればと思う

本音を言えば、人を増やしたい。もっと落ち着いて仕事がしたい。でも、地方の小さな事務所ではなかなかそうもいかない。ギリギリの人員と予算の中で、なんとか回しているのが現実だ。

事務員をもう一人雇いたいが、そんな余裕はない

採用して教えて、給料を払い続ける余裕があればとっくにそうしている。今いる事務員もよくやってくれているが、負担をかけすぎるわけにもいかない。だから結局、自分でどうにかするしかないのだ。

それでも、なんとかやっていくしかない

どれだけ愚痴を言っても、現場は動いていく。失敗が減るわけでも、時間が増えるわけでもない。でも、だからこそ、できる範囲で工夫していくしかない。ネガティブな気持ちを抱えながらも、仕事は止められないのだ。

失敗を糧に、またひとつ慎重になるだけ

ミスを完全になくすことはできない。でも、同じミスを繰り返さないようにすることはできる。番地違いで始まったこの一件も、そういう意味では貴重な教訓だった。「またやらかした」と落ち込みながらも、それでも前に進むしかない。

ネガティブだが、ミスを繰り返さないのが仕事

いつもポジティブに前向きに、なんてとてもじゃないけど無理。でも、愚痴を言いつつも対策を講じる。そんな泥臭い積み重ねが、司法書士という仕事をなんとか成り立たせているのだと思う。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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