なぜか雨の日に限って外出が多い不条理と戦う日々

なぜか雨の日に限って外出が多い不条理と戦う日々

雨の日に限って外出が増えるという謎の現象

晴れた日にはぽっかりと予定が空いているのに、なぜか雨が降ると急に外出の用事が重なる。まるで空模様が私のスケジュールを把握していて、わざわざ不便を押し付けてきているかのようだ。地方の司法書士という仕事柄、役所や法務局、金融機関などへの移動が不可避なのだが、それが決まって土砂降りの日に集中する。これまで数え切れないほど「今日じゃなくて明日なら晴れなのに」と嘆いた。こんな日は、朝から靴の中は濡れ、書類は湿気で波打ち、気分までどんよりしてくる。誰に文句を言っていいのかわからないこの理不尽さには、いつも苦笑いしか出てこない。

天気予報を見ても避けられない外出予定

前日の天気予報をチェックして「明日は雨か、できれば出歩きたくないな」と思っていると、なぜかそういう日に限って急ぎの相談が舞い込んでくる。登記期限が迫った案件や、委任状に急ぎで署名が必要な依頼など、どうにも延期できない外出が必要になるのだ。自分で予定を調整しているようでいて、実際は依頼者の都合に左右されるのが司法書士の宿命だと、身に染みてわかってはいる。でも、それにしてもなぜ雨の日ばかり。たとえ予報が曇りでも、私が出かける瞬間にだけピンポイントで降り出すこともある。もうこれは天気との相性が悪いとしか思えない。

まるで雨雲に予定を読まれているような感覚

一度など、午前中は晴れていたのに「さて、そろそろ出発するか」と玄関を開けた瞬間に雨がポツポツ。ものの数分でどしゃぶりになり、傘を差しても意味がないほどびしょ濡れになった。まるで雲が私の行動を監視していて、外出のタイミングを見計らっていたかのようだった。もちろん偶然だとわかっている。でも、この偶然が年に何度も続くと、もう偶然とは思えなくなってくる。事務員にも「先生、また雨の日に外ですか?なんか呪われてません?」なんて冗談を言われる始末である。いや、笑えないよ、本当に。

カレンダーが水滴でにじんで見える気がする

雨の日の朝、事務所のカレンダーを見ると、今日に限って赤ペンで囲まれた外出マークが目に飛び込んでくる。しかも、昨日まではなかったはずの予定が、急に追加されていたりする。これがもう、本当に精神的にくる。カレンダーのその部分だけが水でにじんで見える気さえしてくる。仕事をする以上、天候なんかに文句言っても仕方ないのはわかってる。それでも、カバンに詰めた書類が濡れないよう気を使い、ぬれたコートで取引先に入る気まずさを感じるたびに、心のどこかが疲弊していく。

依頼が重なるのは決まって悪天候の日

なぜか依頼の電話やメールが立て続けに入るのも、雨の日に多い気がする。たまたまだろうと笑われるかもしれないが、ここ数年の傾向として、雨の日に限って「先生、今日ちょっと寄ってもらえます?」という連絡が重なる。まるで誰かが「雨の日は司法書士も暇だろう」と思って連絡してきているんじゃないかとすら思ってしまう。実際は暇どころか、車で何か所も移動して、法務局の窓口で提出した書類が濡れてしわくちゃ、なんてこともある。依頼があるのはありがたい。でも、せめて天気のいい日にしてくれとは思ってしまう。

急ぎの案件はなぜか傘が必要なタイミングで来る

つい最近も、天気の悪い朝に「相続登記の相談を今日中にお願いしたい」という電話があり、仕方なく予定を変更して出かけることになった。出発の頃には雨足が強くなり、車のワイパーがフル稼働。現地についても駐車場がなく、書類を抱えて小走りで移動する羽目に。あとから聞けば「明日でもよかったんですけどね」とのこと。内心、ぐったりしたが、笑顔で「大丈夫ですよ」と答えてしまう自分がいる。こうして傘をさす機会はどんどん増えていく。

運転中にぬかるみにハマったあの日の記憶

忘れもしないのが、数年前の梅雨どき。農村部のお宅に出張相談に行ったときのこと。目的地のすぐそばの空き地に車を停めたまではよかったが、相談を終えて戻ると、地面がぬかるみすぎてタイヤが空転。泥に足を取られて靴はぐっしょり、何とか抜け出せた時には泥まみれ。結局そのまま事務所に戻ってシャワーを浴びる羽目になった。あの時ほど「なんで今日に限って雨なんだ」と天をにらんだ日はない。

なぜ雨の日は余計に疲れるのか

同じ距離、同じ移動時間でも、雨の日はとにかく疲れる。視界が悪く、車の運転にも神経を使うし、足元は滑りやすい。駐車場が建物から離れていれば傘を差しながらの移動になるし、書類が濡れないように気を配るのもストレスだ。実際、晴れた日に比べて雨の日の方が、帰宅後の疲労感が2倍くらいある。単なる天候の問題ではなく、精神的な負担が大きいのだろう。できることなら、雨の日は一歩も外に出たくないというのが本音だ。

視界の悪さと服の不快感が集中力を削る

雨の日に限って書類に不備がないか再確認する神経がピリつく。ちょっとした濡れや汚れで再提出になっては一大事なので、いつも以上に注意を払うが、服がじっとりと湿っているだけで集中力は半減する。運転中も、前が見えづらくなるたびにブレーキのタイミングに気を使う。全身が常に「ちょっと不快」な状態で仕事をしていると、知らないうちにエネルギーを消耗しているのがわかる。とくにワイシャツの袖口が濡れて冷たくなるあの感覚は、苦手だ。

濡れた書類と冷えた足元のダブルパンチ

雨の日に限ってトラブルが起きやすいのは、書類が濡れるという単純な問題に加えて、足元から冷えて体調を崩しやすくなるからだ。特に冬場の雨は最悪で、靴下まで濡れてしまうとその日はもう気分が上がらない。濡れた書類を広げる時の「シワッ」という音に軽く絶望し、コピー機に通した時に紙詰まりするとなればもうお手上げだ。こういう日が何日も続くと、さすがに心が折れそうになる。

気圧の低さよりも依頼の多さが頭を痛める

低気圧の日は頭痛がするという人も多いが、私の場合はそれ以上に「なぜか集中する依頼」による精神的な疲労が堪える。次から次へと入る連絡に対応しながら、足元が濡れている不快感と戦っていると「もう今日は無理」と何度も心がささやく。それでも依頼はこなさないといけないし、誰かが代わりにやってくれるわけでもない。ひとり事務所という孤独な戦場で、私は今日もびしょ濡れになりながら書類を抱えて走るのだ。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。