終わらないタスクに押しつぶされそうな夜
夜も更けてきたというのに、机の上は相変わらず書類の山。こうして一日が終わる頃、ようやく「今日も無理だった」と溜息をつく。司法書士という仕事は、ただでさえ責任が重いのに、地方では人手も少なく、誰かに任せる余裕もない。事務員はひとり。彼女もよく頑張ってくれているけど、結局最後に残るのは自分。最近は、帰る前に書類の束を見て「明日に回すか」と諦めることが増えた。
今日も机の上には書類の山
昔はもう少し早く片付いていた気がする。けれど最近は、書類の内容も複雑化し、確認に時間がかかるようになった。昔ながらの手続きを望むお年寄りもいれば、ネットで事前調査してきて細かく突っ込んでくる依頼人もいる。そんな中、すべてを正確に、丁寧に処理しようとすると、どうしても時間が足りない。書類を捌くスピードより、積まれるスピードの方が速く感じるのは気のせいじゃない。
「片付けても片付けても」終わらない感覚
やってもやっても終わらない。この感覚は、まるで砂の山を手ですくっても、後ろからどんどん崩れてきて埋まってしまうようなもの。処理しても処理しても、翌朝には新しい案件が届いている。過去の自分が今の自分の首を締めているように感じる。依頼を断れなかった数ヶ月前の自分に、ちょっと怒りすら覚える。
心の中にたまるものと向き合う
目の前の書類だけじゃなく、心の中にも何かが積もっていく。焦りや罪悪感、そして「このままでいいのか？」という疑念。誰にも頼れず、誰にも吐き出せず、ただ飲み込む日々。けれど、それを放置していると、心の整理もつかなくなる。夜になると、静けさの中でそれがいっそう重くのしかかってくる。
時間と余裕はいつも敵だった
独立して以来、ずっと時間に追われている。営業、書類作成、登記申請、説明、説明、説明…。まとまった休みを取ろうとすれば、その分だけ翌週に皺寄せがくる。限界はわかっていても、手を抜けないのが性分で、気づけばまた深夜。効率化なんて言葉とは程遠い。いっそ誰かに代わってほしいと思うけど、そんな人は現れない。
他人から見れば小さなことで潰れそうになる
「たったそれだけ？」と思われるようなことが、実際には精神的な重荷になる。簡単な名義変更でも、依頼人の人生に関わる案件であることに変わりはない。責任があるからこそ、慎重になる。その慎重さが連鎖して、全体のペースを下げてしまう。ミスできない仕事の重さは、経験年数に比例して増すのだと感じる。
疲労と焦りが静かに積もっていく
一つ一つは大したことがなくても、積み重なると身体も心も削られていく。焦りが先に立つとミスに繋がるとわかっていても、「急がなきゃ」というプレッシャーからは逃れられない。そうしてミスを恐れて手が遅くなるという負のループ。司法書士にとって、焦りは最大の敵かもしれない。
独り身だからこそ逃げ場がない
家に帰っても誰かが待っているわけじゃない。誰かが「お疲れさま」と言ってくれるわけでもない。静かな部屋に入ると、ほっとする前に、どこか物寂しさが勝ってしまう。家が休息の場所であると同時に、孤独を噛みしめる場所にもなる。たまに冗談で「結婚してたらもっと大変だろうな」なんて言うけど、そんな強がりが寂しさの裏返しだったりもする。
家に帰っても相談相手がいない
仕事の愚痴を誰かに聞いてもらえる環境というのは、実はとても贅沢だと思う。自分の場合、それがない。事務所では「先生」として振る舞わなければならず、事務員に弱音は吐きづらい。家ではひとり。LINEで誰かに送ってみても、既読スルーされると、かえって虚しくなる。誰かと感情を共有するという当たり前が、当たり前じゃない現実。
テレビの音が心を癒やしてくれるわけじゃない
静かな夜が苦手で、テレビをつけっぱなしにしていることが多い。けれど、バラエティの笑い声も、ニュースキャスターの真面目な口調も、どこか遠く感じてしまう。音があるのに心が満たされない。そんな夜に、自分の限界を意識せざるを得なくなる。もう少し賑やかで、誰かの温もりを感じられる場所にいたいと願ってしまう。
元野球部の意地が裏目に出る瞬間
「痛くても走れ」「気合いで乗り切れ」。そんな言葉を叩き込まれてきた元野球部。だから、ちょっとくらいしんどくても我慢する癖が染み付いている。むしろ我慢してる自分に酔っている部分すらあったかもしれない。でも、今の仕事は、気合いじゃなんとかならない。心と体のバランスが崩れると、書類ひとつまともに見られなくなる。
「頑張るのが当たり前」がしんどくなる夜
昔は「頑張る」が自分のアイデンティティだった。でも、今はその言葉がプレッシャーにしか聞こえない。頑張ることを止めたら、すべてが崩れる気がして怖い。だけど、頑張り続けるのもしんどい。このジレンマに挟まれて、何度も夜中に目が覚めるようになった。頑張ることは美徳だけど、それだけでは乗り切れない。
