「よく頑張ってますね」って、誰が言ってくれるんだろう
「よく頑張ってますね」って、たったそれだけの言葉。でも、それが胸にしみる日があります。日々、膨大な書類と向き合い、誰にも気づかれずに処理し続ける業務。依頼人にとっては一度きりの大事な手続きでも、こっちはそれを毎日のように何件も処理してる。感謝されるより、当然と思われることの方が多い。そんな毎日の中で、ふと、「俺、よく頑張ってるよな」と思っても、それを口にしたところで、誰も頷いてくれない。それでも今日もやるしかない。そういう日々。
言われたいだけの日、ありますよね
本当は、大したことじゃないんです。「頑張ってるね」と言われたいだけ。そんな日がたまにあるだけ。でも、それを言ってくれる人がいない。家族は忙しそうだし、同僚はいないし、事務員さんに言われたら逆に気を使わせてしまう。せめてコンビニのレジの人が「お疲れさまです」って言ってくれたら、それだけでちょっと救われるのに、なんて思ってしまう。
頑張ってる自分に、誰も気づかない
書類に印鑑を押すたび、「これでまた一つ終わった」と自分を褒めたくなる。でも外から見たら、ただの作業に見えるんでしょうね。司法書士の仕事って、完成して当たり前。ミスは許されないけど、成功しても評価されない。なんだか理不尽な職業だなと思う時もあります。
仕事は山積み、人手は常にギリギリ
小さな地方の司法書士事務所。人を増やせるほどの余裕はないし、かといって仕事は減らない。だから結局、自分で抱えるしかない。昼休みもロクに取れない日がある。郵便局と法務局をハシゴしながら、ふと「俺は何のためにこんなに走ってるんだ？」と思うことがある。
司法書士一人＋事務員一人の現実
私の事務所は、私と事務員さんの二人だけ。彼女が体調不良で休むと、業務がすべてストップしかける。電話、来客対応、郵送、FAX、登記オンライン申請。全部、自分でやらなきゃいけない。誰にも頼れない。そんな日は、ほんとに一日が長い。
「人を雇えば楽になる」なんて、幻想だった
開業当初、「人を雇えば効率も上がるし、楽になるだろう」と思っていた。でも実際は、教育、給与、労務管理。むしろ気を使うことが増えた。もちろん助かることもある。でも「人に任せる」というのは、簡単なようで難しい。結局、自分でやった方が早いって思ってしまう日も多い。
細かい書類、誰も代わってくれない
登記や相続の書類は、一文字間違えたら大問題。責任はすべてこっち。だからこそ、確認作業は絶対に自分でやる。信頼してる事務員さんでも、最終チェックは譲れない。だから気が抜けない。朝から晩まで、数字と文字をにらみ続けて、目がショボショボしても、やめられない。
「ミスしないのが当たり前」の世界で
司法書士の世界は、「できて当たり前」。成功しても誰も褒めてくれない。だからこそ、たまにくる「ありがとう」が本当に貴重。でも、それを毎回もらえるわけじゃないし、むしろもらえない方が多い。だから、自分で自分を認めるしかないんです。
完璧でいることを、求められすぎていないか
クライアントの信頼を裏切れない。だから、常に100点じゃないといけない。80点では足りない。気を抜いたらすぐトラブルになる。たまに自分に対して「そんなに完璧求めなくていいよ」と言いたくなるけど、甘えると怖い。だからまた背筋を伸ばす。
小さな成功には、拍手はない
例えば、相続登記がスムーズに完了したとする。それでも「無事終わって当然」という顔をされるだけ。「早くて助かりました」と言われたらラッキー。何百件と処理してきた経験があるからできたことでも、そこに拍手はない。影の仕事なんだと、改めて実感する瞬間です。
感謝よりも、クレームが先に来る
すべての依頼者がそうじゃない。でも印象に残るのは、やっぱりクレームの方。郵送が遅れた、電話の折り返しがなかった、態度がそっけなかった…細かいことでも不満として残る。感謝の言葉はふわっと消えるけど、クレームは胃にずっしり残る。
電話が鳴れば、また問題
着信音が鳴るたびに「今度は何のトラブルだろう」と身構えてしまう。大体、いい話じゃない。ミスではないけど「納得いかない」という感情がぶつけられる。こちらは事実通りに進めただけでも、不満は生まれる。それを受け止めるのも、また司法書士の役目。
「ありがとう」は滅多に来ない
たまに「助かりました、本当にありがとうございます」と言ってくれる方がいる。その一言が救いになる。でも、それがあるのは10件に1件くらい。多くは「当然」の空気感で終わる。だからこそ、「ありがとう」が、胸に染みるんです。
同業者のSNSを見ると、虚しくなる
最近は、司法書士の先生たちもSNSを使って集客している。キラキラした投稿を見かけるたびに、「俺だけ取り残されてるのかな」と思ってしまうこともある。でも、そういう投稿の裏側にある苦労までは見えない。だから、自分の今を否定しないことに決めた。
「バリバリ稼いでます」アピールの裏で
「月商◯◯万円！」「毎月◯件の依頼！」といった投稿を見て、自分と比べてしまう。でもその数字がすべてじゃない。実際にやってみれば、目に見えないストレスや責任があるのもわかってる。それでも、心がざわつく日はある。
こっちは月末の支払いにヒヤヒヤ
現実は、月末に家賃と給料と社会保険を払って、口座の残高を見てため息をつく毎日。売上が安定しない月は、「あと3件増えなかったら赤字だな…」と電卓を叩く。でも誰にも言えない。経営者なんだから、弱音は見せちゃいけない。そう思って飲み込む。
それでも、やる理由
辞めたいと思うことは何度もあった。それでも続けているのは、「頼ってくれる人がいるから」。この仕事を選んだ理由はそこにある。完璧を求められるし、報われないことも多いけど、「ありがとう」がある限り、続ける価値はあると思っている。
依頼者の「助かりました」だけが救い
ある高齢のご夫婦の相続手続きを担当したとき、「本当に助かりました」と手を合わせて言われた。あの言葉だけで、「やっててよかった」と思えた。その瞬間のために、面倒な作業も、クレームも、なんとか耐えられる。
でも、毎日もらえるわけじゃない
そんな感謝の瞬間は、数ヶ月に一度あるかないか。毎日は来ない。でも、その一回が心に残る。その記憶でまた一ヶ月、頑張れる。だから今日もまた、言われるわけでもない「頑張ってるね」を、自分の胸の中でつぶやきながら机に向かう。
「やめたい」と思う日の方が多い
正直、やめたい日は月に何度もある。疲れた、報われない、給料安い。でも、それでもここまで続けてこれたのは、たぶん性格なんだろう。ネガティブで愚痴っぽいけど、どこかで「人の役に立ちたい」と思ってる。そんな自分も、まぁ悪くない。
司法書士を目指す人へ、伝えたいこと
この世界は、決して華やかじゃないし、楽でもない。でも、意味はある。あなたが目指す理由が「誰かを助けたい」なら、それは間違ってない。厳しい現実はあるけれど、やりがいもちゃんとあるんです。
覚悟は必要。でも、悪いことばかりじゃない
どんなに準備しても、想像以上に大変です。でも、「ありがとう」に出会えたとき、自分の存在価値を感じます。だからこそ、この仕事を選ぶ人が、また一人でも増えてくれたらと思っています。
誰かのために働けるって、すごいことなんだよ
地味で孤独な仕事かもしれない。でも、「誰かの人生の大事な節目に関われる」って、実はすごいこと。誇っていいんです。だから今日は、自分に向かって言ってみます。「よく頑張ってるよ」って。
