寝る間も惜しい自分を、いつまで許せますか?

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寝る間も惜しい自分を、いつまで許せますか?

寝る時間を削るのが「当たり前」になってしまった日常

気がつけば、日付が変わるころにようやくパソコンの電源を落とす毎日。昔は「今日こそ早く寝るぞ」と思っていたはずなのに、最近は「これが終わるまでは寝られない」という発想になっている。自営業である司法書士にとって、仕事を断ることは死活問題。とはいえ、寝不足が続くと集中力は落ちるし、翌朝の業務に響く。頭ではわかっているのに、やめられない。これはもう、性分というより“業”かもしれない。

疲れていても手を抜けない性分が招くループ

「この書類、念のためもう一度確認しておこう」「ミスがあるとまずいし」。そう思ってパソコンを開いたが最後、気づけば1時間、2時間と時間が過ぎる。完璧を求める気持ちは悪いことじゃない。でも、それが寝る時間を削る原因になっているなら、本末転倒だ。ミスを恐れて時間をかけて、結局ミスが増えるような状態になっていることに、自分でも気づいてはいる。

「急ぎで」と言われると断れない司法書士の悲哀

「急ぎでお願いできますか?」この一言が苦手だ。しかも、そう言ってくるのは大抵、長年付き合いのある不動産業者や金融機関。断れば他に流れるかもしれないし、かといって無理すれば自分が潰れる。それでも「はい、何とかします」と答えてしまうのが司法書士の性。結局、後悔するのはその日の深夜。明日の予定を調整しながら、ため息が出る。

「誰のためにやっているんだろう?」と思う夜

目をこすりながら書類に目を通していると、ふと疑問が湧く。「自分、なんでここまでやってるんだっけ?」と。依頼者のため?家族のため?それとも自分のため?そのどれもが正解のようでいて、どれも正解じゃないような気がしてくる。眠気と孤独感が重なる深夜は、妙に哲学的になってしまう。

事務所の灯りが消えるのはいつも最後

うちの事務所は地方の小さな商店街の一角にある。夜になると周囲は真っ暗で、人通りもなくなる。そんな中でも、うちの事務所の灯りだけは最後までついている。帰り道、誰もいない道を歩きながら「今日も遅くまで頑張ったな」と思うと同時に、「明日もこの繰り返しか…」という虚無感も押し寄せてくる。

クライアントの感謝より、残るのは疲労感

感謝の言葉をもらえることもある。「助かりました」「先生にお願いしてよかった」そんな言葉は、やっぱり嬉しい。でも、その一瞬の喜びよりも、身体に残るのは圧倒的な疲れ。睡眠不足のまま翌日を迎えることが続くと、感謝の言葉すらスッと入ってこない日もある。

スタッフが一人しかいない現実と限界

事務所にはベテランの事務員さんが一人。彼女には本当に助けられている。でも、人手が少ない分、任せきれない業務も多いし、ミスが出ないようにと確認作業も結局自分がやる。全幅の信頼を寄せたい。でも、忙しさがそれを許さない。責任は最終的に自分に返ってくると思うと、どうしても「念のため」と確認してしまう。

「任せる」のが怖くて全部抱えてしまう

これは自分の性格の問題かもしれない。人に任せるのが苦手だ。いや、任せたい気持ちはある。でも、相手の手を煩わせるぐらいなら自分でやった方が早い、という思考が抜けない。結果、すべてが自分に集中してしまい、さらに疲れるという悪循環が生まれている。

教える時間も余裕もなくなっていく

本当はもっと教えてあげたい。任せられるように育てたい。でも、日々の業務に追われていると、教えるための時間も、心の余裕も奪われていく。何か教えるたびに「早く終わらせなきゃ」という焦りが出てしまい、結局「自分でやろう」となってしまう。悪いとわかっていても、そうなってしまう。

睡眠不足が積み上げる見えないツケ

睡眠時間を削って働いたところで、実は効率は上がらない。むしろ、疲れが溜まって集中力が落ち、結果として時間がかかるようになる。睡眠不足は万病のもと、とはよく言ったものだ。私自身、年々身体がいうことをきかなくなってきたのを実感している。

集中力の低下とミスのリスク

特に登記の仕事は、一つの誤字や日付のミスが致命的になる。眠い目をこすりながらチェックした書類に、後日ミスが見つかることもあった。あのときもっと寝ていたら、きっと防げたはず…。そう思っても、過ぎた時間は戻らない。

登記ミスは許されないのに、判断力は落ちていく

司法書士という仕事は、信用がすべてだ。だからこそ、ミスは絶対に許されない。でも、眠気の中での作業では、判断力が鈍るのも当然の話だ。人間だから、疲れれば間違える。それがわかっているのに、休むことができない。この矛盾が、自分をますます追い込む。

家庭やプライベートとのバランス崩壊

妻から「また遅いの?」と呆れられる日が増えた。子どもとの会話も、週末に少し話すだけ。休日も急ぎの対応が入れば、スマホを片手に仕事モード。気づけば、家にいても心が家にないような感覚になっていた。

それでも、この仕事が嫌いになれないから

愚痴ばかり言ってるけど、この仕事が嫌いなわけじゃない。むしろ、やりがいは感じているし、「ありがとう」の一言で報われることもある。だからこそ、自分を潰さないように働くことを、もう少し真剣に考えなければいけない。寝る間も惜しんで働くことを「美徳」にせず、自分を大切にすることから始めようと思う。

やっぱり、誰かの役に立てる瞬間がある

相続登記が無事に完了したときの安心した顔。会社設立後に送られてくる「開業しました」の案内。そんなとき、自分の仕事が誰かの人生に関われたんだと実感する。それが、何よりの原動力になる。

自分を犠牲にしない働き方を模索してみる

少しずつでもいい。「今日はもう仕事は終わり」と決めて帰る日を作る。仕事の優先順位を見直す。自分が倒れたらすべてが止まる、ということを忘れずに、長く続けられるような働き方を探していきたい。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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