また見てしまった…「書類が間に合わない夢」
ここ最近、同じような夢を何度も見るんです。夜中に目を覚まして「ああ、夢か…」とホッとする。それが「書類が間に合わない」夢。印鑑が見つからない、法務局が閉まってる、依頼人に怒鳴られる…。夢の中の自分はひたすら焦っている。現実よりも妙にリアルで、目覚めた後もしばらく気持ちが引きずられてしまうんですよね。
夢の中で何度も繰り返す“あの焦り”
登記期限に間に合わない、期日が今日だと気づく瞬間、なぜか書類が手元にない。何かに阻まれて進めない…。そんな状況が夢の中で繰り返されます。思い返せば、こういう夢って、忙しい時期や特に神経を使った案件の後によく見るんです。体は寝ていても、頭はまだ仕事から抜け出せていない証拠なのかもしれません。
起きてもなんだか疲れている朝
夢の中で何度も走り回っているせいか、起きたときから体が重い。頭もぼんやりしていて、目覚めたのにすっきりしない。これはただの寝不足じゃなくて、精神的な疲れがそのまま睡眠中にも表れているんじゃないかと思うようになりました。仕事をしていてもどこか集中できない日もあるんですよ。
この夢、単なるストレスじゃない気がする
ただの「疲れてるから見る夢」で済ませるには、あまりにも頻繁に見るようになってしまった。しかも内容が妙に具体的。あの書類、この案件…過去の記憶と混ざっている。これは、司法書士という仕事の根本的なプレッシャーが原因なんじゃないかと、最近ようやく向き合うようになりました。
書類＝責任の象徴？
我々司法書士にとって「書類」はただの紙ではありません。一文字の間違いが命取りになる。間違えたまま提出すれば、後で大きなトラブルを引き起こしかねない。だからこそ、書類の完成度に対して過剰なほど神経を使うようになります。その緊張感が夢にまで出てきているのかもしれません。
司法書士にとっての「書類」は命綱
特に、相続登記や抵当権の抹消など、一つのミスが「人の人生を狂わせる」可能性がある案件では、何度も見直しを繰り返します。提出後も「本当に大丈夫だったかな…」と不安になるほどです。その感覚が日常化してくると、夢の中でも自然と「間に合わない」という焦りに変わるのでしょう。
締め切りに追われる生活の延長線？
この仕事、何かと“期限”に追われます。依頼が来た時点ですでにタイトだったり、登記完了までのスケジュールがギリギリだったり。常に時計を気にして、先を読んで、段取りを組まなければならない日々。そんなプレッシャーが潜在意識に溜まっていくのも無理はないと思うんです。
月末・登記期限・提出期限…逃げ場のないカレンダー
月末になると、事務所のカレンダーは真っ赤。登記申請の締切、固定資産評価証明書の取得、依頼者との打ち合わせ…。逃げ場のないスケジュールが続きます。書類がどこかで止まればすべてが遅れる。そんな状況の中では「夢の中くらい休ませてくれ」と思うのですが、それも叶いません。
日中も気が休まらない「もし間に合わなかったら」
日中もふとした瞬間に「このままじゃ間に合わないかも」と不安が襲ってきます。それは実際に遅れているわけではなくても、常に“最悪の想定”が頭の片隅にあるから。自分が何かを見落としてるんじゃないか、誰かのミスをカバーできなかったら…。そんな心配が消えません。
「ミスをしてはいけない」という呪縛
司法書士という職業は、ミスが許されない仕事です。わずかなミスが信頼を損なうだけでなく、損害賠償にまで発展することもある。だからこそ、完璧を求め続ける姿勢を貫かなければならない。でも、その“完璧”という言葉に自分自身が押しつぶされそうになることもあります。
完璧を求められる職業のつらさ
誰にも迷惑をかけたくない、間違いたくない。そう思えば思うほど、夜も寝れず、夢でも焦る。これが日常になっていると、自分でも「これは普通じゃない」と思うことがあります。でも、同業者に話すと「俺もそうだよ」と言われる。きっとみんな、似たような思いを抱えているのでしょう。
一人事務所の限界
