提出直前に発覚!壊れた電子定款PDFに泣いた日

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提出直前に発覚!壊れた電子定款PDFに泣いた日

壊れた電子定款PDF──提出直前の悪夢

もう何年もこの仕事をしていると、ある程度のトラブルには慣れてくるものだが、それでも「これは勘弁してくれよ」と頭を抱えたくなる出来事はやってくる。今回の事件は、まさにそんな一日だった。登記の提出直前、顧客から預かっていた電子定款PDFが、まさかの「破損ファイル」だったのだ。ファイルを開こうとしてもエラーが出て先に進めない。作業はすでに大詰め、時間の猶予もなく、久々に手汗が止まらなかった。

まさかの「ファイルが開けません」

提出直前、申請ソフトに定款PDFを添付しようとしたその瞬間、「ファイルが開けません」のメッセージ。冷や汗がドッと出た。何度開き直してもダメ。PCの再起動も意味がなく、ここでようやく「あ、やばいなこれ」と本格的に感じた。定款の再取得…頭の中でスケジュールが崩れていく音が聞こえた。

チェックしていたはずなのに

実は、このPDFは依頼人から送られてきたもので、自分でも一度は開いて内容を確認していた。だがそのときは、ただ「開いた」だけで、実際に提出用の操作まではしていなかった。今思えば、その時点で形式やタイムスタンプをしっかり見ておくべきだったのだ。忙しさにかまけた確認不足が、こうしてしっぺ返しとして返ってくる。

Adobeのバージョンが悪いのか?それとも…

原因はソフトウェアの相性か、署名データの破損か、今となってははっきりしないが、Adobeのバージョンによってはうまく開かないことがあるらしい。こんなとき、「電子」ってやっぱり万能じゃないな…とつぶやかずにはいられない。アナログの紙なら、ここまで手間取らなかったかもしれない。

「電子」だからこその落とし穴

便利なはずの電子定款。でも、その「便利さ」にどこか甘えていたのかもしれない。紙のように劣化しないと思い込んでいたし、チェックも視覚的に楽だからと油断していた。しかし、壊れたファイルの前では何もできない。技術に頼ることの怖さを改めて思い知らされた瞬間だった。

紙だったらこんなこと起きなかった

紙ならば、ページが破れていようが、字がかすれていようが「読める範囲」で処理が進むこともある。電子はそうはいかない。「完全な形式」でなければ受け付けてもらえないし、ファイルが壊れていれば、それだけでゼロからやり直し。便利とリスクは表裏一体だと痛感した。

署名とタイムスタンプの罠

電子定款には、電子署名とタイムスタンプの有効性が必要で、破損しているとその署名自体が無効扱いされることがある。うっかり有効期限切れのタイムスタンプだったりすると、提出してから「不備」で返ってくる可能性もある。今回はそれ以前の問題だったが、チェックすべき箇所は多い。

再取得の手続きで疲弊する日々

結局、定款の再取得をお願いすることになった。依頼者に連絡し、公証役場に再発行を依頼、送付された新しいファイルの確認と差し替え作業…。これだけで半日潰れた。登記の提出は翌日に持ち越し。急ぎの案件ではなかったのが唯一の救いだったが、精神的にはどっと疲れた。

時間もお金も二重にかかる

再取得には当然、時間だけでなく費用もかかる。今回は依頼者の側でも「こちらで再手配します」と快く対応してくれたが、気まずさは残る。こっちのチェックが甘かったのも事実で、責任の所在がどちらにあるかという議論に持ち込む気力もなかった。

依頼者への説明が一番しんどい

再発行そのものよりも精神的に疲れるのが、「説明責任」。顧客に「なぜこうなったのか」を説明する必要があるが、あまりに細かく話しても逆に不信感を生んでしまうし、かといって曖昧にするとプロとしての信用に関わる。誠実で、かつ安心させる説明って、本当に難しい。

