やる気のない月曜日が続く

やる気のない月曜日が続く

月曜日が怖くなる瞬間

かつては月曜日といえば、週の始まりで「よし、今週も頑張るぞ」と自分に言い聞かせていたものだ。それがいつからだろうか。今では日曜の夕方になると、胃のあたりが重くなってくる。寝る時間が近づくにつれ、目の奥がじんわり痛み出す。月曜日の朝、目覚ましが鳴ると、もうそれだけで一日のエネルギーを使い果たした気がする。司法書士という仕事は、人に弱みを見せるのが難しい。だからこそ、こういう「やる気が出ない」という感覚に気づいても、それを誰かに言うわけにもいかず、ただ一人で黙って抱えている。

朝の目覚ましがただの爆音にしか聞こえない

スマートフォンのアラーム音が鳴ると、反射的にスヌーズを押してしまう。昔は起きてすぐ体を動かせていた。元野球部のくせに、いまでは起き上がるだけで関節がギシギシと悲鳴を上げる。頭はぼんやりしたまま、コーヒーを淹れる気力すらない日もある。「今日もまた始まるのか」と思うと、体が布団から出るのを拒否するのだ。特別に嫌な予定があるわけでもない。なのに、心のどこかで「もう十分頑張ったんじゃないか」と囁く声がする。それでも動き出さなければならないのが、士業の現実だ。

週末の疲れが逆にストレスに変わる理由

「週末くらいはゆっくり休めばいい」と思っていたはずなのに、結局パソコンを開いてしまったり、溜まった事務処理を片付けてしまう。休んだつもりで、脳が休めていない。月曜になって、「あれ? 休んだはずなのに疲れてるぞ?」と気づく。地方の小さな司法書士事務所を一人で回していると、完全に仕事から離れるのが難しい。事務員さんがいてくれても、責任の最終的な所在は自分にある。だから、どこかで気を抜けないまま、休日を「こなして」いる。これが地味に、ジワジワ効いてくる。

やる気の出ない自分を責める日々

やる気がない。それだけで自分を責めてしまう。士業は信用で食べているから、「やる気がない」とは口が裂けても言えない。だけど、どうしても体が動かない日がある。メールの返信に手が止まり、書類作成がなかなか進まない。そんな自分に腹が立つ。でも、無理に気合を入れても、空回りするだけだった。

「士業なんだからしっかりしろ」と思いながら空回り

以前、依頼人との面談中に、ふと集中が途切れてしまったことがある。自分の口から出た言葉が、まるで他人の台詞のように感じて、「あれ、何を言ってるんだ俺?」と心の中で冷や汗をかいた。その日は朝から気分がどんよりしていて、でも無理やりいつものテンションで対応したつもりだった。こういうときに限って、内容の濃い案件が続く。気力だけで乗り切ろうとするけれど、結局終わった後の虚脱感がすごい。夜、鏡を見たら、目が死んでいた。そういう自分にまた落ち込む。

仕事をしてるのに前に進んでいる感覚がない

毎日、登記の準備や書類の確認、依頼人とのやり取りに追われている。でも、そのすべてが「消化しているだけ」のように感じることがある。前に進んでいるのか、それとも同じところをぐるぐる回っているのか。ふと気づくと、去年と変わらないルーチンに縛られている自分がいる。特に月曜日はその感覚が強い。「また一週間が始まる」じゃなくて、「また同じ一週間が始まる」そんな絶望感に近い何かが、背中にのしかかる。

誰にも頼れない職業の孤独

司法書士という仕事は、専門的でありながらも、現場では常に「一人」で判断しなければならない瞬間がある。誰かに相談したくても、同業者とは距離がありすぎて、ちょっとした悩みを共有することも難しい。そして、雇っている側である以上、事務員さんにも弱音は吐きづらい。そうなると、どんどん自分の中に気持ちを溜め込んでいくことになる。

「わかってくれる人」が身近にいないつらさ

地元の友人たちは会社員が多く、士業の大変さや孤独さを説明しても、いまいちピンとこないらしい。そもそも「お前は自由でいいな」と言われて終わる。確かに自由だ。でもその自由は、責任と不安の裏返しだ。誰も尻ぬぐいしてくれない自由。誰も代わってくれない自由。わかってくれる人が身近にいないというだけで、こんなにも孤独になるものなのか、と日々感じている。

事務員にも愚痴れない、上司も同業者もいない世界

事務員さんはありがたい存在だ。でも「今日やる気が出ないんだよね」なんて言えるわけがない。上司もいないし、気軽に相談できる同僚もいない。そうなると、愚痴を吐く相手が自然といなくなる。自分の感情を処理する手段がどんどん減っていき、最後には心がパンクしそうになる。別に泣きたいわけじゃない。ただ「聞いてくれよ」ってだけなのに、その相手がいない。

司法書士同士でも本音は語れない現実

同業者との付き合いも、意外と形式的だったりする。「仕事どうですか?」と聞かれても、「まあまあですね」と答えるのが精一杯。お互いに、本当の苦しさや弱さは見せない。見せたら負け、みたいな空気がある。だから、本音を語れる関係が生まれにくい。誰かと「わかるよ」と言い合える関係がほしい。そう思いながら、今日も一人、事務所でパソコンに向かっている。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。