想定外だった“土地の形状ズレ”との遭遇
登記の仕事において、土地の図面は絶対的な「頼り」に思えます。ですが、実際の現地に行ってみると、「あれ? なんか違うぞ…」という違和感に襲われることがあります。先日も、相続登記に絡んで現地確認をした際、図面とは明らかに形が違う土地を目の当たりにしました。いやもう、正直めんどくさい。図面を信用して手続きを進めてたら、全部やり直しになるところでした。
現地に行って初めて分かる違和感
依頼者から「土地の形は図面通りです」と聞いて、安心して手続きを進めていたのですが、念のため現地へ足を運んでみたら…境界杭がない、塀が図面とズレてる、おまけに隣地の建物が少しかぶってる!?図面だけ見てたら絶対気づけない状況です。しかも依頼者も「昔からこうだった」と言うし、地元特有の曖昧な境界の文化もあって、いよいよ判断が難しい。
机上では気づけない、地図と現実のギャップ
事務所で見ている公図や地積測量図は「それっぽく」見えるんです。でも、現地は斜めだったり、道路拡張で変形してたり、隣の家の花壇が越境してたり、もう“図面通り”のほうがレアなんじゃないかって思うほど。特に田舎だと、昔ながらの地元ルールが優先されてて、図面がただの「目安」でしかないこともザラです。
「あれ、なんか違うぞ?」の第一印象
土地に一歩足を踏み入れたときの違和感って、直感的なものです。「この塀、変じゃない?」「境界杭が埋もれてない?」と感じて、念のため測量士に確認を依頼したら「これ、形が変わってますね」と言われました。もう冷や汗ですよ。なんで最初から言ってくれないの?って思うけど、依頼者も測量士じゃない。結局、最後に責任取るのはこっち。損な役回りです。
古い図面と現実のズレ、その根深さ
登記制度はしっかりしてるように見えて、図面に関しては意外と“曖昧さ”が残されています。昭和の測量だったり、手描きだったりする図面もまだまだ現役です。図面が古くて現実とズレていても、それがすぐに訂正されるわけでもなく、結局、現地確認が最も正確なんですよね。
登記簿上の地積と形状が合わない現象
たとえば、登記簿には「150㎡」と記載されていても、実際に測ると「145㎡」だったり「160㎡」だったりします。形状も長方形のはずが、実際には台形だったり、L字型だったり。これって、昔の測量が大雑把だったのもあるけど、そもそも土地の使われ方が変化してきたことが大きいです。だから、数字や形を鵜呑みにすると後で痛い目を見ます。
昔の測量精度と現代の精度の違い
いまはGPSやドローンで精密な測量が可能だけど、昔は目測+巻尺の時代。しかも地元のおじさん同士が「ここらへんでいいか」って決めた境界が、そのまま図面になってたりする。そりゃズレますよね。でも依頼者に説明すると「なんで今さら違うってわかるの?」と詰められる。こっちは未来人じゃないっちゅうの。
地積測量図と公図の“ありがちな”食い違い
これ、ほんとによくあります。同じ土地でも、公図は四角、公的測量図は台形、現地はさらに微妙に変形…っていう三重構造。特に古い登記の土地ほどこの傾向が強い。なのに、登記官からは「整合性が取れていないので再提出してください」って。だったら最初から訂正してくれよ…っていう愚痴も出るわけです。
実務で発生するトラブルのリアル
こういう図面と現地のズレって、司法書士が一番困るポイントです。だって、こっちは登記手続きの専門家であって、土地そのものの専門家じゃない。にもかかわらず、境界トラブルの火消し役にならざるを得ない場面も多々あります。
依頼者からの「なんで違うの?」攻撃
登記が進まないと、だいたい矛先はこっちに向きます。「先生が図面を確認してなかったからじゃないの?」とか言われると、ほんと萎えます。こっちも被害者なんだけどなぁ…。でも、プロとしての立場上、「図面と違ってました」とだけじゃ済まないんですよね。なんか、やるせない。
こっちは測量士じゃないんですけど…
「図面が違ってました」って話をすると、「じゃあ先生、測り直してください」って平気で言ってくる依頼者もいます。でもそれ、測量士の仕事なんです。何回説明しても理解されない。でも説明しないと「怠慢だ」とか言われる。どうすりゃいいのよ?って話です。
土地家屋調査士との連携の難しさ
こういうときは土地家屋調査士に依頼するんですが、スケジュールが合わない、報酬で折り合いがつかない、あるいはそもそも調査士さんも「今忙しいんで…」と断られることも。連携って言葉はキレイだけど、現場はそう簡単じゃありません。
「言った・言わない」で無駄な時間が…
測量を依頼したはずなのに、「そんな話聞いてませんよ」って言われるともう最悪。お互いのメモが違ってたとか、電話だけで済ませたのが原因とか。いちいち議事録残してる余裕なんてないんですよ。忙しいんだから。
後進に伝えたい、図面は鵜呑みにするな
若い司法書士さん、これだけは声を大にして言いたい。「図面は信用しすぎるな!」です。どんなにキレイに描かれてても、現実はもっと歪で、ズレてて、ややこしいもの。最初の段階で疑ってかかるぐらいが、ちょうどいい。
「図面は正しい」なんて思ってると痛い目に
自分が新人のころ、「法務局の図面なんだから正しいに決まってる」と信じて手続きを進めて、大失敗したことがあります。補正が出て、登記はストップ、依頼者からは不信感を持たれて…ほんとに痛かった。その経験があるからこそ、今は図面を疑うようになりました。
“目で見た情報”こそ信用すべき
最終的に信用できるのは、現地で自分の目で見た情報です。「この土地、ホントに図面通り?」っていう視点を持って動くことで、トラブルの芽を事前に摘むことができます。もちろん手間は増えるけど、それで依頼者との信頼が守れるなら安いもんです。