心が風邪ひいても休めない日々に思うこと — 独立司法書士の愚痴と本音と少しの優しさ

心が風邪ひいても休めない日々に思うこと — 独立司法書士の愚痴と本音と少しの優しさ

朝起きて「しんどい」と思う瞬間は、誰にでもある

布団から出たくない朝、特に理由もないのに体が重たい。熱があるわけでもないし、咳が出るわけでもない。だけど、どうしても気力が湧かない日がある。独立してからは、そんな日でも誰も代わりに仕事をしてくれないから、とにかく起きて、顔を洗って、事務所に行くしかない。こんな自営業の「あるある」に共感してくれる人がいると、少しだけ救われる気がする。

熱はないけど、動けない

例えば、インフルエンザなら診断書もらって堂々と休める。でも、心がしんどいときには何の証明も出せない。自分でも説明できないから、誰にも相談できず、ただ机に向かうだけになる。心のエネルギーって、本当に目に見えない。体は動くのに、なぜか仕事が手につかない。そんな日が、週に一度はやってくる。これは甘えなのか?と思うたび、ますます気分が沈んでいく。

「今日は行きたくない」が許されない職業

会社員時代なら、体調不良で休むという選択肢もあった。でも司法書士として独立してしまえば、自分が止まればすべてが止まる。「今日はちょっと気分が悪いので…」なんてクライアントには通じない。登記の期限も、期日も、すべてがカレンダー通りに進む。だからどんなに気持ちが落ちていても、立ち止まることはできない。こうして、自分の心を置き去りにして働く日々が続いていく。

「心の風邪」には診断書が出ない

仮に「心が風邪をひきました」と言ってみたところで、誰も真剣には聞いてくれない。熱があれば休んで当然、でも心の不調には「気のせい」「気合いでなんとかしろ」という空気がある。僕自身もそんな空気を吸いすぎて、いつの間にか他人にもそう思ってしまっていたかもしれない。だから余計に、自分の不調に気づくのが遅くなる。

鬱じゃない、でも元気でもない

診断がつくような深刻さはない。でも、確実に心が疲れてる。誰かに話せば「そんなの誰でもある」と返されそうで、言葉を飲み込む。コンビニの店員さんにさえ愛想笑いができないとき、自分で「これはまずい」と思う。だけど、それでも仕事は待ってくれない。机に座って、書類にハンコを押す。自分の感情なんて、その日一日だけ見なかったことにして。

「やる気が出ない」=サボりと見なされる社会

「今日はやる気が出ません」と正直に言って休める社会だったら、どれだけ救われるだろう。でも現実には、「やる気がない=怠け者」というラベルを貼られてしまう。だから僕たちは、やる気が出なくてもやるしかない。サボってるわけじゃない。ただ、心がエンストしてるだけなんだ。でも、それがわかってもらえることは滅多にない。

でもやらないと、誰がやるの?

独立してから一番つらいのは、「やらなきゃいけないことは全部自分がやる」ってこと。お客さんからの電話も、登記の手続きも、請求書の発行も、全部。「今日は無理だな」と思っても、僕がやらなきゃ他にやる人はいない。事務員さんに頼れる部分も限られてる。結局、自分を追い込んででもやるしかない。そんな日々が、だんだん心を削っていく。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。