夢の中でも仕事してた

夢の中でも仕事してた

目が覚めても仕事の続きだった朝

今朝、目が覚めた瞬間に最初に思ったのは「登記の添付書類、出し忘れてないか?」でした。よくよく思い返してみれば、それは夢の中の話。けれども、リアルすぎて区別がつかなかった。夢の中で私は、法務局に向かう途中で書類を忘れ、慌てて事務所に戻っている最中だった。なんとも言えない焦燥感と汗のにじむ感覚。目覚めても心臓がドキドキしていて、「ああ、もう勘弁してくれ」と思わず呟いた。仕事に追われる日々が続き、休んでいるはずの時間にまで仕事が入り込んでくる。この感覚、同業の方ならきっとわかるだろう。夢の中ですら自由になれないというのは、心の奥にある疲れのサインかもしれない。

夢にまで出てくる申請書の山

夢の中で見たのは、机の上に山積みにされた申請書たち。どれも不備があるようで、確認作業に追われていた。横にはお客さんが立っていて、「いつできますか?」と詰め寄ってくる。まるで現実と寸分違わぬ風景だった。最近、実際の業務でも書類の不備や差し戻しが続いていたせいか、脳がその記憶を勝手に再生しているのだろう。休もうと思って布団に入っても、頭の中で書類の構成や必要書類のリストがぐるぐると回っている。それが夢の中にそのまま流れ込んでしまう。もう完全に、オンもオフもなくなってしまっている。

脳が休まらない感覚

たとえば昔、学生の頃は嫌な授業が終わればすぐにリセットできた。友達とバカ話して笑えば、嫌なこともどこかに飛んでいった。しかし今は違う。夕飯を食べている間にも、「明日の申請、法務局が受け付けてくれるか」「このお客さん、何かクレーム入れてこないか」と不安がよぎる。テレビを見ていても笑えず、スマホを見る手も止まる。そんな状態で眠りに落ちても、夢の中でまた業務が始まる。脳がずっと稼働し続けているような感覚に、心が削られていく。

睡眠時間は確保しているのに疲労感

一応、睡眠時間だけはなんとか6時間以上取るようにしている。けれど朝起きても、身体が重くて仕方がない。まるで夜中に登記申請をしていたかのような疲労感が残っている。そう思って記録を見返したら、やっぱり夢で仕事をしていた日ほど、深い睡眠の時間が短い。布団に入って休んでいるつもりでも、心も身体も全然回復していないのだ。こういうことが続くと、休日も楽しくない。結局、仕事から頭が離れない限り、何をしても「休んだ感じ」がしない。

なぜ夢の中でも働いてしまうのか

そもそもなぜ、夢の中でも働いてしまうのか。答えは簡単で、現実の生活の大半を仕事が占めているからだ。朝から晩まで、電話対応、書類作成、役所回り。時には休日にも緊急対応を求められ、ふとした瞬間に「あれ、これ今日中だっけ?」と確認するクセがついてしまった。仕事のことを考えない時間がほとんどない。趣味や気晴らしに使う時間なんてほんのわずか。そんな日々が続けば、夢の中にまで仕事が出てくるのも当然だ。

仕事への責任感が抜けない

私たち司法書士の仕事は、たった一文字の間違いが命取りになる。だからこそ常に緊張していて、完璧を求めてしまう。それがプロとしての責任だとも思っている。けれどその責任感が、自分の心と身体を締めつけていることにも気づいている。夢の中でまで細かいチェックをしている自分を客観的に見て、「何やってんだ」と苦笑いしたくなる時もある。責任感は大切だが、それに押し潰されてしまっては意味がない。

「自分が止まったら終わる」という強迫観念

一人で事務所を切り盛りしていると、「自分が倒れたら全部終わる」という恐怖が常につきまとう。代わりはいないし、任せられる範囲も限られている。そう思うと、つい無理をしてでも仕事をこなそうとしてしまう。「今日くらい休もう」と思っても、どこかで「いや、今日も動かなきゃ」という焦りが出てくる。この強迫観念こそが、夢の中でまで働かせてくる原因なんじゃないかと思っている。少し休むことすら、許されない気がしてしまうのだ。

現実と夢の区別が曖昧になっていく

最近では、夢と現実の境目があやふやになることも増えてきた。朝起きた瞬間に、「あの件、もう処理したっけ?」と混乱することがある。そしてスケジュールを確認して「いや、それ夢でやっただけだ…」と気づいてがっくりする。頭の中ではちゃんと仕事した記憶があるのに、それが現実ではないという事実に脱力する。心と頭が休まっていない証拠だと思う。

目覚めてすぐに「今日何の案件だっけ?」

アラームを止めて、まず確認するのはスマホのカレンダー。「今日の午前中、登記あるよな?あれ?違ったか?」と、現実と夢の記憶がごちゃごちゃになる。これは本当に怖い現象で、まるで仮想世界から戻ってきたような気持ちになる。特に、深夜まで作業した日の翌朝はその傾向が強い。身体は布団で寝ていても、脳は仕事を続けていたんだなと痛感する。

休日に夢で仕事をして損した気分

せっかくの休日。目覚めて「今日はゆっくりできる」と思った瞬間に、昨晩の夢を思い出してげんなりする。夢の中で何度もお客さんとやり取りをして、登記簿を検索して、法務局に行っていた。まるで平日の延長戦。もう一回寝なおしたくなるが、そんな余裕もなく時間は進んでいく。現実でも仕事、夢の中でも仕事。これじゃあ、休んでる暇なんてない。

脳内ブラック企業化現象

ブラック企業というと他人事のように思っていたが、今は自分の脳内がブラック企業そのものだと気づいた。上司はいないけど、常に「もっとやれ」と言ってくる存在がいる。それが自分自身。休もうとしても、仕事のタスクを投げてくるのもまた自分。「自己責任」で「自己管理」しているうちに、知らないうちに追い込まれていってる。まさか、夢の中まで管理されるようになるとは思わなかった。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。