あれ?何の話だったっけ?気づけば本題から脱線する人の共通点とは?

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あれ?何の話だったっけ?気づけば本題から脱線する人の共通点とは?

なぜか相談が脱線してしまう現象について

司法書士として依頼者と面談をしていると、「あれ?何の話をしていたんだっけ?」と感じる瞬間がときどきあります。最初は明確な相談内容があったはずなのに、気づけば話題はまったく別の方向へと進んでいる――そんな経験、同業の方なら一度や二度ではないのではないでしょうか。私自身も日々の業務の中でこの「脱線問題」と向き合い続けています。今回はそんな話題逸れの現象とその背景、対応策について、少し愚痴も交えながら書いてみたいと思います。

話がズレていく瞬間に感じる違和感

たとえば相続登記の相談で訪れた依頼者が、冒頭は「父が亡くなって…」という重々しい話から始まり、徐々に「兄が昔からズルくて…」「母が味方してばかりで…」という愚痴になり、最終的には「そもそも親族ってなんでこうなんでしょうね」と哲学的な方向へ。こうなると私はもう司法書士というよりカウンセラーのような顔で座っているしかありません。本題に戻そうとすると、なんとなく水を差すような気もして躊躇するんですよね。

本題を見失う危険性と実務上のリスク

問題なのは、この脱線が長引くことで、相談のゴールがぼやけてしまう点です。実際にあった例で、遺言書作成の相談を受けていた際、雑談が続きすぎて肝心の財産構成や相続人の確認を曖昧なまま終えてしまい、あとで修正の連絡がくるということがありました。相談の主導権をこちらが持たないと、業務の進行に支障が出てしまうんです。

よくある脱線パターンとその背景

相談者が本題から逸れていくときには、一定のパターンがあることに気づきます。ただ雑談が好きなわけではなく、何かしらの「背景」があるケースが多いのです。それを理解することで、単なる脱線にも対応しやすくなります。

「ちょっと関係あるんですけど…」の罠

「ちょっと関係あるんですけど」という前置きから始まる話は、経験上かなりの確率で本筋から外れます。「実は兄が昔、土地のことで揉めていて…」など、一見関係ありそうで、じつは重要度の低い情報が延々と続くのです。

相続の話から始まり、家族の愚痴大会に

「父が亡くなって…」という導入から、「兄が財産目当てで…」「母が口を挟んで…」「昔のことなんですが…」と進むうちに、話は完全に家族の悪口へ。そうなると「私は何を聞かされてるんだろう」と思いつつ、口を挟むタイミングを見失ってしまいます。

会社設立の相談が、最終的には夫婦問題へ

法人設立の相談だったのに、「実は妻があまり協力的じゃなくて…」「うちの家庭、微妙なんですよ」などと話が夫婦関係に。それも重要かもしれませんが、定款の内容決まってませんけど、となるわけです。

なぜ人は脱線したがるのか?心理的な要因

私たち司法書士は「手続きを進める」ことが仕事ですが、依頼者は「話を聞いてもらうこと」で安心するケースもあります。特に法的な問題を抱えているときは、感情が高ぶっていて、「話すこと」自体がストレス解消になっているのかもしれません。その背景を理解すると、完全に遮ることもできず、つい聞いてしまうんですよね…。

脱線しやすい人の共通点とは?

脱線してしまう人には、いくつかの共通する特徴が見えてきます。もちろん一概には言えませんが、「ああ、またこのパターンか」と思うこともしばしばです。

情報過多な依頼者に見られる傾向

ネットやテレビで得た知識を披露したいタイプの方は、「○○ってご存知ですか?」という入りから、自分の知識を延々と話し始めます。そこに正確性がなかったりすると、指摘するのも億劫で、なかなか本筋に戻れません。

不安を話すうちに「話すこと自体」が目的に

「この登記って間違えたらどうなるんですか?」「もし誰かが異議を唱えたら…」など、不安からくる質問を繰り返すうちに、話の軸がどんどんぶれていきます。最後には「なんかいろいろ心配で…」という状態になり、何を相談したかったのか忘れかけてしまうのです。

結論を急がないタイプの依頼者の特徴

「今日はとりあえず話だけでも…」という人は、目的が相談ではなく「雑談」に近いケースもあります。ゴールを持っていないため、話題があちこちに飛んでしまいやすいのです。

忙しい実務とのギャップとストレス

依頼者が気楽に話している一方で、こちらはスケジュールに追われています。相談が長引けば、その後の処理にも影響が出る。愚痴っぽくて申し訳ないですが、ほんと勘弁してほしい…。

相談時間が倍になっても料金は同じ

30分で終わるはずの相談が1時間半かかったとしても、報酬は変わらない。むしろ時間超過で後の仕事がズレ込み、自分の昼食が15分になったりします。これは地味にキツイです。

事務員に回すわけにもいかない微妙な話題

事務員に任せられる業務もありますが、感情的な話や複雑な人間関係が絡む話題は、やはり自分で聞かないといけません。しかも、感情的な話ほど時間がかかるんですよね…。

脱線にどう向き合えばいいのか

とはいえ、脱線を完全に防ぐことは難しいです。だからこそ、上手に対応しながら本題に戻す技術が求められます。ここでは、私が意識しているちょっとしたコツを紹介します。

やんわり軌道修正するコツ

真っ向から話を遮ると依頼者も気分を害します。だから私は、できるだけ自然に話を戻すよう心がけています。といっても、まだまだ修行中ですが。

「いったん確認させてください」を使う

話が脱線したときに、「いったん確認させてください。○○についてでしたね」と言うと、自然に話題を戻しやすいです。トゲもなく、相手も「あ、そうでしたね」となりやすいので重宝しています。

書類ベースの話に持ち込むと脱線しにくい

紙や画面を使って、具体的な登記簿や申請書を見せながら話すと、自然と本筋に集中できます。視覚情報って、けっこう有効なんですよね。

脱線を完全に防ぐのは不可能?

結論から言えば、完全には防げません。特に人情の厚い地方では、「聞くこと」も仕事の一部だと思っている方も多い。割り切りすぎず、でも流されすぎず、そのバランスが難しいところです。

司法書士としてのスタンスをどう保つか

話がズレていく依頼者にイラつく日も正直あります。でも、そうした時間が信頼関係につながることもある。この矛盾に、日々悩まされながら働いています。

聞くことも仕事…でも限界はある

「先生に聞いてもらえてスッキリしました」と笑顔で帰っていく依頼者を見ると、こちらも嬉しい反面、「で、手続きどうするの?」という不安も残る。聞くことも仕事、でも業務の本質も忘れてはいけない――このせめぎ合いが本当に難しい。

脱線をうまく活かす「人間関係構築」の視点

逆に言えば、脱線の中にその人の人間性や価値観がにじみ出ることもあり、そうした情報が信頼関係やリスクヘッジに役立つこともあります。だから、ある程度は付き合う覚悟も必要なんですよね。ほんと、大変だけど。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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