Googleマップの口コミって、そんなに重要？
地方で司法書士事務所を営んでいると、ネットの評価なんて都会の話だと思っていました。ところがある日、Googleマップの口コミに★1がついたんです。それまでは、せいぜい地元の紹介や看板が集客の頼り。なのに「口コミで来ました」と言われるようになり、星の数に自分の仕事の価値が吊られてるような感覚になってきました。良いことが書かれていれば安心し、悪ければ不安になる。いつの間にか、口コミが心のバロメーターになっていたんです。
昔は口コミなんて回覧板くらいだった
今でこそスマホで誰でも評価できますが、昔は「〇〇さんに頼むと丁寧よ」なんて口コミは、近所の井戸端会議や回覧板レベルの話。それが、今は世界中に公開される。田舎で小さくやってる司法書士にも関係ない話じゃなくなったと痛感しています。昔は黙々とやっていればよかった。でも今は、“見られている”ことを意識しなきゃいけない時代になったんですね。
たった一言の評価が心をえぐる
「冷たい対応だった」「説明がわかりづらい」そんな一言が、私の心をえぐります。もちろん全部が的外れとは思いません。でも、実際は書類の提出期限ギリギリで来られた方で、こちらも余裕がなかったのです。そういった背景は伝わらず、残るのは“冷たい司法書士”の烙印だけ。匿名の一言が、数十年かけて築いてきた信頼を揺るがす。そんな怖さがあります。
なぜ司法書士が口コミに怯えるのか
司法書士という仕事は、基本的には静かなものです。営業マンのように表に立つことも少なく、評価される機会も限定的。だからこそ、数少ない評価の場である口コミに対して、過剰に敏感になるのかもしれません。
星1の威力と、仕事の性質上のギャップ
司法書士の仕事って、専門性が高く、一般の人にはなじみが薄い。そのため、ちょっとした態度や説明の仕方一つで「わかりにくい」とか「不親切」と感じさせてしまいやすいんです。しかもGoogleの星1は、一目で見える“見出し”のようなもの。そこに「怖い」と書かれてしまえば、もう何をどう説明しても先入観が勝ってしまう。そんな理不尽さに、心が削られます。
「感じが悪い」と書かれた日から、電話に出るのが怖くなった
ある日、たった一言「感じが悪い」と書かれた口コミがついたんです。それを見てから、電話の対応が怖くなりました。声のトーン、言葉の選び方、沈黙の秒数。すべてが「また感じ悪いと思われたら…」という恐怖と結びついてしまう。結果、どんどん萎縮して、本来の自分らしい対応ができなくなってしまいました。
専門職のくせに…と思われる苦しさ
専門職だから“上から目線”だと思われることもあります。でも実際は、知識を嚙み砕いて丁寧に伝えようと努力しているんです。それなのに、「わかりづらい」とだけ書かれると、やるせなさと悔しさが押し寄せてくる。プロとしてのプライドがあるからこそ、その一文が刺さるんですよ。
クレームよりも“静かな悪意”が怖い
直接文句を言われる方がまだマシです。Googleの口コミに突然「☆1：無愛想」とだけ書かれるほうが、何倍もダメージが大きい。顔もわからない誰かが、静かに評価して去っていく。こちらには言い分もあるけど、弁解する場もない。沈黙の中で評価されることが、こんなにもしんどいとは思いませんでした。
投稿者は悪気がない。でも、こっちは凹む
たぶん投稿した人は、悪意があってやっているわけではないんでしょう。ただ、軽い気持ちでつけた星1が、こちらにとっては重い荷物になる。自分が評価される立場だと意識していなかった昔の自分が、今では少し羨ましいです。
「ちょっと高かった」＝一生ネットに残る評価
「費用がやや高かったです」──この一言がGoogleに載ったとき、心が沈みました。たった数千円の差で、相場通りだったにも関わらず…。でもこれって、今後ずっと“高い事務所”として見られてしまうリスクなんですよね。もうどうにもできない過去のラベル、それがネットの怖さです。
本音を書かれることが怖い、でも訂正はできない
口コミには本音が出やすいからこそ、こちらがどんなに真摯にやっても「相性が悪かった」と書かれてしまうこともあります。でも、その“本音”を訂正することはできません。間違っていても、誤解であっても、それは“感想”として永久に残る。逃げ場がないこの感覚が、いちばん心臓に悪いんです。
何が一番しんどいか？ 無力感と孤独感
口コミというのは、基本的に一方通行の世界。何を言われても、基本的に反論できないし、するべきでもない。でも、何も言わないでいるのも苦しい。どこに感情をぶつけていいのかわからず、じわじわと無力感に襲われます。
言い返せない、でも我慢するのが正解？
反論したい気持ちは山ほどあります。でも、Googleの口コミに返信を書いても、火に油を注ぐだけのことが多い。結局「大人の対応」が求められるんですが、それがまた辛い。我慢の繰り返しが、心をすり減らしていくんです。
事務員にも見られてると思うと余計にしんどい
事務員さんは、気を遣ってくれるけど、やっぱり口コミを見ている。自分の評価が事務所全体の雰囲気に影響すると思うと、ますます自分にプレッシャーがかかる。まるで公開処刑されているような気分になるんです。
心がチクチクする小さなレビュー
「電話の声が小さい」「待合室が寒かった」──そんな些細なことが書かれた口コミを見るたびに、心がチクチクします。本当に小さなことなんです。でも、それを言われると、「そんなところまで見てるのか」と怖くなるんです。
じゃあ、どうすればいいの？
答えはないかもしれません。でも、自分の中で線を引くことが、少しだけ心を軽くしてくれます。全てを真に受けるのではなく、「見るけど、引きずらない」そんな距離感が必要なのかもしれません。
放置か？対処か？自分の中での“線引き”
全部の口コミに反応していたら、身がもちません。でも完全に放置も難しい。だから私は「誤解を解ける場合だけ返信する」「個人攻撃にはノーコメント」といった自分なりのルールを作ることにしました。ルールがあると少しだけ心が落ち着きます。
星の数ではなく、リピート率を見る癖をつける
今は星の数よりも「また来てくれる人がいるか」を見るようにしています。数字に縛られるのではなく、自分の仕事の本質を信じる。そうしないと、この仕事、やっていけません。
返信文に込める「ちょっとした反撃」
「貴重なご意見ありがとうございます」──そう書きながら、心の中では「そういう状況じゃなかったよ」と言い返してます。もちろん表には出しませんが、せめて返信の中で自分の立場を少しだけにじませる。小さな抵抗ですが、気持ちは少しだけスッとします。
同業者に話すと、だいたい同じことで悩んでる
この前の会合で、何気なく「口コミって辛くないですか？」って聞いてみたら、みんな一斉に「わかる！」って。自分だけじゃなかったんだと知るだけで、ちょっと救われました。同業の悩みは、同業にしかわからないですから。
まとめ：心臓に悪いけど、続けるしかない
Googleマップの口コミは、正直心臓に悪い。でも、今の時代、避けては通れないもの。だからこそ、自分の中での“見方”を変えるしかない。星1の下にも、ちゃんと自分の仕事の価値がある。そう信じて、今日もまた仕事に向かいます。
口コミよりも大事なものがあると信じたい
口コミは大事。でも、それだけじゃない。顔を見て「ありがとう」と言ってくれた依頼人の言葉のほうが、よっぽど心に残る。そう思える瞬間がある限り、私はこの仕事を続けていけます。
