年度違いの証明書で補正?まさかの見落としにゾッとした日
「えっ……年度が違うってどういうこと?」と呆然としました。提出したはずの登記書類が法務局から戻ってきた理由、それは“固定資産評価証明書の年度が誤っていた”というまさかの凡ミス。忙しい中で書類を揃えて、確認もしたつもりでした。でも、結果は補正通知。しかも依頼者には既に「完了までもうすぐです」なんて言っていた後の話で、冷や汗ものです。司法書士という立場で「凡ミスでした」なんて言えるわけもなく、自分の中で深いため息をつくしかありませんでした。
手続きも書類も揃ってたのに…なぜか戻ってきた登記申請
今回の登記申請も、何度も繰り返してきた“ルーティン”のはずでした。所有権移転登記、評価証明書も添付済み、記載漏れもない……と見えていたんです。それだけに、補正通知が返ってきたときは「え?なんで?」としか思えませんでした。パッと見ではどこに問題があるのかわからず、添付書類を順に見直してようやく気づいたんです。「あ……評価証明書が去年のだ」と。
原因は“固定資産評価証明書の年度”だった
登記の世界では「評価証明書が最新の年度であること」は基本中の基本。毎年4月1日から新年度の評価額が出るので、それ以降に申請する場合は新しい年度の証明書が必要です。私は、完全にそれを“見落としていた”わけではないのですが、いつものペースで事務処理していたがために、「評価証明書は取得済み」と脳内チェックが勝手に済んでしまっていたんです。前の案件で使った証明書がデスクに置きっぱなしになっていたのも原因のひとつでした。
「年度なんて見てなかった…」ミスが起きる本当の理由
評価証明書の“日付”ではなく“年度”を確認するという作業。司法書士であれば誰しも意識しているはずなのに、それでもミスは起きます。なぜなら、日々の業務の流れの中では、当たり前のことほど無意識に処理してしまいがちだから。今回のようなミスは、たまたま気が緩んだ瞬間に起きてしまうものです。だからこそ、基本に立ち返る必要性を痛感しました。
忙しさに流される日々の中で
正直に言えば、毎日の業務は時間との勝負です。午前中に打ち合わせ、午後は法務局や役所、夜は書類の山。その中で、毎回すべての書類を完璧にチェックするのは難しい…と言い訳したくなります。でも実際は、その“言い訳したくなる気持ち”こそが、見落としの元なんですよね。
評価証明書は“発行日”じゃない、“年度”を見るべきだった
評価証明書に記載されている「発行日」が直近であると、それだけで安心してしまう。でも、本当に見るべきは「令和○年度評価証明書」という年度の記載部分。しかもこの文字、意外と目立たない位置にあるんです。忙しい時ほど、「日付が新しい=OK」と頭が勝手に判断してしまいがち。今回のように、それで補正になってしまうと、本当に無力感が襲ってきます。
でも、登記情報の確認に追われると見落とすんですよね…
評価証明書のチェックをする前に、まずは権利証や登記原因証明情報の確認に集中してしまう。そのせいで評価証明書は“後回し”。気づいた時には「もう提出してしまった…」という状態。時間と気力に余裕があれば、ダブルチェックもできたはずなのに。今思えば、「あのとき一回深呼吸して確認しておけば…」という後悔ばかりです。
補正通知に落ち込む気持ち、それでも前に進まなきゃいけない
補正通知を受け取ったときのあの沈む気持ち。司法書士歴20年近くやっていても、未だに慣れません。依頼者には「すぐに対応いたします」と言いつつ、心の中では「また時間が無駄になる…」と膝から崩れ落ちるような感覚でした。でも、どれだけ落ち込んでも、やるべきことはやらないといけない。これが、司法書士という仕事なんだと痛感します。
「なんで気づかなかったんだろう」自分への苛立ち
自分の中では確認したつもりでも、どこかで“思い込み”が先行してしまっていた。だからこそ、あとから振り返るほどに「なんで気づけなかったんだ」と自己嫌悪が強まってくるんですよね。「こんなことで補正になるなんて…」と、誰にも言えない悔しさと情けなさでいっぱいになります。
補正作業は地味に手間。依頼者への説明も面倒
補正作業自体は難しくない。でも、それまでに揃えた書類の一部をまた取得しなおす、改めて窓口に行く、時間調整する…地味だけど積もれば重い作業です。しかも、依頼者に事情を説明するときも「実は証明書の年度が…」と口に出すのが恥ずかしい。相手は責めてこなくても、自分の中でどんどん気まずくなっていくんです。
実はよくある?固定資産評価証明書の“年度違い”ミス
