まさかの登記完了日、システム障害で全てが止まった日

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まさかの登記完了日、システム障害で全てが止まった日

  1. 完了予定日の朝は、いつもより慎重に動く
    1. 「今日で一区切り」…そんな日に限って何かが起こる
      1. 予定表には完了予定がズラリ
      2. 事務員にも「今日はバタつくから」と声をかけていた
    2. 午前9時、いつも通りオンライン申請にアクセス
      1. 画面が開かない…まさかの違和感
      2. 「まさかね」と思いながら何度もリロード
  2. システム障害、公式発表を待つしかない無力感
    1. 登記・供託オンライン申請システムが沈黙
      1. 法務省の障害情報ページを何度も確認
      2. 「こちらではどうにもならない」という現実
    2. 完了予定を信じている依頼人たちの存在
      1. 午前中に「登記終わりましたか?」の電話
      2. 謝るしかないこの無念さ
  3. 止まった案件、積み上がるストレス
    1. 登記が完了しないと動けないことは多い
      1. 銀行との連携も、司法書士側の責任にされがち
    2. お客様には言えない「内部の混乱」
      1. 完了予定の予定が未定になる恐怖
      2. 事務員にも負担と不安がのしかかる
  4. 司法書士としてできることはあるのか
    1. 手続の遅延についてどう伝えるべきか
      1. 黙っていても後で困る、早めの説明が鍵
    2. あらかじめ「予定は予定」と伝える難しさ
      1. 期待を持たせすぎない言葉選び
  5. 今回のトラブルで得た教訓
    1. 「トラブル前提」でスケジュールを組む
      1. 余裕を持った完了日を設定するよう心がける
    2. バックアップ体制と、心の余裕の準備
      1. 精神的な「障害対応モード」を持つ大切さ
  6. 最後に思うこと:僕たちは「完了できて当たり前」の世界に生きている
    1. その当たり前が崩れたとき、誰がその責任を負うのか
      1. 無力さを抱えて、それでも前を向くしかない

完了予定日の朝は、いつもより慎重に動く

登記の完了予定日というのは、我々司法書士にとって「ゴールテープ」のようなものだ。依頼人の期待、関係者の段取り、そして自分たちの達成感。すべてがそこに向かって整えられていく。だからこそ、完了予定日はちょっとだけ緊張する。特に地方の事務所では、登記が滞るとすぐに信頼に影響が出かねない。そんな日の朝は、なんとも言えない気配がある。

「今日で一区切り」…そんな日に限って何かが起こる

あの日も、朝から「よし、今日は3件まとめて終わらせよう」と意気込んでいた。すでに登記申請は数日前に出していて、あとは完了通知を待つだけ。お客さんに電話して、「今日中には完了報告できますからね」と自信たっぷりに伝えたばかりだった。

予定表には完了予定がズラリ

ホワイトボードには「完了予定:甲土地、乙建物、丙マンション」と手書きで大きく書いてあった。事務員さんとも「昼過ぎには出せそうですね」と雑談しながら、他の仕事の段取りを始めていた。なんなら夕方には、ちょっと一息つけるかも…なんて淡い期待さえあった。

事務員にも「今日はバタつくから」と声をかけていた

いつも通り、朝礼代わりに「今日は登記完了の電話が多いから、他の対応は後回しでいいよ」と指示を出した。こういう小さな気遣いも、忙しい現場では意外と重要だったりする。事務員も頷きながら、書類を仕分けてくれていた。

午前9時、いつも通りオンライン申請にアクセス

PCの前に座って、まず最初に確認するのは「登記・供託オンライン申請システム」。毎日使っているから、動作の微妙な違いにも気付くようになっている。あの日も、何気なくアクセスしたつもりだった。

画面が開かない…まさかの違和感

「あれ…?」。何度クリックしても画面が真っ白のまま。最初は回線の不具合かと思って、Wi-Fiルーターを再起動。でも、うんともすんとも言わない。「こりゃ嫌な予感がするな」と、胸の奥がざわついた。

「まさかね」と思いながら何度もリロード

まるで祈るような気持ちで、何度もリロードを繰り返した。「今日はこの日しかないんだぞ」とパソコンに向かって心の中で呟きながら。けれども、状況は変わらない。もう、この時点で全身から嫌な汗が出てきた。

システム障害、公式発表を待つしかない無力感

司法書士という職業は、ある意味「コントロールの効かないリスク」に弱い職業だ。法務局の判断ひとつ、システムの動作ひとつで、一日の仕事がまるごと飛んでしまう。まさにあの日、それを思い知らされた。

登記・供託オンライン申請システムが沈黙

確認すると、他の事務所の先生方も「繋がらない」とX(旧Twitter)で呟いていた。つまり、これは自分のネット環境の問題じゃない。法務省の側に何かが起きている。焦りが一気に現実になる瞬間だった。

法務省の障害情報ページを何度も確認

いつもの障害情報ページを開くと、「ただいま、オンライン申請システムに障害が発生しております」の文字が…。ああ、やっぱり。こうなると、こちらにはもう何もできない。ただ待つしかない。

