今日のしんどさレベルは九五

今日のしんどさレベルは九五

朝起きた瞬間からもう無理だった

今朝は目が覚めた瞬間、「あ、今日は無理だ」と感じた。体が重いとか、眠いとか、そういう単純な話ではない。もっとこう、心がどこかに落ちていくような感覚。まるで砂袋を背負って布団から出るような、そんな感覚だった。こんな日は仕事の段取りを考えるのも億劫で、冷蔵庫を開けてコーヒー牛乳の残量を確認するだけで、もうひと仕事終えた気になる。

枕元のスマホ通知にうんざり

起きて最初に目に入るのがスマホの通知。LINEが5件、メールが20通、Googleカレンダーからのリマインドが2件。これを見るだけで、呼吸が浅くなる。まだ布団の中なのに、もう一日が始まってしまっているような気分になるのだ。昔、野球部の頃は朝練が嫌だったが、今はそれ以上にこの通知が嫌いだ。起床=戦闘開始、そんな感覚が染みついてしまっている。

未読LINEと未処理案件のダブルパンチ

通知の中でも一番嫌なのが、知り合いからのLINEと、クライアントからの催促メールが両方並んでいるとき。これを「ダブルパンチ」と呼んでいる。どちらもすぐに返信すべきだが、朝の頭では整理できない。つい無視して時間を置くと、返事が遅いと怒られる。放置する罪悪感と、返さなければならない義務感が頭の中で喧嘩して、何もできなくなる。

夢の中くらい休ませてくれという気持ち

最近では夢の中でさえ、仕事の電話を取っていることがある。寝ても覚めても逃げ場がない。夢の中くらい自由でいたいのに、いつのまにか責任感が脳みそを侵食してきている。司法書士として独立したことを後悔はしていないが、ここまでプライベートが浸食されるとは思っていなかった。誰にも文句を言われない代わりに、誰も助けてくれない。そんな朝が今日も始まった。

事務所に着いても気が晴れない

いつも通り車を走らせて事務所へ向かう。FMラジオの陽気なトークが今日は耳に痛い。事務所に到着しても、特にホッとするわけでもない。むしろ「またこの空間か」と思ってしまう自分がいる。開業当初はこの小さなスペースが自分の城のように思えたのに、今はちょっとした牢屋のようにも感じる。

事務員さんとの会話も最小限に

一人雇っている事務員さんには、本当に助けられている。真面目で、細かい作業も黙々とこなしてくれる。ただ、今日はどうにも調子が悪く、声をかけられても返事が曖昧になってしまった。「お疲れ様です」の声すら、どこか遠くから響いてくるように感じる。悪気があるわけではないのに、コミュニケーションのひとつひとつが億劫でたまらない。

優しさよりも業務効率が優先される朝

本来であれば「今日もよろしく」と声をかけて、ちょっとした雑談でも交わせれば良い。だが、そんな余裕は今朝の自分にはなかった。この仕事、業務が詰まってくると人間性がどんどん削られていく気がする。優しくありたいのに、それが邪魔になる時もある。効率、納期、法的リスク。それらが先に立ちすぎて、気づけば人とのつながりが薄くなる。

「おはようございます」が言いにくい日

「おはようございます」と口に出すだけのエネルギーが足りない日がある。人として終わってるのかもしれないと思いつつも、声が出ない。昔の上司は「挨拶は礼儀の基本」と言っていたが、今の自分にはその基本すらままならない。そんな日に限って、クライアントとの面談が詰まっているから困ったものだ。

誰かに頼れたらどんなに楽だろう

司法書士という仕事は、ある程度独立していないと成り立たない。自分で考え、自分で決断し、自分で責任を取る。それができて当たり前だと思っていたけど、そんなのを毎日繰り返してたらそりゃ疲れるに決まってる。今日は特に、「誰かに代わってくれ」と心底思った日だった。

「助けて」が言えない司法書士の現実

「しんどいです」「無理かもしれません」と素直に言えたらどれほど楽か。でも司法書士っていう肩書きが、それを許してくれないような気がしてる。依頼者にとっては頼れる存在でありたい。だからこそ、弱音を吐くことが裏切りのようにも思えてしまう。そんな矛盾と戦いながら、今日も一人で書類を積み上げている。

甘えと責任の境目がわからない

時には「もう少し事務員さんに任せてもいいのかも」と思うけど、つい「これは自分でやらないと」と気負ってしまう。過去に任せたことでトラブルになった経験が尾を引いているのもある。自分が楽をしたいのか、責任を果たそうとしているのか、もうわからなくなる時がある。結果として、疲れ果てているのに休むこともできない。

独立の自由と孤独はセットでやってくる

「自分のペースで働けていいですね」と言われることがあるけど、自由には代償がある。何かあったときに、誰も責任を引き受けてくれない。何もなければ静かな日々。でも、静かすぎるのもまた孤独。今日みたいにしんどい日は、「この道を選んだのは間違いだったのかも」と思ってしまう。でも、それでも明日もまた、同じ場所で机に向かうのだと思う。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。