月曜の朝は誰にとっても憂鬱なのか
たぶん、月曜日が好きって人はあんまりいないと思うんです。日曜日の夕方あたりから、すでに“月曜が来るぞ…”という空気が漂っていて、テレビをつけても、バラエティ番組が楽しめない。私の場合、特に月曜の朝は“終わった…”という絶望に近い感情が押し寄せてきます。世の中の人もそうなんでしょうか?それとも、私だけが極端に感じているのか。そんなことを考えながら、毎週この時が来るのをただ耐えています。
起きた瞬間から重たい気配がする
アラームが鳴る前に目が覚めることがあるんですが、それがまた最悪で。「ああ、月曜だ」と思った瞬間、布団の中でしばらく動けなくなる。まるで、体が鉛のように重くて、ただ天井を見上げるだけの時間が10分…15分…。頭では「早く起きろ」「時間がない」と分かってるのに、心がどうしてもついてこない。昔は野球部で朝練も平気だったのに、人間って変わるものですね。
世間の“がんばろう”ムードとの温度差
SNSを開けば「今週も頑張ろう!」なんて元気な投稿が流れてきます。でも、正直それを見ると余計にしんどくなるんです。ああ、みんなそんなに前向きになれるんだなあって。私なんか「どうせ今週もバタバタで、胃が痛くなる案件が来るだけだろ」としか思えない。そんな気持ちでスーツに袖を通すと、朝の光すら目にしみるんですよ。もう少し“しんどい派”の投稿があってもいいのに、って思いますね。
司法書士という仕事の月曜日
司法書士という仕事は、週明けがとにかくバタバタします。たとえば、月曜に登記を申請したい依頼者が、土日に思い立って一気に連絡してくるんですよ。しかも、電話もメールも朝から立て続け。事務所のドアを開けた瞬間から「よーいドン」みたいな感覚で、ほっとくと仕事が雪崩のように溜まっていきます。しかも、トラブルが重なる日がなぜか月曜に集中するんですよね。不思議なもんです。
週明けは電話が鳴る鳴る鳴る
8時59分、事務所の電話に手をかけながら「頼むから今日は静かであってくれ」と祈る。でも、祈りが通じたことはほとんどありません。9時ちょうどに1本、そして10分おきに2本3本。しかもそのうち半分は“ちょっとお聞きしたいんですけど…”という軽めの相談から始まり、結局がっつり案件になっていく。電話を切るころにはもう11時過ぎてて、午前中の予定は総崩れです。
依頼じゃなくて催促ばかり
しかも電話の内容の多くが“催促”。「書類まだ届いてませんか?」「あの手続き進んでますか?」という内容ばかり。こっちはこっちで必死に回してるんだけど、それを理解してくれる人ばかりじゃない。月曜日は特に依頼者も急いでるようで、声がちょっとピリピリしてるんです。電話の受話器越しにその圧を受けると、「ああ、今週も消耗戦が始まったな」と思ってしまうんですよ。
「進捗いかがですか」への恐怖症
“進捗いかがですか”という一言が、最近は本当に怖い。心当たりがある案件ばかりなので、なおさら胃がギュッと締まる。どこから手をつけるべきか考えていた矢先に、その進捗確認が来ると、まるで自分の怠慢を指摘されたような気持ちになる。もちろん相手に悪気はないのはわかってる。でも、こちらの気持ちの余裕がないときには、その一言すら突き刺さるんですよ。
書類が足りない 月曜に限って
月曜の朝に限って「この書類、足りてないじゃないか」と気づくケースが多すぎるんです。週末に見直す時間がなかったり、郵送が間に合わなかったり。あとは、依頼者側が“ついでにお願いしたい”と後出しで書類を追加してくる。そうなると、手続きが一気に詰まって、連鎖的に他の案件にも影響が出てしまう。月曜に足りない書類は、もはや魔物のような存在です。
なぜか月曜日に限って事務員が明るい
私の事務所には一人だけ事務員さんがいるのですが、なぜか月曜日はいつもより明るい。もちろんそれは助かることでもあるし、ありがたい。でも、その明るさが逆にまぶしく感じる時があるんです。こちらが「うう…」とうなだれている横で、「おはようございます!今日も頑張りましょうね!」と言われると、なぜか罪悪感まで湧いてくるんですよ。人間、弱ってるときはそんなもんです。
