仕事の都合で旅行もドタキャン

仕事の都合で旅行もドタキャン

楽しみにしていた旅行、またしても仕事でお流れ

先週末、本当なら友人たちと温泉旅行に行く予定だった。久しぶりのまとまった休みを楽しみにしていたのに、金曜日の夕方になって「急ぎの案件」が飛び込んできた。相続登記の件で、依頼者が急いでいるらしい。事情はわかる。でも、なんでよりによってこのタイミングなんだ。そんなふうに思いながら、LINEで「ごめん、行けなくなった」と打った。もう何度目だろう。友人からの返信は短く、「了解」。それだけだった。

直前キャンセルの常連客になった気分

気づけば、旅行の予定はいつも直前で崩れる。自分から誘ったくせに、結局キャンセルする羽目になってばかりで、申し訳なさでいっぱいになる。でも、こちらも好きでドタキャンしているわけじゃない。仕事の性質上、急な対応を求められることは多い。それが独立してやっていくということだと自分に言い聞かせるが、それでも胸の奥に残るのは、どうしようもない情けなさと孤独感だ。

「あ、やっぱり行けません」の連絡が一番つらい

「あ、やっぱり行けないわ」なんて、軽い感じで言えればいいのに。実際はスマホの画面を何度も見つめて、言い訳がましくならないように文章を考えてしまう。相手の落胆する顔が頭に浮かんで、それだけで気が重くなる。結局、メッセージを送るのにも勇気がいる。でも、その裏には「またか」という自分自身へのがっかり感もあって、どこにぶつけたらいいかわからない気持ちが渦巻く。

相手の反応が冷たく感じるのも当然だと思う

友人がそっけない返事をしてくるのも無理はない。毎回ドタキャンされていたら、そりゃあ信用も薄れていくだろう。しかも、それが何度も続けば、「どうせ来ないんでしょ?」と思われても仕方ない。でも、だからって遊びの約束をしないのも虚しい。予定を入れることすら怖くなっていく。何のために仕事を頑張っているのか、わからなくなってくる瞬間がある。

結局、自分の予定は最優先にならない

司法書士という仕事は、突発的な対応がつきものだ。平日の夜に資料が届いて、翌朝までに確認を求められるなんてこともある。そんなとき、こっちの予定なんて関係ない。事務所を一人で回している以上、対応するのは自分しかいない。結果的に、自分のプライベートはいつも後回しになる。気づけば、「今度こそ休もう」と思った週末も、ただの仕事日に変わってしまうのだ。

「仕事だから仕方ない」と言い聞かせるけど

「仕事だからしょうがない」「これが仕事の責任だ」そんな言葉を自分に浴びせて、なんとか気持ちを落ち着けようとする。でも、正直なところ、言い聞かせてばかりの毎日には疲れてしまう。自分の気持ちを抑え込むのにも限界がある。心のどこかで、「少しくらい自分を優先したっていいじゃないか」と叫んでいるもう一人の自分がいる。

予定を立てるのが怖くなってくる

何度もドタキャンを繰り返すうちに、予定を立てること自体が怖くなってくる。「どうせ行けなくなるかもしれない」「また迷惑かけるかもしれない」そんな不安ばかりが先に立って、結局、誰かと会う約束すら避けるようになってしまった。まるで自分だけ、時間が止まったような気分だ。人付き合いも、休日の楽しみも、だんだん遠ざかっていく。

仕事優先が正しいことなのか、ふと疑問に思う

「仕事第一主義」が正しいと教えられて育ってきた。責任を持って働くことは大事だ。でも、それだけを優先して生きてきた先に、本当に満足できる日々が待っているのだろうか。仕事は充実していても、プライベートが空っぽなら、それは「人生がうまくいっている」とは言えないんじゃないか。そんなことを、夜遅くに一人でコンビニ弁当を食べながら、ぼんやり考えてしまう。

「責任感」が重くのしかかってくる

依頼者の人生の一部に関わる仕事をしているという自負はある。それだけに「ミスは許されない」「信頼を損なってはいけない」というプレッシャーは常にある。でも、それが重くなりすぎると、自分の生活や心のバランスが崩れていく。何のために働いているのか、何を犠牲にしているのか、そんなことを真剣に見つめ直さなければいけない時期が来ているのかもしれない。

どこまで自分を犠牲にすればいいのか

「人のためになる仕事がしたい」と思って司法書士になった。でも、その気持ちが強すぎて、自分を後回しにするクセがついてしまった気がする。旅行に行けないだけじゃない。食事も、睡眠も、気づけばどれも雑になっている。犠牲にしているのは、ほんのひとつふたつじゃない。少しずつ削られて、気力が持たない日も増えてきた。

仕事の信頼と引き換えに失ったもの

仕事を通して信頼を得ることはできていると思う。でもその分、失ったものも多い。友情、恋愛、家族との時間……。ふと立ち止まったとき、「本当にこれでよかったのか?」という問いが頭から離れない。信頼は大事。でも、その信頼を得るために、自分の人生を犠牲にし続けるのは、本末転倒じゃないかとさえ思ってしまう。

ふと「このままでいいのか」と立ち止まる

夜中に事務所でひとり、書類の山と向き合っているとき、ふと「これが本当に自分の望んだ人生か?」と自問自答する。誰に聞かれたわけでもないのに、無性に切なくなる瞬間だ。仕事は嫌いじゃない。だけど、好きなことだけをしていられるわけじゃないのが現実。だからこそ、ときどき立ち止まって、自分の本音に耳を傾ける時間も必要なのだと思う。

誰にも文句を言われないからこそ苦しい

独立していると、誰にも指図されない代わりに、誰も助けてくれない。自分で決めた道だからこそ、誰にも文句が言えない。その自由さが心地よくもあり、時にはとても重たい枷のようにも感じる。たまには「誰かに甘えたい」と思う夜もあるけれど、それすらできない。だからこそ、同じような境遇の人と気持ちを共有できる場所がほしいのかもしれない。

自分の感情にフタをして生きている感じ

「ちゃんとしてるね」「責任感あるね」と言われるたびに、少しだけ心が苦しくなる。本当は、ただ笑って旅行に行きたいだけの時もある。でも、それを言えない自分がいる。誰かに迷惑をかけたくない、嫌われたくない、そんな思いが先に立って、自分の本音にはいつもフタをしてしまう。いつかそのフタが壊れる前に、少しだけでも、自分を大切にする時間を作りたいと思う。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。