もう少し楽にできたらな

もう少し楽にできたらな

朝のルーティンすらこなすのがしんどい日

朝起きるたび、「今日も仕事か…」とため息が出る。司法書士として独立して何年も経つが、毎朝この憂鬱さは変わらない。朝食をとり、新聞に目を通す余裕なんてない。目覚ましを止めた手をそのまま布団の中に戻したくなる日も多い。ルーティンがあるだけマシと思おうとしても、それをこなす気力が枯れている時にはどうしようもない。誰にも甘えられない一人事務所、頼れるのは自分だけ。そんな朝の繰り返しに、少しだけ楽になれたら…と心の中でぼやく。

なぜか疲れが取れないままの朝

眠ったはずなのに、起きた瞬間から重たい体。心なしか肩も腰もだるい。これといって夜更かししたわけでもなく、酒を飲みすぎたわけでもない。ただ、慢性的な疲労が積み重なっている感じだ。週に一度はマッサージにも行っているが、根本的な解決にはならない。ストレスと緊張が常に張りつめているこの仕事、休んでいても頭は何かを気にしているのかもしれない。

目覚ましを止めてからの二度寝が日常に

最近は特に、目覚ましを止めてからまた布団に沈みこむ癖がついてしまった。5分だけ…のつもりが、気づけば30分。バタバタと支度して、焦りながら家を出る。余裕のない朝は、ミスの多い一日になる確率が高い。時間に追われて始まる日々。もう少し楽に、スムーズに起きられたらいいのに。寝具を変えてみたり、朝の音楽を変えてみたりと工夫はしているが、根本的なモチベーションがわいてこない。

「今日もやるのか…」から始まる毎日

目を開けた瞬間に思うのは「今日もまた仕事か」ということ。希望や目標よりも、まず先に義務感がやってくる。かつては「やってやるぞ」と思っていたこの仕事も、今では「今日も無難にやり過ごせますように」と願う対象になってしまった。やりがいがないわけではない。でも、日々の疲れと責任が積もり積もって、気持ちがどこかへ置き去りになっているのだ。

事務作業の山、終わりの見えないループ

登記や相続の書類を1件処理しても、次から次へとやってくる依頼。デジタル化が叫ばれて久しいが、実際の現場は紙の山。書類チェックに印鑑押印、郵送準備。全部が時間を食う。うちは事務員が一人いるだけだが、それでも全体の業務量にはまったく追いつかない。最近では、「このままじゃ身体がもたないな」と思うこともしばしば。誰かに頼りたい、でも人を増やす余裕もない。そんな堂々巡りの毎日だ。

紙と向き合うだけで消耗する心

特にしんどいのは、何も考えずに延々とチェックし続ける作業。パッと見では何の意味もないような行為だけれど、間違いがあったら取り返しがつかない。だから慎重に、でも効率よく…そんなバランスを保ちながら作業するのが本当に難しい。集中力も気力もどんどん削られていく。夕方になると「今日も終わらなかった」と机の上の山を見て溜息をつく。

デジタル化?それは理想の世界の話

最近は「電子申請で効率化を」と言われるけれど、正直、現実はそこまで追いついていない。法務局とのやり取りや、クライアントの要望はまだまだ紙文化のまま。IT導入の勉強をする時間もなく、慣れない操作でかえって時間がかかる。新しいツールを使いこなすにはパワーがいる。そのパワーが、もう残っていない気がして、つい先延ばしにしてしまう。

補正通知のミス探しで胃が痛くなる

補正通知が来た時のあの嫌な感覚。どこでミスったのか、何度も何度も書類を見返す。時には、まったく記憶にないような記載ミスもある。疲れていたのだろうか、見落としだろうか。とにかく、こういう細かい指摘を受けるたびに、自分の存在が否定されたような気がして落ち込む。胃がキリキリする瞬間だ。

人とのやりとりが一番疲れる

書類よりなによりしんどいのは人とのやりとりだ。お客様対応は神経をすり減らす。特に、高齢者の方とのやり取りや、感情的になっている相続人間の調整などは、法律知識よりもメンタルのタフさが問われる。こっちは感情を抑えて話しているつもりでも、相手の一言で気持ちがズタズタになることもある。

お客様対応に感情の消耗が激しい

例えば「言ったはずなのに…」と責められたり、「前と話が違う」と言われたり。ミスがこちら側でなくても、矢面に立つのはこっち。説明しても理解してもらえなかった時の、無力感と言ったらない。一生懸命やっているのに、届かない。そんな瞬間が重なると、「もう少し楽に伝わればな」と心から思ってしまう。

「聞いてなかった」と言われた時の絶望

これは司法書士あるあるかもしれないが、一度説明した内容でも「そんなの聞いてない」と言われることが多々ある。そのたびに、丁寧に、冷静に、再度説明し直す。でも心の中では「もういい加減にしてくれ…」と思っている自分がいる。言い返したら負けだと分かっているから、ぐっと堪える。心を殺す技術ばかり上達していく。

もう少し楽にできたら…の本音

誰かが代わってくれるわけでもなく、誰かに泣きつくわけでもない。そんな毎日を送っていると、ふとした瞬間に「もう少し楽にできたらな」と呟いてしまう。それは手抜きしたいという意味ではなくて、心と体を守るための「逃げ場」がほしいという願いだ。

毎日つぶやく「なんで俺ばっかり」

トラブルが重なると、決まってこの言葉が頭に浮かぶ。「なんで俺ばっかり、こんな思いしなきゃいけないんだろう」。でも、口に出すことはほとんどない。言ったところで状況が変わるわけでもないし、聞いてくれる人もいないからだ。ただ一人、静かな事務所でパソコンに向かうその時間が、孤独と向き合う時間にもなっている。

でもやっぱり今日も仕事場に向かう

それでも、朝はやってくる。なんだかんだで着替えて、事務所に向かう。たまには誰かに愚痴をこぼして、少し笑って、「明日も頑張ろう」と思えたらいい。楽にする方法が見つからない今は、とにかく一歩ずつ進むしかないのかもしれない。そう思いながら、今日もまた、業務開始のパソコンの電源を入れる。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。