SEOにまで頭が回らない

SEOにまで頭が回らない

毎日の業務に追われているだけで精一杯

地方の司法書士事務所をひとりで切り盛りしていると、もう朝から晩までやることだらけ。相続の相談、不動産登記の打ち合わせ、金融機関との連絡、そして役所への申請。あれもこれもとバタバタしていたら、いつの間にか夕方。夕飯もそこそこに、翌日の準備に追われている。そんな日常の中で「SEOが大事ですよ」なんて言われても、「いや、それどころじゃないんです…」とつぶやくしかない。気持ちはある、でも体力も時間もついてこないのが現実だ。

ひとり事務所における時間配分の現実

都会の大きな事務所のように、広報担当がいるわけでもない。うちは事務員さんひとりと自分だけ。朝から電話は鳴るし、郵便は届くし、急ぎの書類は突っ込まれるし。ちょっとした時間ができたと思っても、それは次のトラブルの前兆だったりする。パソコンに向かって「ブログでも書こうか」と思った瞬間に、相続関係の問い合わせが入って、結局1時間以上話し込んでしまう。そんな日々が積もっていけば、発信やSEOなんて夢のまた夢になる。

業務の波に呑まれてブログは後回し

忙しいと、やるべきこととやりたいことの優先順位があっという間に入れ替わる。「この仕事が落ち着いたら書こう」と思っているうちに、次の依頼が舞い込んでくる。結局、ブログやホームページの更新は後回し。気づいたら3ヶ月以上放置していた、なんてこともザラだ。定期的に更新しないとSEOには不利、と聞いたけど、その「定期的」がいちばん難しい。更新のたびに「また間が空いてしまいました」と書いてる自分にうんざりする。

「今日こそ更新しよう」が3ヶ月続く

手帳の片隅に「ブログ更新」と書いて、毎週月曜日に繰り越し続けている。なんとなく気が重くて、後回しにしているうちに1ヶ月、2ヶ月…。ある日、勇気を出してページを開いてみると、「最終更新:3か月前」の表示にショックを受ける。でも、それでも「今日こそ更新しよう」と決意する。でも、その日の夕方にはトラブルの対応に追われていて、また後回しになる。まるで永遠に届かないゴールみたいに感じてしまう。

SEOという未知の世界へのストレス

「SEO対策しないと検索に出ませんよ」と言われても、そもそも何をどうすればいいのかがわからない。少し勉強しようと思って記事を読んでみても、「タグ」「内部リンク」「メタディスクリプション」などの言葉が飛び交い、頭がこんがらがってくる。仕事終わりに読むには情報量が多すぎて、眠気との戦いになる。「これ、本当に必要なんだろうか…」と投げ出したくなる日もある。

「検索される工夫」を学ぶ余裕がない

「ただ書けばいい」わけじゃないのがSEOの難しいところ。キーワードを意識して、構成を練って、読みやすくまとめて…それ、完全にライターの仕事じゃないか?と思ってしまう。司法書士としての専門的な内容を書くのも難しいのに、そのうえ検索対策まで意識しろと言われると、正直「ムリ」と叫びたくなる。特にひとり事務所では、そんな余裕はないのが現実だ。

キーワード選定?タグ?その前に眠い

SEOの勉強をしようと、夜にパソコンを開いたことがある。でも「キーワード選定」や「競合分析」という文字を見た瞬間、目が閉じそうになる。そもそも、自分の仕事のどんなキーワードが検索されているのかなんて、知る由もない。地域名+業務名?でもそれ、競合が強すぎて勝てないんじゃ?と不安になり、結局よくわからないままブラウザを閉じる。次の日にはまた別の仕事が押し寄せ、SEOのことなんて忘れてしまう。

文章を書くのと戦略を考えるのは別物

たまに文章を書くのは嫌いじゃない。でも、それを「誰に届けるか」とか「上位表示させるにはどうするか」とか考え始めると、一気に楽しくなくなる。もともと感情や経験をベースに書いているだけに、戦略を絡めると不自然になってしまう。結果、「誰にも読まれない文章」が完成し、それを見てさらに落ち込む。「なんで自分はこうも不器用なんだろう」と思って、また筆を止めてしまう。