なぜこうなった?原因を振り返る

今回の失敗、最大の要因は「確認不足」に尽きる。時間に追われていると、どこかで「大丈夫だろう」という気持ちが出てくる。そしてそれが、こうした大きなトラブルにつながる。自分だけでなく、誰にでも起こり得るミスだと思う。

作業が立て込むと「確認」が雑になる

複数案件を並行して処理していると、一つ一つの確認作業が「流れ作業」になってしまいがちだ。今回はまさにそのパターン。ファイルを開いて「問題なさそう」と思った時点で、細かいチェックをすっ飛ばしてしまった。仕事に慣れるほど、こういう慢心が生まれるのが怖い。

業務フローの改善点が見えた瞬間

一方で、今回の件をきっかけに、自分の業務フローに無駄があることも気づけた。電子定款の受領後、チェック→バックアップ→提出用変換の流れがバラバラになっていたのだ。これをきっちり「手順化」しておくことで、同じようなトラブルは減らせる気がする。

事務員さんとの連携ミスも反省

うちの事務所は小さい。事務員さん一人と、ほぼ二人三脚で回している。だからこそ、ちょっとした伝達ミスが大きな事故につながる。今回も、「このPDF、念のため開いてチェックしておいて」と頼んだつもりが、伝わっていなかったらしい。自分の伝え方が悪かったんだろう。

「伝えたつもり」は危険

業務が忙しいと、つい口頭でざっくり伝えてしまいがちだ。でもそれは、聞く側にとっては「聞いていない」も同然。伝えたことはメモでも残す。可能なら、チャットやチェックリストを使う。この辺は、性格の問題ではなく仕組みの問題だと割り切った方がよさそうだ。

小さな報連相のズレが命取りに

仕事において、報告・連絡・相談、いわゆる「報連相」は基本中の基本。でも、毎日同じことの繰り返しになるこの仕事では、それがかえってルーティン化しておろそかになりがち。今回の件も、事前に「PDF壊れてないか確認した?」と一言聞いておけば防げたはずだ。

これからの対応策と心構え

もう同じミスは繰り返したくない。そう思って、チェックリストを作ることにした。電子定款の受領から提出までの流れを、ステップごとに「目視確認」する欄を設けた。事務員さんと共有して、お互いが「見た・確認した」が分かるようにしておくつもりだ。

定款PDFは出力後すぐに複数環境で開く

まず徹底したいのは、PDFを受け取ったら、必ずWindows・Mac・スマホなど複数の環境で開いてみること。ソフトや環境依存で開けないファイルもあるから、できる限りトラブルを事前に察知するようにする。少し手間だが、それで安心が得られるなら安いものだ。

あえてのアナログチェックもアリかもしれない

PDFの内容を一度プリントアウトして、紙でも確認してみる。ちょっと時代に逆行しているようにも思えるが、「ちゃんと目を通した」という実感は、紙の方が確かに強い。確認作業に「実感」を取り戻すためにも、アナログは侮れない存在だ。

同業者の皆さんへ──ミスは起きる前提で

この記事を読んでいるあなたが、司法書士であれ、司法書士を目指している方であれ、「ミスをしないように頑張ろう」とする気持ちは尊い。でも、残念ながらミスはなくならない。だからこそ、起きる前提で動くのが、いちばん現実的だと思っている。

「俺だけじゃない」と思えると少し楽になる

たまに、自分だけがこんなにミスしてるんじゃないかと落ち込むことがある。でも、声には出さなくても、みんなミスしてる。今回の体験が「こういうことあるよね」と共感を生むなら、それだけでも少しは意味があるのかなと思っている。

完璧じゃなくても進めていける強さ

大切なのは、ミスをしないことではなく、ミスをしたときに「どうリカバリーするか」だ。今回の再取得は痛手だったけど、それでもなんとか納品までこぎつけた。完璧じゃなくてもいい。諦めず、淡々とやっていく。それが、司法書士として生き残るコツなのかもしれない。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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