仕事に追われる毎日、「いつ休んだっけ?」と振り返る瞬間
司法書士として独立してからというもの、気づけば休みという概念がどこかに消えていた。カレンダーを見れば「赤い日」は存在しているのに、自分のスケジュール帳にはそんな日付が空白になることはない。朝起きてすぐ、机に向かい、メールを確認し、電話対応、書類の作成、役所への提出…。そんなルーチンの中で「休みって、いつだったっけ?」と我に返ることがある。特別大きな出来事があったわけではない。ただ、静かに、しかし確実に、自分の時間が削られていくのだ。
たった一人の事務所で、止まらない案件の波
事務所には事務員さんが一人いてくれて、本当に助かっている。でも、結局のところ責任のすべては自分に返ってくる。彼女が休んだ日なんて、電話と来客だけで一日が終わってしまう。書類に目を通す余裕もなく、締切のプレッシャーだけが積み重なっていく。外から見れば「士業の先生」で、立派に見えるのかもしれないけど、実際は綱渡りみたいな日々だ。
電話対応も来客も、全部ひとりでやる日々
先日は、朝からずっと電話が鳴りっぱなしだった。やっと書類に着手できたと思ったら、今度は突然の来客。近所の不動産業者さんが「ちょっと見てほしいんですけど」と持ってきた書類を前に、頭の中は「今じゃない…」と悲鳴をあげていた。けれど、顔には出せない。やるしかない。そんな毎日だ。
「ちょっとした用事」さえ大ごとに感じる現実
例えばコンビニに行くとか、役所に書類を出すとか、本来なら10分もあれば済むようなことが、妙にしんどく感じる。気を抜いたら、何もかもが崩れてしまいそうな気がしてしまうから。誰かに「自分のペースで大丈夫」と言われたい。でも、そんな声はどこからも聞こえてこない。
同業者との会話も、どこかよそよそしくなる
久しぶりに地元の会合に顔を出したときのこと。同業者が集まって、最近の業務の話や近況報告をする。だけど、そこで感じるのは妙な空気。みんな口では「大変だよね」と言いながらも、内心では競い合ってるような感じがして、正直しんどい。心の底から「わかるよ」と言える相手が見つからない。
「順調ですか?」が刺さるときがある
「最近どう?順調?」その何気ない一言が、心にグサッとくる。別に悪気があるわけじゃないのはわかってる。でも、順調じゃない自分を認めたくなくて、思わず笑ってごまかしてしまう。そんな自分もまた嫌になる。
ライバル視か、孤立か、どちらも寂しい
こっちは仲間と思って話しているのに、相手からは一歩引かれている気がする。逆に、自分が勝手に壁を作ってしまっているのかもしれないけど。結局、どっちにしても孤独感だけが残る。愚痴も弱音も言えない空気の中では、どんなに頑張っても虚しくなる。
「自分のペースでいい」とは真逆の世界
司法書士の仕事はスピードが命だ。依頼者の期待、締切、外部の調整…全部が「早く、確実に」を求めてくる。「ゆっくりでもいいですよ」なんて、言われた記憶がない。それなのに、気づけば自分にもそれを課している。誰も責めていないのに、自分で自分を追い詰めている。
期限とプレッシャーがすべてを支配する
登記期限が近いときのあの圧迫感。メールの通知一つでドキッとする。完璧を求められるのはわかってる。でも、ミスを恐れるあまり、夜中まで確認作業をしてしまうこともある。ふと時計を見て「何してるんだろう」と虚しくなる。
急ぎの登記と、催促の電話が心を削る
「まだですか?」という一本の電話に、心がズキッとする。こっちは必死にやってるのに、伝わらない。責任感はある。でも、キャパには限界がある。そんなとき、思わず机に突っ伏してしまう。
誰も見ていないけど、勝手に焦る性分
他人が見ていなくても、自分が勝手に焦ってしまう。完璧にやらなきゃ、ちゃんとしてなきゃって思い込んでる。誰かに「がんばらなくてもいい」と言われたら、少しは楽になるのかもしれない。
未来に希望があるとしたら、それは誰かの「共感」かもしれない
こんなふうに愚痴ばかり並べてるけど、少しだけ救われる瞬間がある。それは、誰かが「わかるよ」と言ってくれたとき。他の司法書士さんや、頑張っている人が「私も同じです」と共感してくれると、それだけで少し気が楽になる。完璧じゃなくていい。がんばらなくても、誰かがわかってくれる。それが、もう少しだけ続けてみようかなと思える理由になる。
この愚痴が誰かの救いになるなら、もう少し頑張ってみてもいい
もしかしたら、今この文章を読んでくれている人も、どこかで限界を感じているかもしれない。そんなあなたに、ちょっとでも「同じだ」と思ってもらえたら嬉しい。がんばることが偉いわけじゃない。がんばらない日があっても、あなたはちゃんとしてる。
がんばらなくても、あなたはちゃんとしてる
結果を出すこと、褒められること、認められること。それが全部じゃない。自分のことを少し大事にして、呼吸を整えて、また少しずつ歩いていけばいい。何者かにならなくても、あなたはあなたのままで十分だ。
だから今日は、もう寝てしまっていい
眠れない夜、ため息が漏れる夜、そんな日もある。そんな夜は、誰かの「大丈夫」が必要だと思う。だから、今この瞬間だけでも、「がんばらなくていいよ」って言わせてください。明日のことは、明日考えればいい。今日は、もう寝てしまっていい。