なんでもない一日が、いちばんありがたい

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なんでもない一日が、いちばんありがたい

  1. なんでもない一日が、いちばんありがたい
    1. 疲れ果てた帰り道に思うこと
      1. 忙しいのに誰も気づいてくれない
      2. 「今日も何も起きなかった」ことの尊さ
    2. トラブルがない日=本当にラッキーな日
      1. 電話が鳴らなかった日の安心感
      2. 「事件」がないときのほうが実は仕事が進む
    3. 事務員さんがいることのありがたみ
      1. 1人で全部やってた時代を思い出すとゾッとする
      2. でも、人がいるとそれはそれで神経を使う
    4. 一見、平凡に見える日々の裏側
      1. 「何もない日」の陰にある地味な積み重ね
        1. 登記簿のチェック、書類の確認、謎の待ち時間
        2. 目立たないけど、なくてはならない作業たち
    5. 結局、精神的にすり減るのがいちばんキツい
      1. 人の悩みや怒りを受け止め続ける疲れ
      2. 自分の感情を置き去りにする毎日
    6. なぜ、続けられているのか?
      1. 感謝のひと言だけで救われることがある
      2. 小さな達成感がじわじわ支えてくれている
    7. 「やめたい」と思った回数なら数え切れない
      1. でも、やめない理由はいつも単純
    8. 司法書士という仕事に向いてない気がする日もある
      1. 他の先生たちはどうやってこなしてるの?
      2. 比べたって意味はないと分かってるけど
    9. それでも、今日も無事に帰ってこれた
      1. 「普通」がこんなにありがたいと知った今
      2. そして明日もまた、地味な戦いが待っている

なんでもない一日が、いちばんありがたい

「今日もなんとか無事に終わったなぁ」。毎日、事務所を出て車に乗り込んだ瞬間、思わず口にしてしまう言葉です。大きな事件があったわけでもない、誰かに褒められたわけでもない。でも、トラブルなく過ぎた一日は、実はものすごく価値のあるものだと感じるようになりました。地方の小さな司法書士事務所を営んでいると、派手さのない日常こそが「奇跡の連続」だと身に染みます。

疲れ果てた帰り道に思うこと

忙しいのに誰も気づいてくれない

正直に言えば、毎日が戦場です。登記の受付、補正の連絡、クライアントの怒り、法務局との駆け引き。事務員さんが一人いるとはいえ、事務所の回転はほぼ私にかかっています。でもこの忙しさ、誰かに伝わることはまずありません。家に帰っても「今日は何してたの?」って聞かれるくらいです。疲れていることすら、誰にも見えない。だからこそ、帰り道にふと涙が出そうになることもあります。

「今日も何も起きなかった」ことの尊さ

若い頃は「事件があったほうが充実感ある」なんて思っていたのですが、今では「何も起きなかった日」が最高です。電話も鳴らず、トラブルもなく、書類がすんなり通る。そんな日があると、心の底から「ありがたい」と感じるようになりました。司法書士という仕事は、事件がないほど地味にうまくいっている証拠。だからこそ、そんな日は心から祝いたくなるのです。

トラブルがない日=本当にラッキーな日

電話が鳴らなかった日の安心感

朝から夕方まで電話が一度も鳴らなかった日は、たぶん年間に数回しかありません。けれど、その日がどれほど心穏やかに過ごせるか、他の司法書士さんならきっと分かってくれると思います。「何か起きたらどうしよう」とビクビクしながら進める業務と違って、集中力も続きますし、精神的な摩耗も段違い。電話が鳴らない、それだけで幸福度が跳ね上がる仕事って、なかなか珍しいと思いませんか。

「事件」がないときのほうが実は仕事が進む

誰かの依頼が突然飛び込んでくると、それまで予定していた作業がすべて後回しになります。「急ぎでお願いしたいんですが…」という言葉、耳にタコができるほど聞いてきました。逆に何の事件もなく、静かに一日が進むときほど、長年放置していた書類の整理や、確認作業が驚くほどはかどるのです。実務は、派手さではなく積み重ね。これは最近ようやく実感したことです。

事務員さんがいることのありがたみ

1人で全部やってた時代を思い出すとゾッとする

開業当初は一人で全部やってました。電話、接客、登記申請、郵送、掃除、会計まで。本当に「死ぬかと思った」時期です。そんな過去があるからこそ、今の事務員さんの存在には頭が上がりません。書類を揃えてくれるだけで、どれだけ助かっているか…。ただ、昔の自分に「無理してでも人を雇え」と言いたいですね。潰れる前に。