「こちらではどうにもならない」という現実

仕事をしていて一番しんどいのは、「頑張れば何とかなる」ではなく、「どうやっても無理」という状況だ。お客さんに謝っても、結局「予定は守れなかった」の一点で信用が少しずつ削られていく。

完了予定を信じている依頼人たちの存在

10時前から電話が鳴り出す。「今日、完了の予定ですよね?」「まだ連絡ないんですが…」。言い訳はしたくないけど、状況を伝えるしかない。システム障害の話をしても、相手には通じづらい。

午前中に「登記終わりましたか?」の電話

「もう終わってると思って、引渡し準備しちゃってるんですけど」そんな言葉に、内心ヒヤリとする。無理にでも「大丈夫です」とは言えない。ここは、誠実に、でも慎重に説明するしかない。

謝るしかないこの無念さ

何度も「」「こちらでも確認できず…」と伝えるたび、言葉がどんどん薄っぺらくなるような感覚になる。本当は自分が一番悔しいのに、その悔しさすら伝える場所がない。

止まった案件、積み上がるストレス

登記が完了しないことで、連鎖的に止まっていく事柄は多い。ローンの実行、売買代金の振込、鍵の引渡し…たった一つの障害で、関係者全員のスケジュールが狂っていく。

登記が完了しないと動けないことは多い

特に住宅ローン絡みの案件では、完了確認が取れないと銀行も動けない。依頼人だけでなく、不動産業者、司法書士、銀行員…みんなが焦りだす。

銀行との連携も、司法書士側の責任にされがち

「まだ登記できてないみたいですけど?」と銀行から電話が入ると、どうしても「こちらのミス」と見なされがち。でも、実際はシステムの問題。だけど、そんなの言い訳にしか聞こえないのが現実だ。

お客様には言えない「内部の混乱」

表向きは冷静に説明しているつもりでも、内心はパニック寸前。事務員も次第に無口になっていき、事務所全体が妙な緊張感に包まれる。

完了予定の予定が未定になる恐怖

「完了予定日」という目安が、こうも簡単に崩れるのかというショック。「予定は未定」だなんて軽く言える話じゃない。信頼を預かる者としての責任の重みが、ずしりと圧しかかる。

事務員にも負担と不安がのしかかる

「どうしましょうか…」「いつまで待てば…」という事務員の言葉に、答えられない自分が情けない。こういうときこそ冷静でいたいのに、余裕が消えていく。

司法書士としてできることはあるのか

トラブルに見舞われたとき、司法書士として何ができるのか? 無力感に包まれながらも、考えたのは「いかに信頼を繋ぎ止めるか」だった。

手続の遅延についてどう伝えるべきか

結局、誠実に、早めに、正直に伝えるしかない。それが一番リスクは小さい。けれど、言葉の選び方ひとつで相手の反応が変わるのも事実だ。

黙っていても後で困る、早めの説明が鍵

「障害が起きていて、完了がいつになるか未定です」と先に伝えておけば、相手も心の準備ができる。後になって「聞いてなかった」と言われる方がよほど怖い。

あらかじめ「予定は予定」と伝える難しさ

最初から「完了予定日は前後する可能性があります」と言っておけば、トラブル時のダメージは減る。でも、それを言うと「この人、大丈夫かな」と思われそうで…現場は難しい。

期待を持たせすぎない言葉選び

「大丈夫です」と安請け合いせず、「予定です」と言い続ける勇気。これが意外と難しい。つい「何とかします」と言いたくなるのが人情だから。

今回のトラブルで得た教訓

システム障害は不可抗力。でも、それを見越した動き方や、リスクの伝え方は工夫できる。今回の一件で、自分も少しだけ成長できたかもしれない。

「トラブル前提」でスケジュールを組む

完了予定日に引渡しなどが重ならないよう、1日2日の余裕を見てスケジューリングする。トラブルを「例外」にしないことが、心の安定にもつながる。

余裕を持った完了日を設定するよう心がける

たとえ余裕があっても、それを依頼人に伝えるかどうかは別問題。こっそり「安全マージン」を取ることも、実務の知恵かもしれない。

バックアップ体制と、心の余裕の準備

トラブル発生時のチェックリスト、事務員との共有メモ、想定問答集など、「今は冷静なとき」に作っておく準備が、いざという時に役立つ。

精神的な「障害対応モード」を持つ大切さ

いつ起きるかわからない障害に慌てないためにも、「起きたらこう動く」と決めておくこと。備えがあるだけで、気持ちがずいぶん違う。

最後に思うこと:僕たちは「完了できて当たり前」の世界に生きている

登記というのは、地味だけど絶対に間違えられない仕事だ。だからこそ、「完了して当然」というプレッシャーは、日常の一部になっている。

その当たり前が崩れたとき、誰がその責任を負うのか

障害が起きても、誰かのせいにするわけにはいかない。最終的には「司法書士がどう説明するか」が問われる。重たい現実だ。でも、それがこの仕事なんだ。

無力さを抱えて、それでも前を向くしかない

できない日もある。でも、できることを積み重ねていくしかない。次の完了予定日には、ちゃんと「終わりましたよ」と言えるように。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。

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