事務員を一人雇っていますが、結局のところ責任はすべて自分に返ってくる。細かい判断や最終確認は私がやるしかない。人を増やしたくても地方だと人材も限られていますし、教育に時間を割けるほど余裕もない。ひとりで抱える量が年々増えている気がしてなりません。
信頼して任せられる人がそもそも少ない
昔は「任せる勇気が大事」と思っていました。でも、実際は“任せられる人がいない”という現実がある。ちょっとしたことでも確認に時間がかかり、二度手間になる。それなら自分でやった方が早い。そんな思考がどんどん定着してしまって、ますます負担が増えていきます。
忙しさと責任の板挟み…現実は夢以上にキツい
夢の中では焦っているだけ。でも現実は、責任・スケジュール・人間関係・金銭的なプレッシャーがすべてのしかかってくる。だからこそ「夢のほうがまだマシだ」と感じることすらあるのが正直なところ。逃げ場がない感覚に押しつぶされそうになる瞬間があります。
事務員ひとりの現場、ギリギリの毎日
登記の準備から書類の確認、顧客対応、請求処理、そして法務局への提出まで…。本来なら分業すべき業務を、私と事務員の二人でこなす。しかもお互い休めない。急な依頼が入ればすべての段取りが崩れる。そんな状況では、ミスが出ない方がおかしいくらいです。
「そんなことも自分で？」という日常
依頼者へのお茶出しや郵送準備、名刺の補充まで自分でやることもあります。外から見ると「先生」と呼ばれる仕事ですが、実態は何でも屋。お金の計算、机の掃除、備品管理…。他業種の友人に話すと驚かれるレベルです。でも、やらなきゃ誰もやってくれないんですよね。
同業の皆さんへ：あなたもこの夢、見てますか？
この「書類が間に合わない夢」、自分だけかと思っていたら、意外と多くの司法書士が同じような夢を見ていると聞いて驚きました。それだけプレッシャーが強い職業なんだと思います。夢の内容こそ違えど、みんな心のどこかに“間に合わない恐怖”を抱えているのではないでしょうか。
思わず共感した後輩司法書士の話
先日、若手の司法書士と話していたら「最近、書類が見つからなくて焦る夢ばかり見ます」と言われて、思わず「俺も！」と返してしまいました。年齢も経験も違うけれど、見ている夢は同じ。これはもう業界共通の“職業病”なのかもしれませんね。
ベテランも例外じゃない、仕事の夢のリアル
逆に、年配の先輩司法書士に聞いたところ、「もう何十年も同じ夢を見てる」と笑いながら話してくれました。「慣れたら消える夢じゃないよ、むしろ年を重ねるごとに増える」とまで言われ、背筋が寒くなりました。ゴールの見えないプレッシャー…それがこの仕事の現実なのかもしれません。
夢を減らすために現実を整えるしかない
結局、夢は心の映し鏡。夢の内容を変えたければ、現実を変えるしかない。そう思って、最近は少しずつ仕事のやり方を見直すようになりました。完璧は無理でも、少し楽になる方法を探すことはできるはず。そう信じて試行錯誤しています。
自分なりのストレス軽減策
最近始めたのが、朝の散歩と夜の読書です。短い時間でも頭をリセットできるようになってきました。仕事のことを夜に考えないようにするだけでも、夢の内容が変わる気がします。小さなことですが、積み重ねれば変化はあると実感しています。
朝のルーティン／夜の気持ちの切り替え方
朝は15分だけ散歩してからコーヒーを飲む。夜はスマホを見ないで、紙の本を読む。そんなささやかな習慣が、自分の気持ちを落ち着けてくれています。夢が完全になくなるわけではありませんが、「あ、またか」と受け流せるようになったのは大きな変化です。
事務所運営の見直しポイント
業務の棚卸しをして、「自分じゃなくてもできる仕事」は事務員に任せるようにしました。さらに、繁忙期には臨時のサポートを外部にお願いすることも検討中です。すべてを抱え込まないこと。完璧より“回せる体制”を作ることの方が大事だと、ようやく気づいてきました。
人を増やす？業務を絞る？
人を増やすことは理想ですが、現実的には難しい。ならば業務を絞る。たとえば、不動産登記を中心にして商業登記は思い切って減らすなど。すべてを請け負うより、自分が集中できる分野に絞った方が、結果的にクオリティも上がる気がします。
