モテないし暇もない。地方司法書士、45歳独身のリアル
朝から始まる孤独なルーティン
司法書士という職業柄、朝から誰かと話すという機会はあまりありません。朝8時過ぎに事務所に出勤して、まずはコーヒーを淹れ、静まり返ったオフィスでパソコンを立ち上げる。事務員の彼女が来るまでの30分間は、自分の呼吸とキーボードの音しか聞こえません。この静けさが集中にはいいんでしょうけど、孤独にも慣れすぎると逆に怖くなります。
「おはよう」と言えるのは事務員さんだけ
唯一の会話相手は、雇っている事務員さんです。彼女が「おはようございます」と言ってくれると、少しホッとする。でもそれが唯一の「会話」になる日も珍しくないのです。人との接点が限られている司法書士の仕事では、挨拶一つが貴重な交流だったりします。以前、風邪で彼女が休んだ日は、丸一日誰とも話さずに終わりました。
会話の9割が業務連絡
その事務員さんとも、実はプライベートな話はほとんどしません。大体が「この書類確認しましたか?」とか「登記完了の電話が来ました」といった連絡事項。そりゃ業務ですから当然ですけど、ちょっと雑談でもできたら…と思う日もあります。でも妙に気を使ってしまって、話しかけられないのが現実です。
たまに郵便屋さんが癒し
そんな日々の中で、ちょっとした癒しが郵便屋さんです。毎日配達してくれる彼が、「暑いですね〜」「今日も頑張ってください!」と一言くれるだけで、人間らしい気持ちを取り戻せます。いつか「いつもありがとう」と缶コーヒーでも渡そうかと思いつつ、まだ実行できていません。そこも、ちょっと寂しい自分です。
モテない司法書士に未来はあるのか問題
司法書士って、世間的には“安定職”なんて言われることもあります。でも、恋愛市場ではまったくの非モテ枠です。少なくとも私は45歳独身、彼女なし、婚活も虚無…という状態。なぜかというと、仕事の忙しさもさることながら、「司法書士」という肩書きが恋愛において魅力になることはまずないからです。
資格があっても恋愛市場では最下層
「司法書士です」と自己紹介しても、反応は「へえ〜…」で終わることがほとんど。銀行員や医師のように安定・高収入のイメージはなく、むしろ地味で何やってるかわからない職種、という印象を持たれがちです。しかも地方に住んでいると出会いの機会自体が少ない。アプリで知り合っても、場所の時点でフェードアウトされることもありました。
「先生って呼ばれても…」のむなしさ
仕事上は「先生」と呼ばれます。でも、それが恋愛において尊敬に繋がるかというと、全く別の話。むしろ「先生先生って言われて天狗なんじゃない?」と誤解されることも。実際の私はそんな器でもなく、ただ毎日地味に業務をこなしてるだけなのに。肩書きがひとり歩きして、逆に自分の素の部分が見てもらえない。そんなジレンマがあります。
マッチングアプリで本名を出せない理由
マッチングアプリに登録したこともあります。でも「本名で検索されたら仕事バレするな…」とか「依頼人に見られたら気まずいな…」とか、変なことを気にしてしまって、結局身動き取れずに退会しました。恋愛すらも自由にできない肩書きって、なんだろうな…と思った瞬間です。
「休みの日に限って依頼が来る」あるある
司法書士に「定休日」という概念はあってないようなもの。特に地方では、「急ぎで頼みたいんだけど」という一報が入れば、それが土日であろうと対応せざるを得ません。ようやく休めると思っても、朝にスマホが鳴って、その日の予定が全部崩れることもよくあります。
予定してた温泉旅行がキャンセルに
何か月も前から計画していた温泉旅行。久々に癒されるぞと思っていたのに、当日朝に「亡くなった親の相続登記をすぐお願いしたい」と連絡が。状況が状況だけに断れず、宿にキャンセルの電話を入れて車を出しました。旅行のキャンセル料よりも、精神的なダメージの方が大きかった気がします。
出かけるときに限って登記の催促
普段は音沙汰ない依頼者が、なぜか出かける直前に電話してくるんです。「あの件、もう終わりました?」とか、「今から行ってもいいですか?」とか…。何なんでしょうね、あれ。もちろん偶然なんでしょうけど、気を抜こうとすると引き戻される感覚に、なんとも言えない疲労感が積み重なります。
それでも断れない性格のつらさ
そして、最大の問題は「断れない自分」です。「今日は休みなんです」と言えればいいんですが、結局「大丈夫です、対応します」と答えてしまう。後から「何やってるんだ自分…」と自己嫌悪に陥ります。でも相手にとっては大切な局面だし…と考えると、やっぱり動いてしまうんです。優しさと責任感が、時に自分を追い込むのだと思います。