連休前になると必ず起こる“謎トラブル”の正体とは?

連休前になると必ず起こる“謎トラブル”の正体とは?

連休前になると必ず起こる“謎トラブル”の正体とは?

どういうわけか、毎回決まって連休の直前になると、こちらの都合などお構いなしにトラブルが立て続けに起こります。普段はスムーズに進む登記案件が妙にゴタついたり、「今それ言う!?」と叫びたくなるような問い合わせが殺到したり。45歳、地方で司法書士事務所をなんとか回している身としては、これが地味にキツい。事務員も一人で、気軽に「お願い」できる余裕などありません。これは偶然ではなく、どうやら“連休前特有の空気”が関係しているようなのです。

なぜかバタバタする連休前の空気

「あと少しで休み」この心理がもたらす油断

自分でも薄々感じているのですが、「あと2日で休みか〜」と気が緩んだタイミングで、ぽろっと確認漏れや処理ミスが出るんです。例えば、ある年末のこと。所有権移転登記の添付書類に住民票を添付し忘れ、法務局から「不備通知」。気づいたときにはもう取引先は休みに突入しており、こっちは青ざめながら年明けの再提出をする羽目に。気が緩むのは自分だけでなく、依頼人側にも同じことが起きているのかもしれません。

事務所内でも高まる“片付けムード”の落とし穴

連休前は「きれいにして休みたい」という気持ちが強くなりがちです。書類を整理したり、スケジュールを前倒しにして空けようとしたり…。でもその“前倒し”がくせ者で、普段はゆっくり打ち合わせするような内容を、急ぎ足で処理するから、確認不足や認識のズレが頻発します。私自身、「片付けたかっただけなのにトラブルを作ってしまった」ことが何度もあります。特に事務員との役割分担をちゃんと確認しないと、後でお互いに「聞いてなかった…」となるのです。

依頼が集中するのは偶然じゃない?

「今のうちにやっといて」が重なる恐怖

依頼人の心理として、「連休前に終わらせたい」「連休中は気持ちよく過ごしたい」という願望があるようで、それが“駆け込み依頼”という形で私たちに降りかかります。あるとき、同じ週に5件の相続登記依頼が集中し、しかもどれも「急ぎで」。冷や汗をかきながら書類を集め、夜遅くまで補正書類と格闘する羽目に。こちらのキャパなどお構いなしです。

顧客の都合とこちらのキャパがかみ合わない

そもそも、依頼人は「先生、連休前でお忙しいですよね?」とは言ってくれません(言ってくれても、依頼はする)。彼らのスケジュールと、こちらのスケジュールが全く噛み合わず、かえって処理が遅れるという本末転倒な事態も。依頼を断るのも難しいし、かといって全て受け入れるのも危険。毎年このジレンマに悩まされています。

トラブルの質も連休前はなぜか重い

「え、今それ?」というタイミングでくる案件

なぜか、連休前に限って、複雑だったり、人間関係の微妙な案件が舞い込んできます。例えば、兄弟間の相続争いで揉めていた案件。普段なら落ち着いて調整するのに、連休前というプレッシャーで、双方の言い分をその場で無理やりまとめる羽目に。結果、片方から「そんなつもりじゃなかった」と後日クレームが。時限爆弾を抱えて年を越すような気分になります。

連休明けには対応できない=今すぐ対応地獄

トラブルが連休中に発生すると、連休明けのスタートから地獄です。法務局も、関係機関もすぐには動かないため、今のうちに解決しないと事務所の信頼にも関わります。「今日中に何とかならないか」と言われるたび、胃が痛くなります。でも放置もできず、結局徹夜で対応…ということも何度か経験しました。

人が減る、時間もない、なのに仕事は増える

事務員も休む…結局、自分が全部やるハメに

唯一の事務員が年末に数日休むだけで、事務所全体の機能がガクンと落ちます。依頼対応から書類チェック、郵送手配まで、全部自分でやらなければならず、どれか一つでもミスすれば取り返しがつきません。「自分の代わりはいない」という現実が、いつもより重くのしかかるのが連休前です。

外注も連休モード、助けがこない現実

司法書士業務は外部の士業や業者と連携することも多いのですが、連休前はそちらも既に“休みモード”。連絡は遅い、書類は来ない、対応も冷たい。まるで孤立無援の戦場に放り出された気分です。「いつもの行政書士さんがつかまらない」だけで、登記手続きが数日遅れるという事態にも直面しました。

どうすれば乗り切れるのか?

そもそも「連休前に終わらせたい病」を疑う

自分自身も「連休前に片付けたい」「区切りをつけたい」という気持ちに毎年取り憑かれていた気がします。でも、それが余計に仕事を詰め込み、トラブルを呼んでいたのかもしれません。無理に終わらせようとせず、スケジュールに“余白”を作るだけで、トラブル発生率はかなり下がります。

“自分で自分の首を絞めてる”構造の見直し

「片付けたいから受ける」「でもトラブルになる」「結果、疲れる」という悪循環に毎年ハマっていました。そもそも“全部自分でやる”スタイルに無理がある。外注や分担の工夫、断る勇気も必要。そう割り切れたのは、40代も後半になってからです。

本当に緊急なのかを見極める冷静さ

依頼人の「急いでる」は、本当に急いでるとは限りません。「連休明けでも問題ないですよ」と言うと、案外「それでもいいです」となることも。相手の勢いに流されず、一歩引いて判断する習慣をつけると、こちらの負担もぐっと減ります。

それでもトラブルは起きる。じゃあ、どう愚痴る?

愚痴を溜めない仕組みとしての“コラム”

このコラムを書くこと自体が、私にとっては“ガス抜き”になっています。同じように地方で孤軍奮闘している司法書士さんに、共感してもらえたら救われます。うまくいかないこと、理不尽なことは毎日のようにあります。でも、それを文字にすると少しだけ客観視できます。

同業者に伝えたい、「あなただけじゃない」話

連休前のトラブルで苦しんでいるのは、決して自分だけではありません。誰もが「何で今これ?」と思いながら、書類をめくり、電話を取っている。そんな現場のリアルを、ここで少しでも共有できたらと思っています。もし、共感してくださる方がいたら、また次の連休前に一緒に嘆きましょう。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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