帰宅しても心が休まらないあなたへ。働きすぎのサインかもしれません

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帰宅しても心が休まらないあなたへ。働きすぎのサインかもしれません

仕事が終わっても気が休まらない——これって普通?

毎日18時に業務を終えているはずなのに、家に帰っても頭の中では書類の締切や顧客対応のことばかりがぐるぐる回っている。お風呂に入っていても、「あの登記、間違えてなかったか?」と不安になる。眠りにつこうとしても、メールの返事をしていないことを思い出してベッドから飛び起きる——そんな日々が、いつの間にか当たり前になってしまっていました。私のように地方で小さな司法書士事務所を営んでいる方には、きっと「あるある」な話ではないでしょうか。「気が休まらない」というより、「気を休める暇がない」が本音かもしれません。

夜になっても思考が止まらない司法書士の日常

かつて、夜9時ごろに「依頼者にメールを送ったっけ?」と急に不安になり、事務所に戻ったことがあります。もう帰宅して食事も済ませていたのに。家族は呆れていましたが、私にとっては笑い事ではありません。もし送っていなかったら、翌日の予定がずれて、他の案件にも影響が出るからです。司法書士という仕事は、小さなミスが信頼を揺るがしかねません。それゆえ、頭の中で何度も確認してしまうんです。たとえ机を離れていても、「業務モード」から抜け出せない。これは単なる真面目さなのか、それとも自分で自分を追い込んでいるのか、わからなくなることがあります。

「休日=書類の山」になってしまう現実

日曜日、カフェに出かけてリフレッシュしようと決めた日がありました。でも鞄の中には、つい癖で書類を3件分入れていたんです。結局、コーヒーを飲みながら申請書類をチェックしてしまい、気づけば3時間。周囲は楽しそうに会話をしているのに、自分は「早く処理を終わらせよう」と必死になっている。この状況を見た妻に「それ、休日の意味ある?」と苦笑され、言い返すこともできませんでした。「やらなきゃいけないこと」が多すぎて、完全なオフなんて夢のまた夢。自営業者としての自由と引き換えに、心の休息時間をすり減らしている感覚です。

なぜ私は家に帰っても仕事モードのままなのか

自分でも不思議だったんです。仕事が終わったのに、なぜか頭がシャットダウンしない。これは性格なのか?職業柄なのか?考えてみると、司法書士という職業は「責任」が常につきまとうんですよね。誰かの人生に関わることが多いから、どこかで「失敗できない」というプレッシャーが24時間背中にのしかかっている。だから、帰宅後も脳が勝手に仕事を続けてしまう。これは一種の“防衛本能”なのかもしれません。

終わらない「責任感」が心を締めつける

私が司法書士になって十数年。最初は「仕事とプライベートを分けよう」と頑張っていました。でも、どこかで「責任感が強いのは良いことだ」と思い込んでいたんです。依頼者に迷惑をかけたくない、トラブルを未然に防ぎたい——そう思って動いているうちに、「常に仕事のことを考えている状態」が習慣になっていました。責任感が強いのは悪いことじゃない。でも、それが自分を追い込む材料になってしまうと、むしろパフォーマンスは下がるんですよね。最近はそれにようやく気づき始めました。

事務所経営と実務の“二重苦”

地方の個人事務所というのは、経営と実務をどちらも一人でやらなければいけないんです。依頼者対応、書類作成、登記申請に加えて、経理、労務、備品の補充まで全部。しかも、事務所が暇になると、それはそれで焦るんですよ。「売上どうしよう?」と。だから常に気が抜けない。たまに「自営業で気楽でいいですね」と言われることがありますが、笑顔で返しつつ、内心では「いや、24時間勤務なんだけどな」と突っ込みたくなります。

事務員がいても楽にはならない理由

事務員さんがいても、「任せる」というのは簡単ではありません。登記のような専門性が高い業務は、どうしても最後は自分の確認が必要になります。さらに、「これは任せていいのか」「もう少し詳しく説明するべきだったか」と不安が膨らんでしまい、結局は自分が手を出してしまう。信頼していないわけじゃない。でも、責任を負うのは自分ですから、つい慎重になりすぎてしまうんです。結果的に、労力が倍増しているという矛盾。

「ちょっとだけやっておこう」が積み重なる罠

「今のうちに、ちょっとだけ」と思って手を出した仕事が、1時間経っても終わらないことってありませんか?私はよくあります。夜9時にメールを1通返すつもりが、気づいたら関連書類まで見直していて、時計を見たら11時。しかもその間、心はずっと緊張状態。司法書士という仕事は、ミスが許されない分、ひとつひとつの確認に神経を使う。だからこそ「ちょっとだけ」のはずが、大きなエネルギーを奪っていく。積み重ねれば、休息の時間なんてどこにもなくなります。

これは“職業病”?それともただの働きすぎ?

