ふと感じる「取り残されている感覚」
朝、いつも通り事務所に向かい、登記申請の書類を机に並べる。変わらない毎日。ふとSNSを開くと、同級生が家族旅行に行ったり、子どもの入学式の写真を投稿していたりする。自分は?相変わらずひとり、相変わらず忙しいだけで、変化がない。そんな瞬間、「あれ、自分だけ時間が止まってるんじゃないか」と思う。地方で司法書士をやってると、外の流れを感じにくい分、この感覚がより濃くなるのだ。
周囲は変わっていくのに、自分だけ変われない
若いころは、なんだかんだで皆似たような生活をしていた気がする。でも40を過ぎると、人生の「差」が目に見えてくる。家庭、収入、趣味、人生の余裕…みんなそれぞれのステージに進んでいって、自分だけ取り残されたような気分になる。
同級生のSNS投稿に感じる焦り
ある日、昔の友人が「息子とバイクいじりしてた」と楽しそうな投稿をしていた。それを見て、ふとスマホを置いた。自分には、そういう相手も子どももいない。いや、それどころか、土曜も日曜も登記や相続相談の対応で詰まっている。「俺、何やってるんだろうな…」と思ってしまうことがある。
「まだそこにいるの?」と心の声が聞こえる
人生に「正解」はないとは思うけど、同じ場所をぐるぐるしてるような気がしてしまうときがある。「あの人はあそこまで行った」「この人は次の道に進んでる」…そんな比較ばかりしてしまって、「まだ俺はここにいるの?」と自分で自分にツッコミたくなる。
仕事は忙しいけど、何かが進んでない
登記業務、相続書類、遺言の立会い…毎日やることは山のようにある。でも、なぜか「達成感」が薄い。目の前の業務に追われているうちに、自分の人生そのものが止まっているような錯覚に陥るのだ。
毎日タスクに追われているのに充実感がない
依頼者対応、書類作成、法務局とのやりとり。たしかに忙しい。でも、その忙しさのなかに「やりがい」が見えにくくなっている。やるべきことはこなしているけれど、心が置いてけぼり。夕方になると「今日も何してたんだっけ」と思うことが増えた。
数字には現れない停滞感
売上や案件数は、確かに横ばいか、むしろ少しずつ伸びている。でも、自分自身の気持ちは停滞している。目に見える成果と、内面の「空白」のギャップが、余計にしんどさを増す。外から見ればうまくいってるようでも、中はモヤモヤが溜まっている。
司法書士としての成長が見えにくくなった時
開業から十数年、ベテランと呼ばれるようにはなった。でも、「成長してる」と思える瞬間が減った。知識も技術もある程度身についた今、次に何をすればいいのか分からなくなる。変化や刺激が少なくなり、惰性で続けているような感覚に陥る。
新しい挑戦が怖くなってくる年齢
独立して軌道に乗るまでは必死だった。でも今は安定と引き換えに、挑戦する勇気が薄れてきている。「今さら〇〇を始めても遅いかな」とか、「失敗したら取り返せない年齢だな」とか、そんなブレーキばかりが頭をよぎる。
「今さら〇〇なんて」という言い訳
数年前に「成年後見にも力を入れてみよう」と思ったことがある。でも結局、調べただけでやめてしまった。「今さら新しい分野に手を出すのもな…」と理由をつけて動かない。変化を怖がっているのは、きっと自分自身だ。
でも本音は変化を求めている
本当は何かを変えたい。停滞感を打破したい。でも、どこから手をつければいいか分からない。小さな変化でも、踏み出す勇気がいる。それが今の自分にとって、いちばんの課題かもしれない。
人との時間のズレを感じた瞬間
周りの人たちと話していると、生活のリズムや価値観の違いを痛感する。「家族サービスで週末は…」とか「来年は子どもが中学で…」という話題になると、どこか疎外感を感じてしまう自分がいる。
独身という「時差」の中で
一人暮らしで、休日も仕事かスーパーかコンビニ。家に帰っても誰もいない。もちろん自由ではあるけれど、「共有できる人がいない」という孤独がじわじわ効いてくる。話題もズレていくから、会話についていけなくなる。
「子どもが受験でさ〜」の会話に入れない
同年代の集まりに行っても、「うちの子がさ〜」の話題で盛り上がる。自分には無縁の話。でも、だからといって自分の話をしても浮いてしまう。こういう時間のズレが積もって、自分だけ止まってるような気持ちになるのかもしれない。
結婚=正解じゃないけど、寂しい現実もある
別に「結婚したい」と強く思ってるわけじゃない。でも、誰かと同じ時間を歩んでいけるということが、こんなにも安心感につながるんだと、年を重ねてから気づいた。今さら遅いのかもしれないけど、やっぱり心はどこかでそれを求めている。
立ち止まっている自分を認める
「俺だけが止まってる」ように感じるけれど、もしかしたら、周りも同じように感じているのかもしれない。ただ、それを見せないだけ。まずは、自分の「止まっている感覚」を否定せずに、認めてあげることから始めてみる。
焦る気持ちとの付き合い方
焦る。なんでうまくやれないんだろうって。でも、その焦りが「変わりたい」という気持ちの裏返しなら、悪いものではない。問題は、焦ってるのに動かない自分。だからこそ、少しずつでも前に進む意志を持つことが大事なのかもしれない。
時間が止まってるのではなく、心が止まっていた
最近、気づいた。止まっていたのは「時間」ではなく、自分の「心」だった。気持ちが動かないまま、ただ毎日を繰り返していた。だからこそ、まずは心を動かすこと。感情に正直になってみること。それが、再スタートの第一歩だと思う。
まずは「比べる癖」を手放してみる
誰かと比べても、苦しくなるだけだ。SNSも、他人の人生も、自分の尺度で測っても意味がない。自分が「今できること」「今やりたいこと」に集中していけば、止まってるように見えた時間も、動き出すかもしれない。
動き出す小さなきっかけの見つけ方
劇的な変化は必要ない。小さくても「新しい一歩」を踏み出すことが、何より大切だ。毎日ひとつでも、自分のために何かをしてみる。その積み重ねが、時間を再び動かしてくれる気がする。
変化は「外」ではなく「内」から
環境や仕事のせいにしても何も変わらない。変えられるのは、自分の心の持ちようだ。何かを「やらされてる」じゃなくて、「自分で選んでる」と思えるようになれば、少しずつ景色も変わってくる。
誰かのためじゃない、自分のために
他人に認められるために変わるんじゃない。自分の人生に納得したいから変わる。それが、今の自分に必要なスタンスだと思う。たとえゆっくりでも、ちゃんと前を向いていければ、それでいい。
「今日一つ新しいこと」をルールにする
何か特別なことじゃなくていい。初めて入るカフェに行ってみる、5分だけ散歩してみる、読んだことのないジャンルの本を開いてみる…。そんな小さな一歩を毎日一つ。それだけで「止まっていた時間」が動き出す感覚を、少しずつ取り戻せる。