定年ってあるの?司法書士って

定年ってあるの?司法書士って

司法書士に「定年」はあるのか?そもそも誰が決めるのか

司法書士という職業に、会社員のような「定年」という明確な区切りは存在しません。だからこそ、いつまで働くのか、どこで引き際を見つけるのかが非常にあいまいになります。自営業という立場上、健康であれば70歳でも80歳でも続けることは可能ですが、問題は「いつ辞めるかを自分で決めないといけない」ということ。これがなかなか難しいのです。誰かに引導を渡されるわけでもなく、自分の判断一つ。これがしんどい。ある意味、「定年がない」というのは自由ではなく、責任の塊なんです。

そもそも“定年”の定義があいまいすぎる

そもそも「定年」って何なんでしょうね。サラリーマンなら60歳や65歳で会社を退職するという決まりがあるけれど、自営業者にはそれがない。だからといって「一生現役」なんて、そんなにかっこいいものじゃないんですよ。身体は年々きつくなるし、頭の回転も正直、鈍ってきてると感じます。なのに仕事は容赦なくやってくる。事務所を閉める勇気もなくて、ただただ惰性で続けてる感覚。これはもう、「定年」じゃなくて「脱力」ですね。

サラリーマン基準で考えると、いつまで働くのか見えなくなる

昔の同級生たちは会社員で、今では早期退職したとか、退職金でのんびりしてるって話を聞きます。でも、こっちは誰も「辞めていいよ」とは言ってくれない。日々、登記や相続の依頼は来るし、「先生がいるから助かる」と言われれば断れない。自営業の宿命とはいえ、「見えない定年」がじわじわと心を削ってきます。気づいたら、いつまで働くのか自分でもわからなくなっていて、「引き際」がまるで霧の中。

年金開始年齢と「引退タイミング」のズレ

年金は65歳から支給されるけれど、それだけで生活が成り立つわけじゃない。特に地方で一人事務所なんてやってると、年金額もたかが知れてます。だから「じゃああと少しだけ続けよう」と思ってるうちに、気づけば70代。結局、年金と引退時期のバランスが取れないから、ズルズルと仕事を続ける羽目になる。体はつらいし、ミスは怖いし…でも辞められない。これって、ほんと“missing value”ですよ。

独立開業者は「やめどき」を誰も教えてくれない

定年のない働き方って自由なようでいて、すごく不安定です。私も「いつ辞めたらいいんだろう」と思ってはみるけど、誰かが指針をくれるわけでもない。事務所の契約更新のタイミングや、体調を崩したときなんかが区切りになりそうではあるけれど、それも結局は自分次第。だからズルズル。後輩にバトンタッチなんてのも、地方じゃ簡単にできない。誰にも相談できず、ひとりで答えの出ない問題に向き合い続ける感じです。

地方の司法書士は“辞めづらさ”がすべてを縛る

都会ならまだしも、地方の司法書士には特有の“辞めにくさ”があります。人手が少ないから代わりがいない。何よりも地域の人に顔が割れてるから、突然「辞めます」なんて言ったら、えらい騒ぎになる。お客さんからの信頼がプレッシャーに変わってしまい、自分の都合だけでは身動きが取れません。これって、一見すると信頼の証みたいだけど、実際は「逃げ場を失った状態」なんですよ。

地域の「頼られキャラ」が仇になる

「先生にしか頼めないんです」とか「◯◯さんの紹介で来ました」って言われると、断るに断れない。それが何年も続くと、「この人が引退したらどうなるんだろう」って自分で自分にプレッシャーかけてしまうんです。頼られるのは嬉しいけど、気づけばそれが重荷になってる。結局、「辞める」という選択肢がどんどん遠のいていくんですよね。これって“好かれてるようで縛られてる”状態かもしれません。

同業者が少ないから引き継ぎ先も見つからない

後継者がいればまだ救いがあります。でも、この業界、若手が少ない。地方ではなおさらです。仕事を引き継いでもらおうにも、そもそも引き継ぐ人がいない。結局、自分で始めた事務所を自分で畳むしかないわけです。それがなかなか決断できない。「せめて誰かに託したい」という想いはあっても、現実はそう甘くない。この“次がいない問題”は、司法書士業界全体の深刻なmissing valueじゃないかと思ってます。

「元気ならまだまだ」の圧力がプレッシャーになる

地域の人たちは優しいけど、「先生、まだまだ若いですよ」「元気そうで安心しました」と言ってくる。ありがたいけど、それがプレッシャーになる。年齢的にはもう引退してもおかしくないのに、「元気に見える」ことが理由で働き続けなきゃいけない空気。心はもうだいぶ擦り切れてるのに、「表面の元気」で判断されるのは正直きつい。だから余計に「辞める」と言い出しづらいんです。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。