予定のない休日が、いちばんつらい

予定のない休日が、いちばんつらい

休みの日って、なんでこんなに苦手なんだろう

平日は、朝から晩まで仕事に追われていて「少しは休みたい」と思っているくせに、いざ休みがやってくると、何をすればいいのかわからなくなる。これはもう、毎度のことだ。自営業である司法書士という職業柄、仕事は好きでも生活とのメリハリがつけづらい。世間が休みモードでも、気が抜けないままポツンと取り残されたような感覚。やっと取れた休日が、逆に心の負担になってしまう日もある。

忙しい日々に慣れすぎた脳みそ

毎日、書類の締切、相談の対応、登記の確認と、脳が常にフル回転している。そんな生活を何年も続けていると、頭が“何もしない時間”に慣れてくれない。だから休みになると、手持ち無沙汰でソワソワしてしまう。朝起きても、どこへも行く予定がない。電話も鳴らない。なのに体が休まらない。「何かしないといけない」っていう強迫観念みたいなものが、静かに心をむしばむ。

仕事がない=存在価値がないような気がする

これは少し重たい話になるけれど、仕事がなくなると「自分の存在意義がなくなる」ような感覚がある。司法書士という仕事は、人の節目に関わることが多い。相続、売買、会社設立…いずれも誰かの人生の大切な場面だ。そんな重要な役割を担う仕事に慣れすぎたせいか、休日になると一気に“無力な人間”になったような錯覚に陥る。何も成し遂げていない1日が、ただただむなしい。

何かしなきゃ、と思うプレッシャー

誰かのSNSを見て「今日は◯◯に行きました」とか「新しいこと始めました」といった投稿に触れるたび、自分の休日がどれだけ空っぽかを突きつけられる気がする。もちろん他人と比べる必要なんてないと頭ではわかっている。でも気持ちは追いつかない。「この時間を使って勉強すべきだった」「もっと有意義なことをすればよかった」と、夕方には自己嫌悪の沼。休日の終わりがいちばん苦しい。

人に会う予定もない、それが地味にこたえる

40代、独身、地方住まい。こうなると人と会う機会がとても限られてくる。仕事では毎日いろんな人に会うけれど、それはあくまで“業務上の接触”。休みの日になると、連絡をとる相手もなく、ひとりぼっちになる。実家に顔を出すこともあるけれど、親も年をとり、話題も限られる。結局は自宅に戻ってきて、無音の部屋でポツンと座っている。これが案外、じわじわ効いてくる。

「誰か誘えばいいじゃん」と簡単に言わないで

「人に会いたいなら、誘えばいいじゃん」って言う人もいる。でもね、こっちはその一言がどれだけハードル高いかわかってる? 忙しさを理由に疎遠になった友人、家庭を持った同級生、もう昔のようにはいかない関係ばかりだ。誘っても断られる未来が頭に浮かんでしまって、声をかける前に心が折れてしまう。そうしてまた一人、休日が過ぎていく。

一人を選んでるわけじゃない、一人になってるだけ

「独身貴族ですね」と笑われることもあるけれど、選んだというより“そうなってしまった”という方がしっくりくる。気づけば周囲は家庭を持ち、誰かのために動いている。自分はというと、休みの日にコンビニの弁当を食べて、録画したテレビを眺めるだけ。それが特別に不幸だとは言わないけれど、ふとした瞬間、誰にも必要とされていないような寂しさに襲われることがある。

思いつかないだけで、休みたい気持ちはある

誤解されたくないのは、「休みたくないわけじゃない」ということ。ただ、どう休めばいいかわからないだけだ。旅行に出る気力もないし、アクティブな趣味もない。でも何もしないと罪悪感が湧く。つまり「したいこと」と「できること」と「するべきこと」が全部バラバラで、まとまらないのが今の自分の現実なのだ。

本当はどこかに行きたい、でも億劫

温泉でも行ってゆっくりしたい。景色のいい場所でリフレッシュしたい。そんな気持ちは確かにある。でも、そこまでの「準備」が面倒で、一歩目が出ない。車の運転も渋滞も億劫だし、混雑した観光地に行って疲れて帰ってくるのも目に見えてる。だから結局、自宅でゴロゴロしてしまう。それがまた、罪悪感のスパイラルにハマっていく。

着替えるのも面倒くさい、が正直な本音

誰にも会わない日って、本当に「着替える意味あるのか?」ってなる。パジャマのまま過ごして、気づいたら夕方。外に出ようとすら思わない。外出って、意外と精神力が要る。服を選んで、髪を整えて、天気を気にして…。誰かと会う予定があればまだしも、一人で出かけるってだけで疲れてしまう。どこかで「ちゃんとした大人」みたいに振る舞わなきゃって思ってるのかもしれない。

家でダラダラしてる自分にダメ出ししてしまう

何もせずに終わった1日。たまにはそんな日があってもいいとわかっている。でも、自分にだけはなぜか許せない。「また今日も無駄に過ごした」とか「これじゃいかん」とか。まるで常に何か成果を出さなきゃいけないかのように、自分を責めてしまう。誰にも求められていないのに、自分で自分に厳しくして、勝手に疲れているのだ。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。