後日、法務局の担当者に「この時期、結構多いんですよ」と言われました。4月~6月の新年度切り替え時は、評価証明書の年度ミスが頻発するとのこと。でも、だからといって安心していい話ではありません。他の誰かもミスしているから、自分のミスが軽くなるわけじゃない。それでも、少しだけ「自分だけじゃなかった」と感じたことに救われました。
法務局でもポツポツ起きている案件らしい
法務局職員いわく、補正の理由の中で“評価証明書の年度違い”はそれなりにあるとのこと。特に4~5月は注意が必要。でもこの話を聞いても、「だから仕方ない」とは思えませんでした。むしろ「そんな凡ミスで法務局の手間を増やしてしまった」ことに申し訳なさが増すばかりでした。
だからって慰めにはならないけど
「みんなやってるから大丈夫ですよ」なんて言われても、やっぱり気持ちは晴れません。プロとして、そういうミスを“やらない”ことが前提の仕事ですから。だからこそ、今後どうやって防ぐかを考えるしかないんですよね。
事務員さんへの負担と自分への反省
今回の件で一番申し訳なかったのは、事務員さんへの対応です。評価証明書を取ってもらったのは彼女ですが、年度の確認は私の責任。彼女は「すみません、気づかなくて」と言ってくれたけれど、本当は私が最終チェックしないといけなかった。任せっぱなしでいた自分を反省しました。
「これ私のせいですか?」と聞かれて沈黙した瞬間
彼女が申し訳なさそうに「私のせいですよね…」とぽつり。私は何も言えませんでした。責任を押しつけたくない。でも、何も言わないのも無責任な気がして…。この瞬間ほど、現場の人間関係の難しさを痛感したことはありませんでした。
教える時間がないから、任せきりになる悪循環
本当はもっとしっかり業務フローを共有すべきなのに、日々の業務に追われて後回しになっているのが現実です。結局、“忙しいから”という理由で、「これお願いね」と資料の取得を任せてしまう。でも、それがミスの温床になっているのは明らかです。
この件から学んだ、チェック体制の見直しポイント
今回のミスは、運が悪かったとか、たまたまだったでは済まされません。再発防止のためには、小さなことを「仕組み化」して徹底していくしかないと強く感じました。何度も繰り返すことで自然とチェックが身につく仕掛けを作らないと、また同じことが起きてしまうと思います。
評価証明書は年度チェックを赤マーカーで
たとえば評価証明書を取得したら、まず“年度”の部分に赤ペンで丸をつける。これだけでも意識が変わります。小さなアナログ手法ですが、思考の流れに「確認」を差し込むクセがつきます。書類の整理をデジタルで進めていても、この赤ペンチェックだけは続けようと決めました。
書類チェックリストの導入と声かけ習慣
「評価証明書、年度確認しましたか?」という一言を必ず口に出すようにしました。言葉にすることで、記憶にも残るし、周囲にも伝わります。また、簡単なチェックリストを作り、チェックマークをつけるだけでも心のゆとりが変わると実感しています。
「確認しましたか?」が口癖になるくらいでちょうどいい
「また同じことを確認するの?」と面倒がられるくらいがちょうどいいのかもしれません。確認しすぎて損することはありませんし、どれだけ忙しくても口癖のように「大丈夫?年度見た?」と自分にも他人にも言うようにしています。
現場あるある。司法書士は“凡ミス”と戦い続けている
司法書士の仕事って、実はこういう“地味な凡ミス”との戦いなんですよね。誰にも褒められないけれど、誰かがミスすれば全てが止まる。だからこそ、一人で悩んでいる司法書士さんたちに伝えたい。あなたのミスも、きっと誰かが同じように悩んでいます。
誰かのせいじゃなく、自分との闘い
事務員のせいでも、法務局のせいでもない。自分の確認不足、自分の余裕のなさ。それを受け止めながら、「次は間違えないぞ」と自分に言い聞かせる。そうやって毎日仕事してるんです。ほんと、しんどいですけど。
「どうでもよさそうな部分」にこそ落とし穴がある
細かい数字、年度、印鑑の位置……。そういう「まあ大丈夫でしょ」で流してしまいそうなところに限って、落とし穴があります。そこを丁寧に確認し続けられるかどうか。それが司法書士としての信頼を守る力になるんだと思います。
まとめ:今日も地味な反省。でもそれが仕事なんだと思う
年度違いの評価証明書。小さなミスでした。でも、それが自分の仕事への向き合い方を改める大きなきっかけになりました。愚痴も多くなるけど、それでも一歩ずつ前に進んでいくしかない。今日もまた、誰にも気づかれないような書類を、黙って見直しています。