気づけば24時間勤務?プライベートと仕事の境界が曖昧になる現代人の苦悩

未分類

気づけば24時間勤務?プライベートと仕事の境界が曖昧になる現代人の苦悩

気づけばずっと仕事? 境界線が消えていく日常

「今日は早く帰れるな」と思っても、結局スマホでメールをチェックしてしまう。そして気づけば、返信して、添付ファイルを確認して、翌朝の準備を始めている――そんな日々が当たり前になってしまいました。私のような地方の司法書士は、都市部のように「チームで仕事を分担する」という文化がまだ根付いておらず、結果として、仕事とプライベートの境目が完全に曖昧になってしまうのです。

朝のメールチェックが「業務開始」になる日々

目が覚めてまずスマホを開く。これはもう習慣というより、反射です。そこで依頼者からの急ぎの連絡が入っていたら、頭が一気に「仕事モード」に切り替わります。布団の中なのに…。実際、朝ごはん前にすでに2、3件の対応を終えていることもあります。これでは心の余裕なんて生まれません。

夜中に鳴る電話と「対応しなきゃ」の義務感

司法書士という仕事は責任が重く、相手の人生に関わる場面もあります。だからこそ「今すぐ聞いておきたい」という気持ちはわかるんです。でも、夜10時を過ぎての電話には、正直うんざりしてしまうこともあります。それでも「出なきゃ後悔するかも」と思って出てしまう。この繰り返しが、じわじわと疲労を蓄積させていくのです。

そもそも“プライベート”ってなんだっけ?

気づけば、仕事の合間に「プライベート」をねじ込むような生活になっていました。趣味の時間も、買い物も、家族との団らんも、仕事のスキマにねじ込む感じ。「今日は休み」と思っていても、結局どこかのタイミングで電話やメールに追われてしまう。そんな生活がもう何年も続いています。

土日も「急ぎで…」の連絡が入る現実

「土日しか動けないんです」と言われれば、それに応じるしかない現状があります。登記の締切や相続のタイミングなど、お客様の事情も理解できるだけに、断るのが難しい。とはいえ、自分の体もひとつだけです。土日が完全に「第二の平日」になっているように感じるのは、私だけではないと思います。

家族の前でも頭の中は登記のことでいっぱい

家族と食事をしていても、「あの書類、ちゃんと送ったかな?」「あの土地の分筆は来週までだったよな…」と、脳内会議が始まってしまいます。目の前の会話に集中できないことが増え、「話聞いてる?」と子どもに言われたこともあります。これは結構、心に刺さります。

地方の司法書士だからこそ、断れない

都会なら「ビジネスライクに断る」こともできるかもしれません。でも地方は違います。お客さんは、近所の人だったり、町内会で顔を合わせる人だったりするから、どうしても無下にできません。距離が近いからこそ、頼まれたら断りづらいんです。

「顔が見える距離」の気まずさと期待感

町のスーパーで「この前はありがとうね」と声をかけられる。そんな日常です。これはうれしいことでもあるけれど、裏を返せば「期待されている」というプレッシャーでもあります。ちょっとでも対応が遅れれば、すぐに噂になってしまう。そんな窮屈さと常に向き合っています。

田舎あるある:「先生は頼ればなんでもやってくれる」

「先生、ちょっとこれもお願いできませんか?」と頼まれることはしょっちゅう。しかもそれが司法書士の業務外であっても、「相談くらいは乗ってくれるでしょ?」という空気がある。この“便利屋化”が、ますますプライベートとの境をあいまいにしてしまいます。

町内の役員や冠婚葬祭との板挟み

司法書士とは別に、地域の役職や行事もこなさなければいけない。法要に呼ばれたり、町内の清掃に参加したり。断れば冷たい目で見られるし、参加すれば時間を奪われる。どっちを選んでも疲弊します。

事務員ひとりの限界と、孤独な責任

うちは事務員がひとり。とても優秀だけれど、当然すべてを任せるわけにもいかない。結局、判断や責任のいる仕事は自分にのしかかってくる。物理的にも精神的にも、「ひとり司法書士事務所」の限界を日々感じています。

結局、全部自分がやることになる

書類作成から相談対応、営業、経理まで。やろうと思えば全部自分でできるし、実際やってしまう。でも、それがいつの間にか“やらなきゃいけない”に変わってしまう。自分が動かないと止まってしまう歯車。その責任が重いんです。

「人を増やせば楽になる」は幻想かも

一時期、もう一人雇おうかと本気で考えました。でも、教育や人件費、責任分担の難しさを考えると、簡単には踏み出せません。人を増やせば負担が減るとは限らない。それどころか、管理の仕事が増えるだけかもしれない。そんな不安が拭えませんでした。

誰にも相談できない「線引き」の悩み

「これは対応すべき?」「断っていい?」そんな判断の基準があいまいなまま、毎日が過ぎていきます。同業者に相談したくても、皆同じように忙しい。結局、自分の中だけでぐるぐると悩みを抱えてしまうのが現状です。

境目を作るために、試したことと挫折したこと

何とかして「仕事」と「私生活」を分けようと、いろいろ試してきました。でも現実は厳しく、うまくいかないことの方が多かった。試行錯誤の中で見えてきたのは、「線引きには強い意志と周囲の理解が必要」ということでした。

定時退勤チャレンジとその現実

一時期、「毎日18時には仕事を終える」と決めたことがありました。でも、結局18時以降に連絡が入ると対応してしまう。「これだけは…」と例外を作っているうちに、いつの間にか元に戻ってしまう。ルールは、自分ひとりだけでは守れません。

業務用スマホを分けてみた結果

スマホをプライベート用と業務用に分けたこともあります。でも、お客様はそんなこと知りません。結局、どちらにも連絡が来るし、「折り返し対応」の手間が増えただけでした。便利になるどころか、むしろ煩雑さが増した印象です。

それでも司法書士という仕事を続ける理由

「じゃあ辞めれば?」と聞かれることもあります。でも、簡単には辞められない。それは、この仕事にしかないやりがいや誇りも、確かにあるからです。だからこそ、愚痴をこぼしながらでも、なんとか続けていけるのだと思います。

感謝されると救われる瞬間もある

「先生にお願いしてよかった」と言われた時、正直泣きそうになることがあります。日々の疲れやストレスが、その一言でふっと軽くなる。そんな瞬間があるから、なんとかやっていける。感謝の言葉には、それだけの力があると実感します。

“誰かの役に立っている”という曖昧な満足

明確な成功体験ではなくても、「あの人の助けになったかもしれない」という手ごたえがある。それが続ける理由になっています。プライベートと仕事の境界があいまいなままでも、誰かの役に立っていると信じられる限り、私はこの道を選び続けるのだと思います。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

未分類