今日はもういいかが口ぐせになった司法書士の日常

今日はもういいかが口ぐせになった司法書士の日常

朝から疲れている理由

朝起きた瞬間にすでに「今日はやめとくか」と思ってしまう自分がいる。目覚ましはちゃんと鳴っているし、睡眠時間もそこそこ取れている。それでも身体の奥からじわじわと「しんどい」が滲み出てくる。ああ、また一日が始まってしまったという気持ちと、仕事のタスクが頭の中を駆け巡り、布団から出る前にため息をつくのが日課だ。独立して10年以上、誰に怒られることもない反面、誰に励まされることもない朝が、じわじわと心を削ってくる。

目覚ましは鳴るけど心は起きない

昔、野球部だった頃は5時起きが当たり前だったのに、今や7時半に目覚ましが鳴っても起き上がれない。布団の中で「もうちょっとだけ」と繰り返すうちに、いつの間にか8時を回っている。年齢のせいか、それともモチベーションの問題か、自分でもよくわからない。ただ、確実にあの頃のような瞬発力はなくなっている。毎朝が、精神的なストレッチから始まっている感覚だ。

もうひと眠りを重ねて遅刻スレスレ

事務員さんが先に出社していることも多い。独立した身でありながら「遅れてすみません」と言うのも何だか情けない。けれど、誰よりも責任があるはずの自分が、気力不足で動けないという事実に、また自己嫌悪する。小さな積み重ねが信頼を作るとわかっていても、起き上がれない朝は容赦なくやってくる。自営業だからこそ、サボる言い訳を自分に許してしまう甘さがある。

朝食どころか水も飲み忘れる

「朝食は健康の基本」とわかっていても、気づけば出社時間ギリギリになり、空腹のまま玄関を出ることも多い。水も飲まず、顔も洗わず、ただシャツに袖を通して事務所に向かう。人としての生活の基本すら崩れかけているのに、誰にも見られない安心感がそれを加速させる。怠惰なのか、疲れているのか、自分でも区別がつかない。

出勤してもエンジンがかからない

無事に事務所へ着いたところで、気分が一気に仕事モードになるわけでもない。机に座っても手が動かない。パソコンを立ち上げたままコーヒーを淹れ、カップを片手にただ座っていることもある。今日は何をする予定だったか、頭の中でリストアップしようとしても、曖昧な不安感が思考を邪魔する。

事務所に着いたのに「さて何から…」で止まる

昔はTODOリストを作っていたけれど、今はそれすら作らない日もある。書類の山を見つめ、「この中に今日片付けなきゃいけないものがあるんだろうな」と思いながら、何から手を付けるべきかを決められない。事務員さんに話しかけられて初めて「ああ、それ今日でしたね」と思い出すこともある。集中力というものが年々遠のいているように感じる。

書類に向かって溜め息だけが進む

書類の一つひとつは難しくない。ただ、数が多い。時間もかかる。誰かに任せるわけにもいかない。そんな現実がじわじわとプレッシャーになり、「まずは一息ついてから」と自分に言い訳してしまう。その結果、午前中は何もせずに終わってしまい、午後に焦るという悪循環が続いている。

メールの返信も「後で」に逃げる

メールの受信音が鳴るたびに、反射的に「後で」と思ってしまう。開くのが怖いわけではないけれど、何か面倒な依頼や質問だったらどうしようという不安が先に立つ。しかも後回しにすると、返信を忘れてしまうリスクが増える。結局、信用を失うのは自分だとわかっていても、今この瞬間の「やりたくない」が勝ってしまう。

「今日はもういいか」が出るまでの経緯

結局、昼過ぎになると「今日はもういいか」となる日がある。それは決して怠けたいからではなく、心のエネルギーが持たないから。何も達成していないのに、どっと疲れてしまっている。働いていないようで、内心ではずっと葛藤しているのだ。

昼を過ぎるとだいたい諦めが見えてくる

お昼ご飯を食べ終えたあたりから、体が鉛のように重くなる。「午後はしっかりやろう」と思っていたのに、なぜか気力が出ない。「あと一時間だけ休もう」と椅子に座ってスマホを見ていたら、気づけば夕方になっていることもある。そんな日は、自分を責める気持ちと、開き直りの気持ちが交錯する。

集中が続かないと自分を責める

一つの作業に集中できなくなった自分に対して、どこかで「やっぱり自分はダメだな」と思ってしまう。司法書士という専門職に就いている以上、もっとキビキビ動かないといけないはずなのに、現実は違う。自分に失望するたびに、さらに動けなくなっていく負のループに陥っている。

効率の悪さにイライラして自滅

昔はもっと早く処理できていたのに、最近は書類一枚に異様に時間がかかる。集中力も記憶力も落ちてきているのか、何度も同じ資料を確認してしまう。効率が悪くなったことにイライラし、そのイライラでさらに効率が落ちるという悪循環にハマっている。そんな日は、本当に「今日はもういいか」で終わらせてしまう。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。