ホームページ更新すら気が重い

SEO以前に、ホームページを開くこと自体が憂鬱になってくる。レイアウトは昔のままだし、スマホ対応も中途半端。トップに載ってる写真も5年以上前のもの。でも、直すには時間も手間もかかるし、何よりそこに情熱が持てない。「誰も見てないだろう」と思いながらも、時々アクセス数を見ては「あ、意外と見られてる…」と焦る。なのに手が動かない。そのくり返しだ。

古くなった情報に目をつぶる日々

「これ、さすがに変えないと」と思いながら放置しているページがいくつもある。料金表も昔のまま、対応地域も変更していない。それでも仕事は来ているから、なんとなくそのままにしてしまう。でも、いざ「ホームページ見ました」と言われると、冷や汗が出る。「あれ、今の内容じゃないんですけど…」と内心焦るけど、もう遅い。情報発信が信用につながるのはわかってる。でも、できない自分もいる。

見た目より中身、と言い聞かせる

「中身がしっかりしていれば見た目なんて」と自分に言い聞かせているけれど、やっぱりどこかで見栄を張りたい気持ちもある。でも、凝ったデザインを考える時間もセンスもない。だからこそ、最低限の情報だけでも整理したい。でもそれすらままならない現状に、どこかであきらめている自分がいる。完璧じゃなくてもいい。でも、最低限やれてると言える状態にしたい…のに、なかなか進まない。

「集客しなきゃ」という焦りとの葛藤

本音を言えば、SEOに取り組まなきゃいけないのは分かってる。新規のお客様を獲得するには、ネット上の存在感が必要だ。でも、そのために何をどうすればいいかがわからないし、そもそも手が回らない。焦るだけで動けない。そんな毎日が続いている。まるでエンジンが空回りしているような感覚だ。

誰かに頼むにも予算の壁が立ちはだかる

じゃあ外注すれば?と言われても、そこに立ちはだかるのが「お金」の問題。SEO業者にお願いするとなると、月数万円のランニングコストが発生する。でも、地方の小さな事務所にとって、その金額は軽くない。リターンが確実ならまだしも、効果が見えるまでには時間もかかるという。結局、「頼むのも怖い、やるのも億劫」というジレンマに陥ってしまう。

プロに頼むか、自分でなんとかするか

最近では、格安でウェブサイトを作ってくれる個人事業主の人や、副業デザイナーの存在も知った。でも、誰に頼めば信頼できるのかがわからない。失敗したくないという気持ちが先に立ち、結局「自分でやるしかない」と思い直す。そしてまた、忙しさに流されて何もしないまま時間が過ぎていく。そんなくり返しだ。

それでも発信を続けたい理由

それでもやっぱり、自分のことを知ってもらいたい、仕事の思いや現場の空気を届けたい、という気持ちはどこかにある。うまくやろうとか、たくさんの人に読まれようとは思わない。でも、たったひとりでも「この人にお願いしたい」と思ってくれるなら、それだけで十分だ。だからこそ、今日もまた「投稿」ボタンに指をかけてみる。

誰か一人でも読んでくれるなら

何百人に見られなくてもいい。誰か一人が「あ、なんか共感できる」と思ってくれたら、それだけでこのブログの意味はある。完璧なSEO対策より、自分の言葉で書くこと。不器用でもいい。読んでくれた人の心に何かが残れば、それがいちばんの「成果」なのかもしれない。

共感がつながりを生むこともある

実際、「ブログ読みました」と言ってくれたお客様もいる。「あのエピソード、すごく共感しました」と言われたときは、本当に嬉しかった。派手じゃなくていい。検索上位じゃなくてもいい。発信を通して、ちょっとでも誰かとつながれるなら、それだけで充分だと思っている。だから今日も、少しだけでも、自分の言葉を残していこうと思う。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。