Xserverの情報、また漏れてる…? ~疲れた司法書士のセキュリティ反省日記~

Xserverの情報、また漏れてる…? ~疲れた司法書士のセキュリティ反省日記~

「またやっちゃった」──机の上に置きっぱなしの付箋

司法書士という仕事柄、秘密保持には人一倍気をつけているつもりでした。ところが、ふと机を見ると、そこに堂々と「Xserver パスワード」と書かれた黄色い付箋が…。誰かが見たわけではありません。でも、見ようと思えば見える場所に、そんなものを無防備に放置していた自分が情けない。疲れすぎて思考が止まると、こういう「とりあえずの行動」をしてしまう。忙しさを言い訳に、ミスの温床を自ら作ってしまっている現実に愕然としました。

なぜ大事な情報ほどメモに残したくなるのか

記憶力の限界を感じ始めた40代。昔は覚えていられたログイン情報も、今ではすぐにどこかへ飛んでしまう。そうなると、「一旦メモにしよう」が常套手段に。しかし、そのメモが“情報漏洩の入口”になるとは、自分でもわかっているのにやめられない。スマホやパスワード管理ツールを使いこなせればいいが、古いタイプの人間にはそれがなかなかハードルが高いのも事実。だからといって、紙のメモに頼りすぎるのも、やはり危険です。

付箋文化と地方事務所の「ちょっとだけ」感覚

「うちは人も来ないし大丈夫」という油断、ありませんか? 私の事務所も、事務員と私の2人だけ。来客もそう多くはない。そんな環境に甘え、「このくらいなら…」という意識が知らず知らずのうちに積み重なっていました。昔ながらの付箋文化が根強く残るのも、地方ならではなのかもしれません。でもそれで守るべき情報が漏れたら、どんなに言い訳をしても意味はありません。昭和スタイルの情報管理は、令和には通用しないのだと痛感しました。

クラウド?セキュア共有?わかっちゃいるけどできない

情報管理をちゃんとやろうと思えば、便利なツールは山ほどあります。でも、それを使いこなすには時間がかかるし、まずは調べる手間が面倒で、つい後回しにしてしまう。結局、アナログでなんとかしようとして、こうして墓穴を掘る。セキュリティの意識はあるのに、行動が追いつかない。歳のせいにしたくないけど、体力も集中力も下がってきていて、効率よくやる気力が残っていないのが本音です。

一人で全部やってると勉強時間もない

士業の事務所はとにかく雑務が多い。相談対応、登記、書類作成、顧客フォロー、事務作業…。全部一人で抱えていると、何かを学ぶ時間なんてまず確保できません。ネットで「セキュリティ対策10選」なんて記事を見つけても、ブックマークだけして読む余裕はなし。目の前の仕事をこなすだけで精一杯で、未来のリスク対策はつい後回しにしてしまいます。だからこそ、意識しないと変われない。でも、その意識すらすり減っていく毎日です。

覚えることが多すぎて脳がショート

今の時代、セキュリティに関する知識はもはや必須。でも、その情報量の多さに圧倒されて、何から手をつけたらいいのかすらわからない。二段階認証、SSL証明書、DNS設定…。それらの言葉を聞いただけで「うっ」となる。専門外のことに頭を使う余裕がないんです。やらなければいけないとは思っている。でも、パンク寸前の状態で、それを受け入れるスペースがない。それが現実です。

「これくらい大丈夫」って思う気持ちが一番危ない

一番の敵は、自分の中の“慣れ”でした。いつも使っているXserverだから、つい気が緩む。何度もログインしてるし、誰にも見られないだろうと思い込んでしまう。過信こそが最大のリスク。とりわけ士業は「信用」がすべてなのに、自分自身のことになると意識が甘くなる。ダブルスタンダードになっていないか、常に問い直す必要があると実感しています。

仕事で信用を扱っているのに、自分のことには甘い

依頼者の大切な権利や財産を守るのが、司法書士の仕事。その仕事をする者として、「信用」は何より重要な価値です。ところが、自分の情報管理についてはつい後回しになりがち。これは明らかに矛盾しています。顧客情報の取り扱いには気をつけていても、自分のアカウント情報には無頓着。それでは本末転倒です。信用を預かる人間が、自分の信用を軽視していたら、誰も信頼してくれなくなってしまいます。

顧客には「重要書類は鍵付きで」と言ってるくせに

普段、依頼者には「この書類は厳重に管理してください」「鍵付きの場所に保管してください」と指導している立場です。でも、自分はどうか?USBメモリをその辺に置いたり、メール添付ファイルにパスワードをつけ忘れたり。そんな状態で「信用が大事」なんてよく言えたもんです。自戒の念を込めて、今こそ自分自身に厳しくならなければならないと反省しました。

「IT弱者」でも言い訳はできない時代

「IT苦手で…」という言葉は、昔なら通用したかもしれません。でも今はもう、言い訳になりません。情報が漏れたとき、相手にとっては「苦手だったから」では済まされない。ミスの影響を受けるのは自分ではなく、依頼者です。その事実をもっと重く受け止めなければならない。そして、できることから少しずつ改善していくしかありません。完璧じゃなくていい、でも進まなければ、取り残されてしまいます。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。