時間差地獄同時多発依頼人

時間差地獄同時多発依頼人

まさかの3人目到着で完全に詰んだ

そして極めつけは3人目の依頼人。11時の予約だったのに、10時45分に到着。「ちょっと早く着いちゃって」とニコニコしてるが、こっちはすでに笑顔が引きつっていた。応接室は一つ、玄関はもう満員、書類は頭から飛んでる。まるで電車に乗れない満員ホームみたいな状態だった。静かに崩壊していく自分のスケジュール。それでも「お待ちくださいね」としか言えない自分がつらい。

「すみません ちょっと早く着いちゃって」またかよ

さっきの依頼人と同じセリフ。でも、こちらの体力は既に限界。早く着いた方が偉いみたいな雰囲気、ない?こっちは心の中で「お願いだから時間通りに…」と叫んでた。どんなに準備していても、早く来られると流れが壊れる。誰も悪くない、でも誰も助けてくれない。そんな気持ちで頭の中はグルグルしてた。

待たせるしかないけどどこで誰をどう処理すればいいのか

誰をどこに座らせるか、誰から先に話を聞くか、それをどう穏便に説明するか…。その瞬間、自分は「司法書士」じゃなくて、まるで居酒屋のバイトリーダーだった。空いてる席もない、スタッフもいない、料理(書類)も出てない。しかもクレームが出たら終わり。プレッシャーはMAX。

事務所の椅子が足りない 珈琲も足りない

まさか椅子が足りなくなるとは…。待ってもらうのも申し訳ないのに、座る場所もないという惨状。事務員さんが小声で「もうインスタントしかないです」と教えてくれて、心の中で膝から崩れ落ちた。いやもう、そこまで完璧にいかなくていいから、せめて椅子だけでもあってくれ。

焦れば焦るほど頭が回らない司法書士

冷静なつもりでも、焦ってるときの自分はまるで別人。思考がまとまらず、書類を開いても目が泳ぐ。しかも依頼人の話を聞きながら、別件の内容が混ざってくる。これはもう完全に事故寸前。こういうとき、ベテラン司法書士ならどうするんだろう。自分の未熟さが身に染みた。

「落ち着け」と言い聞かせてる時点でもうダメ

「落ち着け、落ち着け」って唱えてる時点で、もう落ち着いてない証拠。心拍数が上がって、口が乾く。普段なら5分で終わる確認が、10分かかる。「この人、こんなに説明長かったっけ?」と自問自答しながら、汗が止まらなかった。自己嫌悪の渦に飲み込まれつつ、それでも笑顔をつくってた自分が情けなかった。

名前と内容が一致しなくなる地獄

気をつけているつもりでも、頭が混乱してくると「Aさんが…いや、Bさんか?」となる。資料を出し間違えたときには冷や汗が止まらなかった。すぐ気づいて謝ったけど、依頼人の目が一瞬固まったのが忘れられない。信頼ってこうして簡単に崩れる。まさに信頼貯金が一気にゼロになる瞬間だった。

登記内容の説明中に別件が頭をよぎる恐怖

説明している途中で、さっきの案件のことが頭にちらつく。「あれ、ちゃんと伝えたっけ?」「印鑑もらったよな?」と、脳内で別のチェックリストが動き出す。そのせいで今話してる内容が抜け落ちて、話が前後する。最悪だ。ちゃんと聞いてくれてる依頼人に申し訳なくてたまらなかった。

事務員さんの冷静さに救われた瞬間

その混乱の中でも、事務員さんは冷静だった。「順番にお通ししますね」と、自然な対応で場を回してくれていた。こっちは頭が爆発しそうなのに、彼女の落ち着きが唯一の救いだった。やっぱり現場は「人」で回ってるんだと痛感した。ありがたい。ほんとに。

依頼人たちが帰ったあとの虚脱感と自己嫌悪

全員が帰った後、椅子にへたり込んだ。「今日はダメだったな」と声に出したら、事務員さんが「まあ、たまにはこういう日もありますよ」と優しく言ってくれた。そう言ってくれるだけで救われたけど、内心では情けなさと悔しさでいっぱいだった。司法書士としての自分、もうちょっとなんとかならないのかと。

スケジュール管理はしてたはずなのに

予定表にはズレがなかった。でも人の行動は予定通りにはいかない。それが現実。それを見越して「余白」を入れておかないと、自分みたいな失敗をする。今回の経験で、30分刻みじゃなくて、1時間に1件のつもりで組むくらいの余裕が必要だと痛感した。

同業者ならわかってくれるこのドタバタ

この記事を読んで「うちもそうだよ」と思ってもらえたら救われる。みんな表では冷静そうでも、裏ではバタバタしてるんじゃないか?そう思えるだけで少し楽になる。司法書士って、孤独な職業だからこそ、こういう共有が大事なんじゃないかと最近思っている。

少しでも乗り越えるための小さな工夫

今回の反省を活かして、まずは予約の「バッファ時間」をしっかり取ることにした。15分のズレでパニックになるなら、30分余裕を持てばいい。あと、事務員さんとの事前共有をもっと丁寧にする。自分一人じゃ乗り切れないことが増えている。年齢的にも、もう無理は利かないから、チームでやるという意識を大切にしたい。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。