業務ソフトに感じる違和感と不満
司法書士として独立してからというもの、ずっと悩まされているのが業務ソフトの「お値段」。登記、相続、商業登記…さまざまな処理に対応するソフトは便利で必要不可欠なのですが、それにしても高すぎやしませんか?もちろん安かろう悪かろうでは困るし、機能性は理解しています。ただ「その価格、個人事務所でも耐えられると思ってますか?」と、開発元に聞いてみたい気持ちになるのです。
「なんでこんな高いの?」と初めて思った瞬間
独立して間もない頃、開業資金をかき集めていた中で、業務ソフトの導入費用を見たときの衝撃は忘れられません。数十万円が一括請求、そして翌年からは毎年更新料という名の「年貢」が発生する。しかも、使いこなせるかもわからない段階で「買うしかない」という空気。逃げ場がなかったんです。
新人時代、無料ソフトでなんとかしてた頃
まだ補助者をしていた頃は、先輩の事務所で「自作テンプレ」やフリーのPDF編集ソフトを駆使していたのを覚えています。確かに手間はかかるけれど、工夫次第で何とかなった。でも、いざ自分が責任を持つ立場になると、業務ミスは許されない。だから「ちゃんとしたものを導入せねば」となるわけです。
導入を決めた瞬間、請求書の桁に目を疑った
いくつかの業務ソフトを比較して、知り合いの司法書士に勧められたものを導入したのですが、最終的に振り込んだ金額が…思わず声を出してしまいました。「うそでしょ?」って。ソフトひとつで冷蔵庫が買えるんです。しかも年間維持費まである。もう泣くしかありませんでした。
機能はすごい。でも使わない機能も山盛り
導入して使ってみて気づくのは、「使わない機能の多さ」です。確かに、連携や自動化は素晴らしい。でも、こっちは所員一人の小規模事務所。そんなに複雑なフロー、使いません。豪華客船の操縦席みたいな画面を前に、「自転車でよかったのに…」と思うこと、何度もあります。
シンプルでいいのに、やたらと高機能
例えば、クラウド型の共有機能やAIによる文書分析。確かにすごい。でも、正直「そこまで要らん」。そもそも紙文化が根強く残るこの業界で、そこまでDX進んでません。機能が豪華になるたびに、値段もつり上がっていく。求めてないのに、勝手に豪華にされて料金アップ。なんか違う。
実務で本当に使うのは2割以下
日々の業務で実際に使うのは、せいぜい入力フォーム、申請書作成、書類PDF化くらい。それなのに、何十ものメニューが並ぶソフト画面。操作ミスのリスクも増えるし、事務員さんにも「また変わったんですか」と言われる始末。もっと使いやすく、シンプルで、安価にできないものか。
地方の小規模事務所が抱えるリアル
地方で一人所員を雇ってやっているような事務所にとって、経費はまさに命取り。業務ソフトの価格設定は、どう考えても都市部の大規模事務所向け。私たちはその価格に合わせて無理しているんです。正直、もっと柔軟な料金体系があってもいいんじゃないでしょうか。
都会基準の価格設定に感じる距離感
ソフト会社の営業マンが言う「業界標準の価格です」って言葉、何度聞いたかわかりません。でも、その「業界標準」は、都内の事務所での話でしょ?うちは地方で、登記件数も限られていて、相続が一件あればいい方。そんな状況で、都心の司法書士と同じ値段で同じソフトを買えというのは酷です。
うちは所員1人、あちらは大手事務所
そもそも、比較対象が違いすぎる。あちらは10人以上のスタッフがいて、案件数も多い。こっちは、書類一枚仕上げるのも手が回らず、時には夜中にひとり書類作ってるんですよ。なのに価格は一律。どうしても「割に合わない」と思ってしまいます。
年間コストの重さにひたすらため息
導入費だけでなく、毎年かかる更新料。これが地味にキツい。特に繁忙期が終わった後のタイミングで「更新のご案内」が届くと、もはや精神的ダメージすらあります。
月額◯万円。年額にするとゾッとする
たった月額1万数千円でも、年で計算すると十数万。しかも、複数のソフトを使っていればさらに倍。印紙代や交通費と違って、これって「必要経費」としての実感が薄いんですよね。精神的には「じわじわ蝕まれてる」感覚です。
「機能は改善されました」って言われても…
