心のメンテナンスを後回しにしてしまう日々
毎朝、机に向かう前に心のどこかでため息が出る。司法書士という仕事は、書類と数字の中に感情を置き去りにしがちで、自分の「今の気持ち」を意識する暇もない。今日も依頼の電話が鳴り、登記の準備を進め、法務局とのやり取りに追われる。何も問題なく1日を終えたはずなのに、なぜか心はどんよりしている。こういう日が、気づかぬうちに何週間、何ヶ月と続いていた。
朝から憂鬱、それでも机に向かう
目覚ましが鳴っても起き上がる気力が湧かない日がある。とはいえ、依頼者との約束や提出期限が頭をよぎり、結局重たい身体を引きずって事務所に行く。コーヒーを飲んでも気分は晴れず、椅子に座ると、何となく心が「今日も無理かもしれない」とささやいてくる。だけど、「無理」とは言えない現実がそこにある。
やることは山積み、でも気持ちはついてこない
机の上の案件リストは増える一方で、処理しても処理しても終わりが見えない。優先順位をつけながら作業を進めるが、「これは自分が本当にやりたいことなのか?」という疑問がふと頭をよぎる。忙しさに紛れて、自分の感情にフタをしてしまっている気がする。心の中では「誰かに助けてほしい」と叫んでいるのに、表には出せない。
「今日は軽めに済ませよう」が結局一番重たくなる
「今日は少し気楽に過ごそう」と思った日ほど、なぜか電話が鳴り止まなかったり、トラブルが起こったりする。結局、いつも以上に疲れて帰宅し、「なんでだよ…」と独り言をこぼす。無理をしないと決めたはずが、無理をしないと回らない。そうやって、心の余裕はどんどん削られていく。
ひとり事務所の静けさが、逆に心に響く
地方の小さな事務所で、事務員さんと二人だけの空間。騒がしさとは無縁だが、その静けさが時に孤独を際立たせる。誰かと他愛もない話をする時間がほとんどなく、自分の内面にこもってしまう。静けさに包まれた空間が、心の叫びを響かせてくる。
誰にも弱音を吐けないという孤独
「仕事がきつい」とか「ちょっと疲れた」とか、そんな言葉を口に出すことさえためらわれる。事務員さんに気を遣いすぎてしまい、愚痴すら飲み込んでしまう。近所に同業者もおらず、誰にも本音を話せない。相談できる相手がいないというのは、心のメンテナンスにおいて致命的なのだと思う。
事務員さんにも気を遣う…余計な心労
彼女にも家庭があり、生活がある。こちらの都合だけで仕事を振るわけにもいかず、かといって自分で全てを抱えるわけにもいかず…中途半端な調整ばかりに心をすり減らす。事務員さんの前では「頼りになる上司」でいなければと無理をしてしまい、その分、自分の心は放ったらかしになってしまう。
休んでも休んだ気がしない
せっかくの休日でも、スマホを見ると着信履歴や未読メールが積み重なっている。お客様の都合を優先してきた結果、自分の都合はいつも後回し。休みの日もどこか「監視されているような感覚」が抜けないまま、心が全然休めない。
携帯を見れば登記の相談、メールも止まらない
「ちょっとだけ返信しよう」と思って開いたメールに、思いがけず重たい相談が来ていたりする。それに返事をしているうちに30分、1時間と時間が溶ける。気づけば休日が仕事の延長になっていて、「何のための休みだったんだろう」と虚しさだけが残る。
休日が怖くなる瞬間
本来はリフレッシュするための休日が、「不安」と「未処理のタスク」の渦に巻き込まれていく。友人と会っても、どこか気が乗らず話に集中できない。頭の片隅で、「あの案件どうなってたっけ…」と考えてしまう。休日さえも心のメンテナンスにならず、むしろストレスの材料になってしまう。
結局、心も身体も仕事に縛られている
何もしていないのに疲れている感覚、それは心がすでにすり減ってしまっている証拠だと思う。身体だけでなく、心まで仕事に縛られている。リラックスする方法がわからなくなってしまった今、自分でもどうやって回復すればいいのかが分からない。