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終わらないタスクに押しつぶされそうな夜
夜も更けてきたというのに、机の上は相変わらず書類の山。こうして一日が終わる頃、ようやく「今日も無理だった」と溜息をつく。司法書士という仕事は、ただでさえ責任が重いのに、地方では人手も少なく、誰かに任せる余裕もない。事務員はひとり。彼女もよく頑張ってくれているけど、結局最後に残るのは自分。最近は、帰る前に書類の束を見て「明日に回すか」と諦めることが増えた。
今日も机の上には書類の山
昔はもう少し早く片付いていた気がする。けれど最近は、書類の内容も複雑化し、確認に時間がかかるようになった。昔ながらの手続きを望むお年寄りもいれば、ネットで事前調査してきて細かく突っ込んでくる依頼人もいる。そんな中、すべてを正確に、丁寧に処理しようとすると、どうしても時間が足りない。書類を捌くスピードより、積まれるスピードの方が速く感じるのは気のせいじゃない。
「片付けても片付けても」終わらない感覚
やってもやっても終わらない。この感覚は、まるで砂の山を手ですくっても、後ろからどんどん崩れてきて埋まってしまうようなもの。処理しても処理しても、翌朝には新しい案件が届いている。過去の自分が今の自分の首を締めているように感じる。依頼を断れなかった数ヶ月前の自分に、ちょっと怒りすら覚える。
心の中にたまるものと向き合う
目の前の書類だけじゃなく、心の中にも何かが積もっていく。焦りや罪悪感、そして「このままでいいのか？」という疑念。誰にも頼れず、誰にも吐き出せず、ただ飲み込む日々。けれど、それを放置していると、心の整理もつかなくなる。夜になると、静けさの中でそれがいっそう重くのしかかってくる。
時間と余裕はいつも敵だった
独立して以来、ずっと時間に追われている。営業、書類作成、登記申請、説明、説明、説明…。まとまった休みを取ろうとすれば、その分だけ翌週に皺寄せがくる。限界はわかっていても、手を抜けないのが性分で、気づけばまた深夜。効率化なんて言葉とは程遠い。いっそ誰かに代わってほしいと思うけど、そんな人は現れない。
他人から見れば小さなことで潰れそうになる
「たったそれだけ？」と思われるようなことが、実際には精神的な重荷になる。簡単な名義変更でも、依頼人の人生に関わる案件であることに変わりはない。責任があるからこそ、慎重になる。その慎重さが連鎖して、全体のペースを下げてしまう。ミスできない仕事の重さは、経験年数に比例して増すのだと感じる。
疲労と焦りが静かに積もっていく
一つ一つは大したことがなくても、積み重なると身体も心も削られていく。焦りが先に立つとミスに繋がるとわかっていても、「急がなきゃ」というプレッシャーからは逃れられない。そうしてミスを恐れて手が遅くなるという負のループ。司法書士にとって、焦りは最大の敵かもしれない。
独り身だからこそ逃げ場がない
家に帰っても誰かが待っているわけじゃない。誰かが「お疲れさま」と言ってくれるわけでもない。静かな部屋に入ると、ほっとする前に、どこか物寂しさが勝ってしまう。家が休息の場所であると同時に、孤独を噛みしめる場所にもなる。たまに冗談で「結婚してたらもっと大変だろうな」なんて言うけど、そんな強がりが寂しさの裏返しだったりもする。
家に帰っても相談相手がいない
仕事の愚痴を誰かに聞いてもらえる環境というのは、実はとても贅沢だと思う。自分の場合、それがない。事務所では「先生」として振る舞わなければならず、事務員に弱音は吐きづらい。家ではひとり。LINEで誰かに送ってみても、既読スルーされると、かえって虚しくなる。誰かと感情を共有するという当たり前が、当たり前じゃない現実。
テレビの音が心を癒やしてくれるわけじゃない
静かな夜が苦手で、テレビをつけっぱなしにしていることが多い。けれど、バラエティの笑い声も、ニュースキャスターの真面目な口調も、どこか遠く感じてしまう。音があるのに心が満たされない。そんな夜に、自分の限界を意識せざるを得なくなる。もう少し賑やかで、誰かの温もりを感じられる場所にいたいと願ってしまう。
元野球部の意地が裏目に出る瞬間
「痛くても走れ」「気合いで乗り切れ」。そんな言葉を叩き込まれてきた元野球部。だから、ちょっとくらいしんどくても我慢する癖が染み付いている。むしろ我慢してる自分に酔っている部分すらあったかもしれない。でも、今の仕事は、気合いじゃなんとかならない。心と体のバランスが崩れると、書類ひとつまともに見られなくなる。
「頑張るのが当たり前」がしんどくなる夜
昔は「頑張る」が自分のアイデンティティだった。でも、今はその言葉がプレッシャーにしか聞こえない。頑張ることを止めたら、すべてが崩れる気がして怖い。だけど、頑張り続けるのもしんどい。このジレンマに挟まれて、何度も夜中に目が覚めるようになった。頑張ることは美徳だけど、それだけでは乗り切れない。
