またかよ…登記簿と図面が噛み合わない現場
区分建物の登記って、毎回どこかに落とし穴があるような気がしてならない。今回の現場も例外じゃなかった。図面と登記簿で棟番号がズレていたのだ。まるで別の世界の話かと思うほどに、図面では「C棟」と書かれているのに、登記簿には「3号棟」。こういう時、まず疑われるのがこちら。依頼者からは「間違ってるんじゃないですか?」と真顔で言われる。いや、こっちが聞きたいって。
誰も悪くないけど、結局こっちが矢面に立つ
開発業者が昔使っていた図面と、建物表題登記のときに使われた図面が違っている。けれど、それぞれが“正しい”と言えば正しい。となると、誰が悪いわけでもない。でも、それを説明する役回りは、司法書士。しかも専門家として見られているから、「わかりやすく」「すぐに」説明しないと納得してもらえない。こういうケース、本当に疲れる。
登記官も現地も間違っていない、でもズレる不思議
法務局の登記官は、申請された図面をもとに判断しているだけ。つまり、書かれた通りに処理しているだけなんだ。でも、現地では別の名称で管理されている。例えば「3号棟」が実際には「C棟」と表記されていたりする。これ、住民にも業者にも誤解を生む原因になっていて、毎回同じようなトラブルが繰り返される。なんで誰も統一しようとしないのか、ほんとに疑問だ。
「なんでこうなるのか」って聞かれても困るやつ
「なんで登記簿と違うんですか?」と聞かれても、「そういう事例、結構あるんですよ」としか言いようがない。でも、それって依頼者にとっては納得いかない答え。こっちだって納得してない。それでも仕事だから説明する。しかも丁寧に。どこかで心が摩耗していくのを感じる瞬間だ。
区分建物の棟番号ズレ、実際どれだけ厄介か
今回の物件は、いわゆるマンションタイプの区分建物。棟が複数ある団地のような構成で、郵便受けや掲示板には「A棟」「B棟」「C棟」と記載されていた。でも登記簿上は「1号棟」「2号棟」「3号棟」。まるで別次元。しかも管理会社は「アルファベット」で統一、建築確認図は「数字」、登記図面はさらに別。まさにカオス。
図面には「3号棟」、でも現場は「C棟」…は?
現地を確認すると、依頼者が「C棟」と言っていた建物には「3号棟」の表記がどこにもない。逆に、「3号棟」と登記されている建物がどれなのか確証が持てない状態だった。しかたなく法務局にも相談し、現地調査も行い、ようやく棟の対応関係がわかってきた。でもこれ、依頼者にしてみたら「司法書士が何か間違えた」ように見える。
表札・ポスト・自治会、全部別表記の地獄
表札は「C棟101号室」、ポストも「C-101」、なのに登記簿は「3号棟101号室」。しかも自治会の連絡網では「ブロックC」なんて書かれていたりする。誰の責任でもないけれど、こんなに表記が違うと混乱するに決まってる。説明しても「ややこしいですね」と苦笑いされるだけ。
依頼者の不信感、じわじわと染みてくる
登記ミスじゃないとわかっても、「ほんとに大丈夫ですか?」という空気は残る。信頼って一度疑われると戻すのが大変だな、と感じた出来事だった。こちらがどれだけ正確にやっても、見た目で違っていたら疑われる。それが現実。
「登記簿が間違ってるんじゃないですか?」の一言が刺さる
「登記簿が違う」って言葉、地味にキツい。だってそれ、こちらのせいじゃないし。でも、依頼者にとっては目に見える違和感。それをなんとか信頼につなげるために、こっちが汗かいて説明して、確認して、何度も連絡して…って、もうどっちが依頼人かわからなくなる。
誤解されやすいのも司法書士の宿命
司法書士って、なぜか“全部わかってる人”扱いされる。でも実際は、他人が作った情報を正しく処理するだけ。だからこそ、情報がズレていたり不完全だったりすると、こっちが窓口になって矢面に立つ。わかってほしいけど、なかなか伝わらない。
それでも続ける司法書士という仕事
しんどいことも多い。たまに本気でやめたくなる。でも、依頼人の「助かりました」「ありがとう」の一言で、なんとか今日もやっていける。女性にはモテないし、事務員にため息つかれるし、休日もなかなか取れない。でも、なぜかやめられない。それが司法書士なんだと思う。
向いてるとは思えないけど、他にできることもない
こんなに神経をすり減らしてまでやる仕事、普通に考えたら割に合わない。でも、なんとなくこの仕事に居場所を感じている。大した実績もないし、目立ちたくもない。でも、自分のやれることをコツコツと続けている。たぶん、これが自分なりの司法書士のかたちなんだと思っている。