ふと湧いてくる「このままでいいのか」という疑問
忙しい日々に身を任せていると、ふとした瞬間に「いつまでこの仕事を続けられるんだろう」と考えることがある。そんな思いがよぎるのは、たいてい疲れ切った夕方や、寝る前に天井を見上げているときだ。司法書士という職業は、手に職があって安定しているように見られるけれど、現実はプレッシャーも責任も大きい。気力体力は年々削られていく。45歳。若手ではないがベテランとも言い切れない中途半端な立場で、これから先の自分をどう支えていくべきか、時々真剣に悩む。
忙しさに追われて考える余裕もない日々
毎日、朝から晩まで予定が詰まっている。依頼者とのやり取り、書類作成、役所との調整…。ひとつ終わったと思えば、また次の案件が待っている。日々をこなすことに必死で、「これからどう生きていきたいか」を考える時間なんてどこにもない。だからこそ、ふと空いた時間に襲ってくる不安は余計に大きい。将来の展望なんて見えないまま、ただ目の前の仕事をこなしていく日々。これは果たして“続けたい”と思ってやっていることなのか、それとも“やらざるを得ない”からやっているのか、自分でもわからなくなる。
朝起きてから寝るまでがルーティン
最近は、曜日の感覚がなくなることが増えた。平日も土日も関係なく、やるべきことがある限り、同じような1日を繰り返す。朝は決まった時間に起きて、決まったように朝食をとり、決まった道を通って事務所へ行く。帰宅も遅くなりがちで、気づけば「今日は何をしたっけ?」という日もある。そんなふうに、気づかぬうちに心がすり減っている。たまにスマホのカレンダーを開いて、自分が今どこにいるのかを確認してしまう。生活しているのに、生きていないような気持ちになる。
「いつ辞めてもおかしくないな」と思う瞬間
仕事中、ふと「もう無理かもしれない」と思う瞬間がある。特にクレーム対応や、思いがけないミスの後処理をしているとき、「これがずっと続くなら、もう辞めたい」とつぶやいてしまうこともある。もちろん本当に辞められるわけじゃないし、辞めたあとの自分を想像する余裕もない。でも、そう思う自分を否定はできない。きっと多くの司法書士が同じような思いを抱えているんじゃないだろうか。表では堂々としていても、内心はギリギリで立っている人は少なくないはずだ。
やりがいと疲労のあいだで揺れる感情
司法書士の仕事は、確かに人の人生に関わることが多く、やりがいもある。登記が無事に終わったときや、依頼者の不安を取り除けたときは、それなりに達成感もある。でも、それと同じくらい、いやそれ以上に、しんどさや虚しさを感じる日もある。人のためになる喜びと、自分が擦り減っていく現実。その両方を引き受けながら仕事をしていると、自分の心がどんどん曇っていくのがわかる。「このバランスで、本当にこれからもやっていけるのか」そんな不安が、いつも頭の片隅にある。
ありがとうの一言に救われることもある
先日、ある依頼者から「ほんとうに助かりました」と深く頭を下げられたことがあった。その瞬間、それまでの疲れが一瞬だけふっと軽くなった気がした。何も特別なことをしたわけじゃない。普通に手続きをしただけ。でも、その人にとっては大きな助けになったらしい。こういう瞬間があると、「まだこの仕事を続けてもいいのかもしれない」と思える。ほんの一言。それだけで、救われることもある。ただし、それを当てにしてはいけないとわかっている自分もいる。
でも、その一言がなかった日はどうする?
一方で、「ありがとう」も「おつかれさま」も言われずに終わる日もある。むしろ、そういう日が大半かもしれない。書類を渡して、印鑑を押してもらって、それで終了。表情も言葉も淡々としている依頼者に対して、「俺は何をやってるんだろう」と思う日もある。やりがいは人に与えてもらうものじゃない、自分で見つけるものだ、と言い聞かせるけれど、それも限界がある。気持ちが枯れているときには、どんな言葉も届かない。そんな日は、帰り道の足取りがいつもより重く感じる。
体力的・精神的な限界との付き合い方
45歳という年齢になると、さすがに無理が効かなくなってきたことを実感する。昔は夜中まで書類を見直しても平気だったのに、今は集中力が続かない。目も肩も腰もあちこち悲鳴を上げている。精神的にも、一つひとつの案件を抱えるたびに、以前よりずっと深く考え込んでしまう。これから先も、この状態で仕事を続けていけるのか、不安になることは多い。でも、誰にもそれを相談できないまま、自分の中でやり過ごしている。
45歳、そろそろ無理が効かなくなってきた
以前は、週末も仕事を入れたり、急な相談にも気力で対応できていた。でも最近は、午前中に一つ予定が入るだけで、午後にはぐったりしている。目はすぐに疲れるし、腰は椅子に長く座るだけで痛む。加えて、集中力の波が激しくて、気がつくとぼーっとしていることがある。「これ、ミスに繋がるな」と自分でも怖くなるくらい。体調管理が仕事の質に直結する年齢に差し掛かっている。無理をして倒れたら、代わりはいない。それがまたプレッシャーになる。
目も肩も腰も、全部ガタが来てる
週末になると、目がショボショボして文字が読めなくなる。肩こりは湿布とマッサージでなんとかしのいでいるけれど、根本的な解決にはならない。腰は数年前にギックリ腰をやって以来、ずっと違和感がある。何かひとつでも壊れたら、仕事に支障が出る。それがわかっているから、だましだまし働いている。でも、そんな生活がいつまで続くのか…。いつかガタッとくるんじゃないかという恐怖を、毎日ごまかしながら仕事をしている。
若い頃のようにはいかない自分に焦る
20代、30代の頃は、「自分はまだまだやれる」と思っていた。でも、今はちょっと無理をしただけで翌日に響く。そのたびに、「ああ、もう若くないんだな」と実感する。自分では頑張っているつもりでも、周囲のスピードについていけていない気がして焦ることもある。同業の若い司法書士たちがSNSで発信しているのを見ると、どこか遠い世界のように感じる。自分もかつては、ああいう熱量を持っていたのかもしれない。でも今は、燃え尽きたロウソクのように、ただ小さく灯りを残しているだけだ。