またひとつ増えた「しんどい学び」
司法書士という仕事をしていると、毎日が学びの連続です。いや、正確には「またこんなことも知らなかったのか…」というショックの連続です。知識が増えるのは悪いことではないんですが、その代償として精神力がゴリゴリ削られていく感じ、わかってもらえますかね。ミスを通じて学ぶたびに、「ああ、またひとつ強くなった」と思いつつも、「そろそろ勘弁してくれ」とつぶやいてしまうんです。
小さな見落としが、大きなダメージに
登記の世界では、「うっかり」が許されません。例えば、住所の番地がひとつ違っていただけで、補正通知。完了予定がズレる。依頼人に謝る。事務員さんに頭を下げる。夜中にひとりで訂正案を練る。これ、たった一文字のミスで起きるドラマです。ミスから学べることもあるけど、身体がついていかない夜もあります。
「またやってしまった」と布団の中で
今日もやってしまいました。補正通知を見た瞬間、心臓がギュッと縮むあの感じ。机の上に書類を広げたまま、夜遅くに布団へ入ると、脳内リプレイが止まりません。「どうして確認しなかったんだ」「あれだけ注意したのに」そんな言葉がぐるぐる回って、眠れぬ夜が始まります。
朝が来て、また同じことを繰り返す
朝になれば、また事務所で同じような作業をする日常。でも、昨日のミスが頭から離れない。そんな日に限って電話は多いし、依頼は増えるし、コピー機は紙詰まりするし。「これは何かの罰ですか」と誰にも届かない声を吐き出すこともあります。
「学び」ってもっと優しいものじゃなかったっけ
学生の頃、「学び」は知識が増えることにワクワクしていた気がします。でも司法書士になってからの学びは、「失敗の痛み」とセットなんですよね。知識は血でにじんで手に入れるもの、みたいな感覚すらあります。これは成長というより、どこか自分をすり減らしてる気もしてきます。
それでもやめない理由
じゃあ、なんで続けてるんだろうと自問する夜もあります。もちろん生活のため、責任のため。でもたまに、「先生、ありがとう」なんて言われると、やっぱりやっててよかったと思う。あの一言があるから、もう少し頑張ってみようと思えるんです。
同じように悩むあなたへ
このコラムを読んでいる誰かが、もし同じような「しんどい学び」に向き合っているなら、伝えたいです。「あなたは一人じゃない」って。愚痴を言ってもいいし、落ち込んでもいい。大事なのは、そのたびに「またひとつ、学んだ」と前を向けることだと思うんです。
「学びました(しんどい)」という習慣
結局のところ、しんどいながらも学び続けるのが、私たち司法書士の宿命なのかもしれません。いつかこの経験が誰かを助ける日が来ると信じて、今日もまたミスに怯えながら、書類の山に向かいます。そんな夜の習慣が、少しでも誰かの心に届いたら嬉しいです。