更新のたびに「〇〇機能を追加しました」って通知が来ますが、それが自分にとって役立つかはまた別問題。むしろ「新しくなって操作変わった」と混乱することのほうが多い。事務員さんも「覚えるの大変」と言ってました。
なぜ安い選択肢が少ないのか
業務ソフトに競合が少ないのも、問題の根本にあると思います。業界特化ということで、プレイヤーが限られており、ユーザー側に選択肢が少ない。その結果、価格競争が起こらず、改善要望も届きにくい環境になってしまっているのです。
業界特化ソフトの宿命?独占と閉鎖性
大手が作っているソフトは、たしかに安定しています。でも、新規参入が少なく、「この値段で納得しろ」と言わんばかりの雰囲気があるのも事実。ソフトを乗り換えるにもデータ移行の壁があり、結果的に依存せざるを得ない構造になっています。
競争がない=価格が下がらない
一般的なソフトなら「乗り換えたら安くなる」って選択肢がありますよね。でも司法書士業界ではそれが通用しない。選べる数が少ない上、対応範囲が微妙に異なっていて、「これ一本で全部対応」は難しい。結果、複数契約せざるを得ず、コストも倍増…涙しかありません。
カスタマイズや保守費用の重たさ
細かな要望があっても、対応してもらうには別料金。「ちょっとここの文字大きくしてほしい」みたいな軽微なことでも、見積もりが高いんです。これ、たぶんソフト会社から見れば「業務外対応」なんでしょうが、こっちは日々の実務で苦労してるわけで…。
「ちょっとした修正」でも見積もりが高額
以前、「レイアウトがずれて見づらいから直せませんか」と頼んだら、5万円の見積もりが出てきて絶句しました。結局、修正は断念して、自分で視力を酷使しながら使っています。悲しいけど、それが現実なんですよね。
それでも使わざるを得ない現実
そんな文句を言いながらも、結局は業務ソフトに頼らざるを得ないのがこの業界のつらいところ。オンライン申請の連携や、帳票の自動生成など、便利さは確かにある。じゃあ紙に戻れるか?といえば、それも無理。結局、文句を言いながら使い続けるしかない…。
登記申請との連携、正直便利ではある
司法書士の仕事はスピードと正確さが命。その点、ソフトの自動生成や法務局との連携はやっぱり助かります。手書きで登記情報を転記していた時代には戻れない。それがわかっているからこそ、高いとわかっていてもやめられないのがまた苦しい。
事務員に頼める安心感もあるにはある
うちの事務員さんはパソコンが得意な方じゃないですが、慣れてしまえば「ソフト上で完結するからミスが減った」と言ってくれます。やっぱり、安心感はありますね。だからこそ、「高いけど使うしかない」…そんなジレンマがつきまとうんです。
業務ソフトとの上手な付き合い方を模索して
ここまで書いておいて何ですが、「業務ソフトを完全に否定するつもり」はありません。ただ、使い方や費用に見合う価値を自分で見極めながら、上手に付き合っていく必要があると感じています。情報のシェアや改善の声を、もっと業界内で共有していけたらと願っています。
安くて実用的な代替手段はあるのか
最近は、GoogleスプレッドシートやGoogle Apps Scriptを使った自動化も流行りつつあります。もちろん導入には知識が必要ですが、自作すればコストは抑えられる。今後は「ソフトを買うか作るか」の選択も出てくるかもしれません。
Excelマクロ、自作GAS、手書きとの比較
Excelマクロは比較的敷居が低く、自作しやすいですが、メンテが大変。GASはオンラインとの連携に強く、将来性もあり。ただ、トラブル時の対応が自力になる点は覚悟が必要。手書きは…もう戻りたくないですね。
司法書士同士で情報を共有しよう
業務ソフトに関する話って、なぜかあまりオープンにされません。でも、実はみんな不満や不安を抱えてるんじゃないでしょうか。だからこそ、もっと話して共有していくべきだと思うんです。
「どこのソフトがマシか」って話、もっとしたい
「うちはA社使ってるけど、ここが不便」「B社は費用が高すぎるけどこの機能は便利」など、実体験に基づいた話をもっと気軽にできる場があれば、みんなが助かると思うんです。愚痴でもいい、誰かの参考になるなら。