でも、人がいるとそれはそれで神経を使う

とはいえ、人がいると気を遣います。忙しい中でも声をかけないといけないし、ミスがあったときの対応も悩ましい。仕事を覚えてもらう過程では、つい口調が強くなってしまって自己嫌悪に陥ることも…。結局、誰かと一緒に働くのは大変なんだと痛感します。ありがたいけど、簡単ではない。これが本音です。

一見、平凡に見える日々の裏側

「何もない日」の陰にある地味な積み重ね

「今日は何もなかったですね」と言われた日も、実際は細かい仕事の連続です。登記簿の確認、権利証のチェック、委任状の作成、事前相談の対応。どれも目立たないけど、これがなければ仕事は回りません。平凡に見える一日は、実は地味な作業の積み上げの結果なんです。

登記簿のチェック、書類の確認、謎の待ち時間

登記簿を確認してミスがないか何度も目を通す。法務局の返答待ちで1時間以上かかるときもある。それでも外から見れば、「あの先生は暇そうだね」と思われてしまう。外からは絶対に伝わらない、見えない仕事の多さに、もどかしさを感じます。

目立たないけど、なくてはならない作業たち

例えば申請前の書類番号のチェック。ちょっとのミスが大問題になります。そういう“当たり前にやってること”が、全体を支えている。でも、誰からも評価されません。だからこそ、自分で自分を認めてあげるしかないのです。「今日もよくやったな」と。

結局、精神的にすり減るのがいちばんキツい

人の悩みや怒りを受け止め続ける疲れ

登記の依頼といっても、その背景には誰かの不安やストレスがあります。「早くやってほしい」「どうしてこんなに時間がかかるのか」。その気持ちは分かります。でも、それを全部自分が受け止めるのは、かなり堪えます。怒鳴られた日なんかは、夜中まで引きずりますからね…。

自分の感情を置き去りにする毎日

「冷静に対応しないといけない」「感情的になってはいけない」。そう自分に言い聞かせながら、どんどん自分の感情が麻痺していく感じがします。だから帰りの車の中でようやく自分に戻れるんです。「今日もしんどかったなあ」と思える時間は、ほんの少しだけど救いです。

なぜ、続けられているのか?

感謝のひと言だけで救われることがある

「ありがとうございました」「助かりました」。この一言があるだけで、何日分もの疲れが吹き飛びます。どれだけつらくても、誰かに感謝された瞬間に「またやろう」と思えてしまうんですよね。司法書士は、やりがいの少ない仕事じゃない。けど、やりがいにたどりつくまでが遠い。

小さな達成感がじわじわ支えてくれている

書類が一発で通った、補正がなかった、依頼者に笑顔で帰ってもらえた。そんな小さな成功の積み重ねが、自分を支えています。毎日ドラマチックじゃないけど、だからこそ、地味な達成感がじわじわと心に効いてくる。まるでじんわり温かい味噌汁みたいに。

「やめたい」と思った回数なら数え切れない

でも、やめない理由はいつも単純

やめたいと思った日は何度もあります。理不尽なクレーム、終わらない業務、報われない努力。でも、結局やめないんですよね。理由は単純。「今さら他の仕事できないし」「お客さん待ってるし」「明日の申請あるし」。情けないけど、それが本音です。

司法書士という仕事に向いてない気がする日もある

他の先生たちはどうやってこなしてるの?

周りの司法書士の先生がスマートに仕事をしてるように見えると、自分が情けなく思えることもあります。「あの先生は補正もないし、怒られてるのも見たことないなぁ」なんて。でも実際は、みんな表に出さないだけ。きっとどこかで同じように悩んでるはずです。

比べたって意味はないと分かってるけど

それでも、つい比べてしまいます。「自分ってなんでこんなに要領悪いんだろう」とか。でも最近は「自分のペースでやるしかない」と思うようになってきました。うまくやろうとしすぎると、かえって心が削れていくので。

それでも、今日も無事に帰ってこれた

「普通」がこんなにありがたいと知った今

何も起きなかった日、特別なことはなかった日、ただ静かに業務が終わった日。そんな「普通の一日」が、いまは一番ありがたいです。若い頃には気づかなかったこの感覚が、今では支えになっています。

そして明日もまた、地味な戦いが待っている

明日もまた、朝から電話が鳴り、登記の確認に追われ、イライラすることもあるでしょう。でも、それでも帰りに「なんとか今日も無事だったな」と思えるなら、それでいい。そんな日々を重ねていけたら、それがこの仕事の価値なんじゃないかと思っています。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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