ゆるく、しんどく、やってます

ゆるく、しんどく、やってます

がむしゃらじゃない日々、それでも仕事は続いていく

司法書士という仕事を始めたころは、もっとガツガツしてた気がします。必死で食らいついて、誰よりも早く、正確に、丁寧にと心がけて、がむしゃらに頑張っていました。でも、今はちょっと違います。がむしゃらに走り続けることに疲れて、少しペースを落とすようになりました。そうしたら、なんとなく仕事が“続いてる”ことに気づいたんです。派手さはないけど、目立たなくても、しんどくても、続いてるってそれだけで十分だと思うようになりました。

「やる気」がないわけじゃないけど湧かない

毎朝、「よし今日もやるぞ!」って気持ちで起きられたらどれだけ楽なんだろうと思います。でも実際は、そんな日は年に数えるほど。ほとんどは、「あー…もう朝か…」という感じで、気持ちを引きずりながら起きています。やる気がないわけじゃないんです。でも、テンションが上がることもなく、淡々と服を着て、なんとなく事務所へ向かう。そんな日のほうが圧倒的に多いんですよね。

目覚ましを止めてからの10分が長すぎる

スマホのアラームを止めて、もう一度布団に顔をうずめる。そこで「あと10分だけ」と思っていると、気がついたら20分、30分…。ギリギリに飛び起きてバタバタ準備する朝が続くと、自己嫌悪も相まってしんどさが倍増します。でも、起きたくないんです。仕事が嫌なんじゃない、でも、あの“戦闘モード”に入るのがしんどいんですよ。

起き上がる前に「今日もしんどいなぁ」と呟く

ベッドの中でつい呟いてしまうんです。「今日もしんどいなぁ」って。声に出すと少しだけ気持ちが軽くなるから不思議です。頑張らなきゃと思いながらも、まず「しんどい」を認めることが、自分なりのスタートになっています。ゆるくても、始めることには変わりないんですよ。

出勤はしてるけど、エンジンがかかるのは昼過ぎ

事務所に着いて、パソコンを立ち上げて、書類の山を見つめる。時計は9時だけど、心の中のエンジンがかかるのは、だいたい昼ごはんを食べた後です。それまでは、机の前にいる“ふり”だけしてるような時間もあります。でも、それでもいいかと思うようになりました。無理にトップギアで走り出すより、じわっと温めるような感じで一日を始めるほうが、今の自分には合っている気がするんです。

事務所という名の避難場所

人と関わるのが得意じゃない僕にとって、事務所はひとつの避難所です。仕事に集中してるふりをして、自分を保ってるような感じです。外に出ると他人と比べられたり、勝手に期待されたりして苦しくなる。事務所の中だけは、自分のペースでいられる唯一の場所かもしれません。

誰にも期待されていない気がするとき

特に何も言われてないのに、「自分は必要とされてないかも」と感じることがあります。依頼人が少ない月や、紹介が途切れた時期なんかは特にそう。でも、そう感じてしまうこと自体が、自分で自分にプレッシャーをかけてる証拠なんですよね。本当は、誰かの期待に応えるためにやってるわけじゃない。自分が続けていきたいからやってるんだって、最近ようやく思えるようになってきました。

事務員の声だけが現実とのつながり

「○○さんから電話がありましたよ」「この書類どうしますか?」——事務員のそんな一言が、日々の現実を引き戻してくれます。ひとり事務所なら、たぶんもっと引きこもってたかもしれない。でも、誰かがいて、声をかけてくれる。それだけで、自分はここにいてもいいのかもって思えるから不思議です。

無理をしない。でもしんどい。

「無理をしないようにしよう」と決めたのに、気づくとどこかで頑張ってる。仕事を休むことはないけれど、いつもフルスロットルでもない。そんな“中途半端な頑張り”が続くと、自分でも何が正解かわからなくなってきます。でも、それでもいいんだと思うようになってきました。しんどさと一緒に、ゆるくやる。それが今の自分のスタイルです。

「頑張らない」ことに罪悪感を抱く

誰かがすごい成果を出してるのを見ると、「ああ、自分はサボってるのかも」と思ってしまうことがあります。でも、実際は休むことだって仕事のうちなんですよね。そう頭ではわかってるのに、なかなか心がついてこない。周りと比べないようにしていても、比べてしまう。それが人間なんだと、最近ようやく受け入れ始めています。

周りと比べてしまう自分が嫌になる

同年代の同業者がテレビに出てたり、本を出していたりすると、正直ちょっと凹みます。「自分もあそこまでいけたんじゃないか?」なんて妄想する日もある。でも、そういう時に限って、近所のおじいちゃんに「この前はありがとう」と言われたりする。自分の場所はここなんだなって、そんな風に思い直せることもあるんです。

「もっとやれるはず」と言う声が頭の中に住んでいる

ふとした瞬間に、「もっと頑張ればもっとできるのに」って声が聞こえてきます。高校時代の先生かもしれないし、親かもしれない。でもたぶん、それは自分自身の声なんですよね。そんな声に引っ張られながら、でも今はゆるく生きたい。理想と現実の間で揺れながら、今日も仕事をしてます。

ときどき誰かに頼ってみたい気持ち

「この書類、誰か代わりにやってくれないかな」って思うこともあります。でも、それを言える相手がいないし、言える性格でもない。だから、頼るって難しい。でも、頼るって弱さじゃなくて技術なのかもしれない。そう思えるようになったら、もう少し楽になれるかもしれないですね。

ゆるくやると決めたからこそ見えてくること

一歩引いて仕事を見るようになると、いろんなことが見えてきました。「これは急がなくてもいい」「これは誰かに相談してもいい」と、判断できるようになってきた。ゆるさの中には、経験からくる余裕もあるんですよね。若い頃にはなかった感覚です。

一歩引いて見る仕事の景色

現場から少し離れて、全体を俯瞰できるようになると、無駄な動きが減っていきます。慌てずに、落ち着いて、丁寧に。今まではとにかく目の前の書類を処理することだけに集中してたけど、今は「この仕事、誰のために、何のためにやってるんだっけ?」と考えるようになりました。

「ほどほど」が続けるコツなのかもしれない

頑張りすぎない、でもサボりすぎない。「まあまあ」でやっていくことが、結果的に長く続けるコツなのかもしれません。真面目にやるけど、真剣になりすぎない。今はそんなバランスを目指して、日々の仕事に向き合っています。

肩の力を抜いたら、少しだけ優しくなれた

以前の僕は、常に何かに追われていて、余裕がありませんでした。人の言葉にイライラしたり、依頼人の態度にムッとしたり。でも、今は少し違います。ゆるく仕事をしていると、自然と周りにも優しくなれて、余計な摩擦が減ってきました。結果的に、こっちの方がいろいろうまくいってる気がします。

依頼人の言葉が、まっすぐ胸に響くようになる

「本当に助かりました」——何気ない一言でも、今の僕には沁みます。昔は「次の仕事の準備しなきゃ」と思って流してた言葉も、今は立ち止まってちゃんと受け取れるようになった。余裕ができたからこそ、感謝の気持ちも、喜びも、ちゃんと味わえるようになったんだと思います。

「しんどいけど、生きてる」って感じる日もある

気持ちが晴れない日もある。全部投げ出したくなる日もある。でも、「それでも仕事してるし、ご飯も食べてるし、今日もちゃんと眠れる」。そう思えるだけで、なんだか安心するんです。しんどいけど、生きてる。ゆるくてもしんどくても、それが自分のペースなら、それでいいんじゃないかと思ってます。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。