働き方改革だ、ワークライフバランスだと言われても、個人事務所の現場にはなかなか届きません。むしろ、どこまでが「責任感」で、どこからが「働きすぎ」なのか、その境界すら曖昧になってきます。「これって職業病?」と自嘲気味に笑うこともありますが、本当は笑い事ではないのかもしれません。

司法書士にありがちな「完璧主義」思考

私を含め、多くの司法書士は「完璧主義」なところがあると思います。依頼者の信頼を得るため、ミスをしないため、常に正確さを求められるからでしょう。でもこの完璧主義、実は自分を最も追い詰める原因でもあるんです。「これで大丈夫かな?」「もう一度見直そう」とやっているうちに、いつまでも終わらない。しかも、他人の完璧さにも敏感になってしまう。仕事に厳しくなりすぎて、人にも自分にも疲れてしまう——そんな悪循環、ありませんか?

同業の話を聞いても安心できないワケ

「他の司法書士さんはどうしてるんだろう?」と思って話を聞いても、正直、安心できた試しがありません。むしろ、「うちより忙しそうだ」「もっと案件を回している」と焦る材料になってしまう。SNSでも「○○件完了しました!」なんて投稿を見ると、自分が怠けているような気分になります。結局、比較しても心は休まりません。だから最近は、他人の仕事量やスピードではなく、自分の限界ラインを見極めるように意識しています。

じゃあどうすれば、少しでも休まるのか

この状態を変えるにはどうすればいいのか。すべてを解決する魔法はありませんが、小さな工夫や意識の変化で、気持ちの余裕を取り戻すことは可能です。私はまだ試行錯誤中ですが、いくつか実感していることを共有したいと思います。

まずは“頭の中”から仕事を追い出す習慣

私は最近、寝る前に紙のメモ帳に「明日やること」を書き出すようにしています。頭の中にあるタスクを「見える化」することで、少しだけ不安が和らぐんです。「もう頭で覚えてなくてもいいや」と思えるだけで、ぐっすり眠れるようになりました。スマホのメモアプリではなく、あえて手書きというのもポイントです。手を動かすことで、気持ちが一段落する感覚があるんです。

自分の「限界」を自分で決める勇気

仕事が終わらないのは、「終わらせようとしすぎているから」かもしれません。私は最近、「今日はここまで」と強制的に線を引くようにしています。もちろん最初は不安になります。でも、何日か繰り返すと、案外大丈夫なことに気づくんです。「完璧にやらなくても、回ることもある」と思えたとき、ようやく心が少しだけ軽くなりました。

小さな逃げ場を用意しておく

私の小さな逃げ場は、夜に見るお笑いのYouTubeチャンネルです。15分だけでも、仕事と関係ない世界に触れる時間があると、気分転換になります。散歩でもいいし、ゲームでもいい。「自分が戻れる場所」を用意しておくと、仕事が終わったあとも自然とスイッチが切り替わる気がします。

人に任せる不安とどう向き合うか

「任せられない」という気持ちは、信頼の問題というよりも、自分の不安の表れなのかもしれません。最近は、任せたあとは「もうこれは相手の仕事」と割り切るようにしています。うまくいかなくても、それはそのときに対応すればいい。すべてを自分で背負おうとするのをやめたとき、ようやく少しだけ肩の力が抜けました。

同じ悩みを抱えるあなたへ——心が壊れる前に

もし、この記事を読んで「自分も同じだ」と思った方がいたら、それは「あなたがおかしい」わけではなく、「仕組みがおかしい」だけです。真面目な人ほど、責任感の強い人ほど、心が壊れるまで気づかない。だからこそ、少しずつでも自分を労わってください。司法書士という仕事は、誰かを守る仕事でもあります。でもまず守るべきは、自分自身かもしれません。

「頑張っている司法書士ほど危ない」現実

一番危険なのは、「まだ大丈夫」と思ってしまうことです。私も、気がついたら体調を崩していた時期がありました。病院の先生に「過労ですね」と言われたとき、ようやく現実に向き合いました。頑張っている人ほど、自分の不調に鈍感です。だからこの記事が、あなたのブレーキになればと思います。

ネガティブでもいい、でも放っておかない

ネガティブな感情は悪ではありません。私もよく愚痴をこぼしますし、不安になることだらけです。でも、それを放置すると、やがて爆発します。心の声を聞いてあげてください。「疲れた」と思ったら、堂々と休んでください。司法書士である前に、一人の人間です。まずはそこから、少しずつ取り戻していきましょう。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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