元気なのはいいことだけれど
元気に仕事を始めてくれるのは、本当にありがたいんです。でも、自分が憂鬱な気分でいると、ちょっとだけ置いてけぼり感を感じることがある。相手の明るさに対して、自分があまりに沈んでいると、「こんなことでしんどがってる自分ってどうなんだろう」とか、「もう少し気持ちを切り替えないと…」とか、自己嫌悪のスイッチが入ってしまう。それがまた余計にしんどくなる。
「昨日はゆっくりできましたか?」が胸に刺さる
よくある月曜の会話で「昨日はゆっくりできましたか?」って聞かれるけど、それが正直つらい。日曜も結局、書類の整理や調査でほとんど仕事してて、“ゆっくり”なんてほど遠い一日だったから。独身だと誰かと出かけるわけでもなく、ただ机に向かっていた時間が過ぎていくだけ。その虚しさとあいまって、優しさにすら傷ついてしまう自分がちょっと情けないですね。
独身の月曜 朝から誰とも喋らない
独身で一人暮らしの月曜の朝は、とにかく静かです。目覚ましを止めて、歯を磨いて、着替えて、玄関を出るまでの間、誰とも喋らない。テレビをつける気力もない日は、本当に無音のまま。朝のこの時間に「おはよう」と言ってくれる人がいたら、少しは変わるのかな、とふと思うこともあります。でもまあ、今さら家族を持とうとも思えず…。ただ、その静けさが月曜の重たさを何倍にもしている気がします。
朝食はコンビニコーヒーとパン一個
月曜の朝は、いつも決まってコンビニで買うホットコーヒーと、パン一個だけ。それが自分にとっての“儀式”みたいなもので、これがないと事務所に行けない。もっとしっかり朝食をとった方がいいのは分かってるんですが、気力がないんです。でも、そのコーヒーを片手に車を運転しながら、ぼんやりと今日一日の流れを考える。唯一、月曜の朝に自分だけの“整える時間”かもしれません。
部屋の冷たさが心にも染みる
冬の朝なんかは特に、部屋の冷たさが身にしみます。暖房をつけてもすぐには暖まらないし、カーテンを開けた時のあの冷たい空気に包まれると、「また一週間が始まるのか…」と心まで凍えるような気持ちになる。誰かと「寒いね」なんて会話できればいいんでしょうけど、それもない独身の朝は、ちょっとした寒さすら寂しさに変えてしまいますね。
それでも月曜日をなんとか乗り切るために
そんな憂鬱な月曜ですが、それでも事務所を開けて、仕事に向き合う理由がある。それはやっぱり、「自分にしかできないことがある」という気持ち。登記の仕事も、相続の相談も、誰かが頼ってくれている。その思いを感じることで、なんとか前に進める。月曜の朝に、このことを思い出せるかどうかが、1週間をどう乗り切るかの鍵になる気がしています。
自分にしかできない仕事があると思い出す
この業界、特に地方では“信頼されること”が何より大事。「先生にお願いしたい」と言われたとき、どれだけしんどくても、やっぱりやらなきゃと思える。自分がこの仕事を選んだ理由を思い出すのは、たいてい月曜の午後。午前中のドタバタが落ち着いて、少しだけ呼吸ができた時に、「今日もやってよかった」と、ほんの少しだけ思える瞬間があるんです。
一通の「助かりました」のメールで持ち直す
週のはじめに届く依頼者からの「助かりました」「ありがとう」のメール。それだけで、しんどさがすっと軽くなることがあります。たった一言なのに、その言葉には想像以上の力がある。自分のしていることが誰かの役に立っていると実感できたとき、人ってまた立ち上がれるんですよね。月曜日にそれを受け取れると、本当に救われた気持ちになります。
それでもまた来週は来る
今週もなんとか月曜日を越えた。でも、来週もまた月曜はやってくる。だからこそ、少しずつ自分なりの“戦い方”を見つけるしかないんです。完璧にこなそうとせず、時にはコーヒーを飲んで深呼吸して、少しだけ自分に甘くなる。それが、司法書士として長くやっていくための“術”なのかもしれません。月曜日を完全に好きになることはないけれど、少なくとも「潰れないように」は、したいんですよね。