こっそり綴る、司法書士の本音
本音を出せる場が少なすぎる
地方で司法書士をやっていると、とにかく「堅い人」「真面目そう」と見られることが多い。だからこそ、弱音や本音をこぼす場なんてなかなかない。事務所の中でも、自分が所長という立場だから、愚痴すら吐きにくい。45歳、独身、モテない。そんな自分の背景も手伝って、ますます心を閉ざしてしまう。だけど、仕事に追われる毎日の中で、「もう限界かもしれない」と感じる瞬間は確かにある。
同業者との会話で救われる瞬間
そんな中、年に一度の研修や会合で久しぶりに会う司法書士仲間との雑談が、思った以上に救いになることがある。「いやあ、うちも最近全然人手足りなくてさ」「あれ?それ、うちも同じですよ」なんてやり取りが、心の中で「自分だけじゃないんだ」と感じさせてくれる。気づけば、帰りの電車の中で、ちょっとだけ気が軽くなっている自分がいる。
つい言い過ぎる、でもそれでいい
たまに、思い切ってネガティブな話をしてみると、意外と相手も「それ、うちも似たようなことあった」と共感してくれる。それで少し自分を責める気持ちがやわらぐ。不思議なもので、「こんなこと言っちゃって大丈夫かな」と不安になることほど、相手に響いたりするものだ。
自分をさらけ出す勇気
本音を出すって、勇気がいる。でも、それを出すことで初めて「人」として見てもらえることもある。司法書士という肩書きよりも、自分の感情や苦労を理解してもらえる方が、どれだけ救いになるか。その小さな一歩が、明日への活力になる。
誰にも話せないモヤモヤが積もる
依頼者には親身になって話を聞く。でも、こちらが感じた違和感や疑問、不満は、どこにも出せない。ミスを防ぐための緊張感が、日々の中で積もっていく。「感情を切り離すのがプロだ」とは言うけれど、心は正直で、疲れたものは疲れたと叫んでくる。
書類に埋もれて感じる安心と虚無
山のような書類整理をしていると、何も考えずに手を動かすことができて、妙な安心感がある。でも、その後にふと我に返ったとき、「なんで俺、これで落ち着いてるんだろう」と自嘲する瞬間が来る。仕事が逃避先になってしまっていることに、怖さを感じる。
頑張ってる自分に気づいてほしい
誰に頼まれたわけでもないけれど、毎日きちんと出勤し、依頼をこなし、書類を整える。それだけで十分頑張っているのに、それが当然と思われる現実。たまには「よくやってるよ」と言われたいし、自分でもそう思いたい。
共感の力が生きる糧になる
この記事を読んで、「自分も同じだ」と思ってくれる誰かがいたら、それだけで救われる。司法書士に限らず、頑張ってるのに報われないと感じている人は多いはず。本音をこっそり綴るこの場が、誰かの心を少しでも軽くできたらうれしい。