連休が逆にしんどい司法書士の話。休みがあると、心がささくれる

連休が逆にしんどい司法書士の話。休みがあると、心がささくれる

世間は連休、こっちはむしろプレッシャー

連休という言葉に、世間の多くの人は喜びを感じるのだろう。でも、僕のような地方の司法書士にとっては、むしろプレッシャーの象徴に近い。事務所を休めば当然、業務は止まる。けれど登記の期限は待ってくれないし、郵便物は山積みになる。加えて、連休明けには依頼や問い合わせが一気に押し寄せるのが常。そんな現実を知っていると、カレンダーに並ぶ赤い数字を見るたび、ため息が出る。

「休めるんでしょ?」って、誰が言った

連休前になると、周囲から「先生も休みでしょ?」なんて言われることがある。でも本音を言えば、そんな簡単な話じゃない。たしかに表向きは事務所を閉めるが、頭の中はずっと仕事のこと。連休中にしかできない作業をこっそり片付けている自分がいる。誰かにバレるわけじゃないけど、なんだか“ズルしてる感”があって、それがまた疲れる。

連休明けのドカッと依頼が怖い

連休が終わった瞬間、メールや電話が一気に鳴り出す。まるで堰を切ったように。「休み明けで申し訳ないんですが…」と前置きしながらも、みんな容赦ない。やっぱり、皆それぞれ事情があって動いてるから仕方ない。だけどこっちは、休みボケなんてしてる余裕もなく、フルスロットルで対応しないといけない。これが地味に、堪える。

相続登記は急がないはずなのに、なぜか連休明けがピーク

不思議なのが、相続登記って本来急ぐものじゃないのに、連休明けにやたら増える傾向があること。親戚が集まって「そろそろちゃんとしようか」なんて話になるからかもしれない。休み中は手を動かせない分、精神的に準備された状態で押し寄せてくる。そのギャップにやられる。

電話とメールが一斉に動き出す恐怖

連休明けの朝。事務所に着いてメールを開くと、ずらっと並んだ未読件数。電話も鳴りっぱなし。「お休みのところすみません」って言われるけど、内心では「こっちはもう働いてる」と思っている。無視はできないし、かといって即座に全部には対応できない。どこから手をつければいいのか、パニックに近い。

独身司法書士、予定のない休日は拷問

カレンダーにぽっかりと空いた休日。予定のない自分に向き合うのは、なかなかしんどい。誰かと過ごす予定があればまだいい。でも僕は独身で、モテもしない。結局、自宅で惰性のようにYouTubeを見たり、コンビニで済ませた食事を取るだけで終わる日も多い。何のために休んでいるのか、よくわからなくなる。

カレンダーが空白のまま、心まで空になる

予定がないこと自体が悪いわけではない。でもそれが連日続くと、さすがに気が滅入る。特にSNSで「家族と旅行」「恋人とドライブ」なんて投稿を目にした時、無性に自分の空白な時間が際立って見える。予定のない休日は、まるで何も生産しない時間。そう感じてしまう自分が、また嫌になる。

世間が楽しそうにしてるだけで、ちょっと傷つく

子ども連れの家族を見かけたり、カップルの楽しそうな声が聞こえてきたりすると、何とも言えない孤独感に襲われる。街全体が楽しさに包まれている中で、自分だけが置いていかれているような気持ちになる。これは年齢のせいなのか、独身だからなのか、はたまた仕事に偏りすぎたからなのか…理由はわからない。でも、とにかく寂しい。

仕事が忙しいのに、なぜか孤独

依頼はある。相談もある。やることは山積みだ。なのに、心のどこかにぽっかりと穴があいているような感覚がある。誰かに必要とされているはずなのに、充足感は薄い。誰かと喜びを共有することも、何かを一緒に乗り越えることも少ない。だからなのかもしれない。仕事の充実と、人生の充実は、別物だと痛感する。

「誰かに必要とされてる」はずなのに、虚しい

お客さんから「先生に頼んでよかった」と言われると、そりゃうれしい。でも、じゃあその言葉で孤独が消えるかというと、そうじゃない。仕事は仕事。感謝も報酬も、生活を支えてくれる。でも、心を支えてくれるのは、たぶん別の何かなんだろう。それがない状態が続くと、日常が砂のように感じてしまう。

依頼者は感謝してくれる、でもそれは“仕事”の話

「本当に助かりました」と言われた帰り道。車の中でふと、無音の時間に戻る。あんなに感謝されたのに、どこか空しい。この感情の正体が何なのかは、正直まだよくわからない。ただ、ひとつ言えるのは、「ありがとう」だけでは心が満たされない時期がある、ということだ。

心を埋めるには足りない何か

もしかしたら、人は誰かと“どうでもいい会話”をすることで、心が救われるのかもしれない。仕事で意味のある話ばかりしていると、無意味なことが恋しくなる。そう思うと、事務所に誰かもう一人いてくれたらな…なんて考えてしまう。事務員さんがいるだけでも、ずいぶん違う。たまに雑談できるだけでも。

でも、同じようにしんどい人がいると思うと少しだけ救われる

きっと、僕だけじゃない。連休が苦手な人、孤独を感じてる人、働いてるのに満たされない人は、たくさんいる。SNSではみんな楽しそうでも、その裏側には似たような思いを抱えてる人もいるはず。そんな人たちがこの記事を読んで、「ああ、自分だけじゃないんだな」と思ってくれたら、それだけで少し救われる気がする。

「おれだけじゃないんだ」って思える瞬間

誰かのつぶやき、誰かのブログ、誰かのポロッとした一言に救われたことがある。そんな経験があるから、僕もこうして書いている。誰かに届くかはわからないけど、「届けばいいな」と思いながら。連休がしんどい人の、小さな心の避難所になれれば嬉しい。

そんな声が、どこかに届けばいい

司法書士として、独身の男として、愚痴っぽい日々を送りながらも、なんとか今日も仕事をしている。しんどい時期があるのも、疲れる日が続くのも、無意味じゃないと思いたい。誰かに届いたとき、それが意味に変わる気がするから。明日もまた、赤いカレンダーを見上げて、深呼吸して一日を始める。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。