靴下までびしょ濡れ。雨の日の外回りが心折れる瞬間

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靴下までびしょ濡れ。雨の日の外回りが心折れる瞬間

雨の日の外回りに、心が折れる理由

司法書士の仕事は、デスクで完結するものばかりではありません。特に田舎で事務所をやっていると、役所や依頼者の家、銀行など、車と徒歩を駆使しての外回りは日常茶飯事です。そんな日々の中でも、雨の日の外回りは精神的にも肉体的にも消耗します。単なる「濡れて不快」というだけではなく、もっと根深いストレスがそこにはあるのです。

移動するだけで体力を消耗する

雨の中を傘を差して書類を守りながら歩くと、普段の2倍くらい疲れます。片手は常に傘、もう片手には鞄と書類。体勢が不自然になり、ただ歩くだけでも腰や肩に変な負担がかかります。さらに、靴は水を吸ってどんどん重くなり、気づけば足元から冷えて風邪の原因にもなります。

濡れた書類の絶望感

防水ファイルに入れていたはずなのに、いつの間にか書類がふやけていたことが何度もあります。特に委任状や実印の押された書類がシワシワになったときの焦りと絶望といったら…。書き直しをお願いできるものならまだしも、時間的に取り返しがつかないケースでは、自分を責めるしかありません。

クライアント先での見た目問題

びしょ濡れの状態で依頼者宅や会社を訪ねるのも気が重いものです。ジャケットは湿り、髪も乱れ、靴は泥まみれ。見た目に清潔感がないと、不信感を与えかねません。実際、「あれ、今来たばかりですか?」と苦笑され、いたたまれなくなったこともあります。

そもそも、なぜこんな日に外に出ないといけないのか

誰も好き好んで雨の日に外回りしたいとは思いません。それでも私たち司法書士が雨の日でも出ざるを得ない事情が、しっかりと存在します。結局は「やるしかない」仕事だからこそ、つらさが募るのです。

郵送ではダメと言われる取引先の存在

最近でこそオンライン登記や郵送でのやり取りが普及しつつありますが、いまだに「直接持ってきてください」と言われる場面も多いです。特に年配の依頼者や、顔を見て話したいという銀行担当者など、こちらの都合よりも相手の希望が優先されるのが現実です。

登記申請は待ってくれない現実

登記の期限が迫っている場合、どんな天気だろうが関係ありません。提出が1日遅れるだけで、不動産取引全体が止まってしまうこともあります。そうなると、私一人の都合では済まされず、関係者全員に迷惑がかかってしまうため、どんなに億劫でも足を運ぶしかありません。

実際に経験した“心が折れた”エピソード

愚痴をこぼしたくなるような雨の日の外回りには、忘れられないエピソードもあります。仕事をしていれば、誰しも「もう無理かも」と思う瞬間があるものです。

封筒の中まで水浸し。法務局のカウンターで謝る羽目に

ある日、傘を差していても太ももまで濡れるような大雨の中、法務局へ申請に向かいました。着いた頃にはカバンの底が湿っていて、中の封筒もじっとり。案の定、提出しようとした委任状がふやけて破れかけており、窓口の担当者に事情を説明して平謝りしました。あの情けなさは今でも忘れられません。

傘が意味をなさない横殴りの雨の中、1日4件訪問

特にひどかったのは、1日で4件の訪問が重なった日。風雨が強く、傘を差しても斜めから吹き付けてくる雨に全身がずぶ濡れ。途中でタオルもなくなり、コンビニで靴下を買い足す羽目に。最後の依頼者宅に着いた頃には、何かの修行か罰ゲームかと思うほど疲れ果てていました。

事務員さんも大変だけど、外回りのつらさは別格

事務所の中にも仕事は山ほどあり、事務員さんも日々大変です。でも、外に出る仕事のつらさは、また別の次元だと思っています。身体的な負担、天候に振り回されるストレス、人に見られる気疲れ…。すべてが重なって、静かに心が削れていきます。

帰ってきた時の靴の重さと湿った空気

長靴ではなく革靴で移動していると、水が染み込んで靴の中がグショグショになります。事務所に戻った瞬間に、足元から上がる生ぬるい湿気がなんとも言えず不快で、「今日もやり切ったな…」という気分にはとてもなれません。

事務所内との温度差が地味にきつい

雨でずぶ濡れになって帰ると、エアコンの効いた室内との温度差がこたえます。暖房が効いていても濡れた服が乾かず、逆に寒く感じることも。そんな私を見て、事務員さんが「大変でしたね」と声をかけてくれるのが救いですが、どこか恥ずかしさもあり、複雑な気持ちになります。

それでも外回りをこなすためのささやかな対策

文句を言いながらも、やらなきゃいけないのがこの仕事。だからこそ、自分なりに工夫して雨の日のストレスを少しでも軽くしようと、いろいろ試してきました。地味だけど役に立つアイテム、意外とダメだったグッズも含めて紹介します。

撥水加工カバンと防水ファイルのありがたみ

まず導入してよかったのは、撥水加工のビジネスバッグと防水ファイル。安物ではなく、しっかりした素材のものを選んでからは、書類が濡れるトラブルがぐっと減りました。完全に安心とは言えませんが、それでも精神的にだいぶ楽になります。

着替え用靴下は常備しておくべき

意外と忘れがちですが、靴下の替えは本当に必需品です。コンビニで買うより、あらかじめ何足か事務所に置いておくことで、帰ってすぐ気持ちを切り替えられます。できればタオルと一緒にジップロックに入れておくと、湿気対策にもなります。

実際に試してよかったアイテム

他にも、防水スプレーを靴にかけておくとかなり違います。靴下まで濡れるのを少しでも遅らせてくれますし、長靴ほど大げさでないのもポイントです。また、モバイルタオルや予備のマスクも助かる場面が多く、雨の日セットを用意しておくだけでも心が少し軽くなります。

逆に失敗だった“防水”グッズたち

一方で、100円ショップで買ったレインカバーや簡易ポンチョは、結局すぐ破れたり中が蒸れて使い物になりませんでした。また、見た目が安っぽくなってしまい、逆に印象が悪くなったことも。値段よりも「本当に使えるか」を基準に選ぶべきだと痛感しました。

雨の日の外回りがつらいと感じる自分を、責めなくていい

仕事だから仕方ない。そうやって割り切ってやってきたけれど、やっぱりつらいものはつらいんです。雨の日の外回りに気が滅入るのは自然なこと。それを無理にポジティブに捉えようとせず、「今日はつらかった」と口に出すだけでも少し救われます。

“弱音”を吐いてこそ続けられる仕事もある

司法書士の仕事は、孤独との戦いでもあります。誰にも愚痴を言えない環境で、雨の中の外回りを黙々とこなすのは、精神的に堪えます。だからこそ、こうして文章にして吐き出すこと自体が、自分を保つ手段になっているのかもしれません。

ひとりで抱え込まない働き方のヒント

すべてを完璧にこなそうとするのは無理があります。最近では、登記の一部をオンラインで処理したり、事務員さんに任せられる部分は少しずつ任せるようにしています。自分の心と体を守るために、できることから工夫する。それが続けるための一番のコツだと思っています。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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