年下の依頼者が増えてきたと気づいた瞬間
最近ふとした瞬間に気づいたんです。事務所に来る依頼者、電話口の声、メールの文面。そのほとんどが、どう見ても自分より若い。昭和生まれが少数派になってきたんだなと、しみじみ感じるようになりました。年下に頼られるのは悪い気はしないんですが、なんというか、自分が「若手」だった時代がずいぶん遠くに感じて、少し寂しくなるんですよね。
自分の年齢を実感する場面とは
年齢を実感するのは、依頼者が生まれた年を見たときです。「平成10年生まれです」と言われると、もう笑うしかない。自分が野球部の部活帰りに焼きそばパンを頬張ってた頃に生まれた人が、今では大事な登記の相談に来るわけです。書類の説明をしていても、どうしても「親戚の子どもに説明してる気分」になってしまうことがあり、内心で「老けたな自分」と落ち込んだりしてます。
書類説明中にふと感じた世代差
この前、相続登記の相談に来た男性に「PDFで送ってもらえますか?」と聞かれました。「PDFですか?あ、はい、もちろん」と答えたものの、実はうちのスキャナは調子が悪く、PDF化するにはちょっとした小技が必要。若い世代は「紙の書類は非効率」って感覚があるんだなと改めて実感しました。自分がFaxで苦労してた時代とは、もう価値観がまるで違います。
昔はこっちが最年少だったのに
司法書士登録したばかりのころは、どこへ行っても「若いね」「これからだね」と言われてました。それが今では、「経験豊富そうで安心します」と言われる始末。まぁ悪いことではないんですが、最年少だった自分が、いつの間にか「頼られる側」になっていて、なんとも言えない気持ちになります。おっさんになったなぁと、ただただ実感するばかりです。
若い依頼者の話し方に違和感と戸惑い
最近の若い依頼者は、とにかく礼儀正しい。いや、もちろんありがたいんですよ?でも、やたら丁寧な敬語や、LINEでのお礼メッセージなんかをもらうと、こちらが恐縮してしまうというか、「そんなに気を遣わなくていいのに…」と妙に落ち着かない気持ちになります。
過剰な敬語が逆にプレッシャーになる
「本日はご丁寧なご対応をいただき誠にありがとうございました」なんてLINEが来たときは、「ここは官公庁か」と思わずツッコミたくなりました。おそらく社会人マナーをしっかり学んでるんでしょうけど、こっちは「電話でサクッと確認くれればいいのに」と思うことも。言葉が丁寧すぎると、こちらもミスが許されないような気がして、逆に肩に力が入ってしまうんですよ。
フランクさを期待するのは甘えか
自分の中では、「相談しやすい街の司法書士」でいたいと思ってるんです。でも、相手があまりに丁寧すぎると、その距離感に少し寂しさを感じてしまうんですよね。若い頃は、年上の依頼者に対しても「なんでも言ってくださいよ」なんて言ってたけど、今の若者は逆にこちらを持ち上げてくれる。ありがたいけど、ちょっと寂しい…これって贅沢な悩みですかね。
世代間ギャップとの付き合い方
感覚の違いに戸惑いながらも、結局のところは「受け入れるしかない」と思ってます。こちらが年を取るのは止められないし、相手が若いのも仕方がない。むしろ、若い人に信頼されることはありがたいことなんですよね。世代間ギャップにストレスを感じるより、「自分が昔できなかったことを、今の若者に伝えてあげる」くらいの気持ちでいようと思います。
年下なのにしっかりしてる依頼者たち
最近の若い依頼者は、本当に堅実です。無駄な借金をしない、将来を見据えて計画的に動く。正直、自分がその年齢のときにはそんなこと考えてなかった。なんだか自分の方が学ばされてる気分になります。立場は「司法書士と依頼者」だけど、人間としては対等。むしろ、こちらの方が未熟に思えることすらあるんです。
自分より堅実な価値観に驚かされる
この前来た20代の女性依頼者は、将来のために不動産を買いたいと相談に来ました。「将来の収益を考えると、このタイミングがベストだと思って」なんて言われて、自分の20代を思い出しましたよ。コンビニでバイトして、ギター買って、飲み会で使い果たしてた頃に、こんなこと考えてなかったですからね。本当に、驚きと尊敬の気持ちでいっぱいでした。
自分の若い頃を思い出して凹む
正直、今の若者と比べてしまうと、自分の若い頃のだらしなさが浮き彫りになります。勉強も中途半端、遊びも中途半端。でも、なぜか無駄に自信だけはあった。いま振り返ると、あの頃の自分に説教したい気分です。でもまあ、それも自分。過去の自分があったからこそ、今ここに立っているわけで、ちょっとは許してあげようと思ってます。
でも負けてはいられないという気持ち
若い人たちの真面目さや行動力を見ると、「まだまだ負けてられないな」と思います。年齢は確かに上だけど、気持ちまで老け込んだら終わりですからね。年下の依頼者から学ぶことがあるというのは、ある意味幸せなことかもしれません。自分もまだ、伸びしろはあるはずだと信じて、今日も書類と格闘しています。
増えていく年齢差とどう向き合うか
年齢差が開いていく現実を前にして、ふと「自分の役割ってなんだろう」と考えることがあります。ただの司法書士で終わるのか、それとも何かを残せる存在になれるのか。年齢を重ねるって、そういう問いと向き合うことなのかもしれません。
経験値で勝負するしかない
若さでは敵わない。でも、経験なら負けてない。そう思ってやってきたけれど、最近はその「経験」すら疑わしくなるときがあります。本当にこのままでいいのか、自分はちゃんと成長しているのか。そんな不安が頭をよぎる夜もあります。でも、それでも積み重ねてきたものは嘘じゃないと信じて、今日もひとつずつ対応しています。
依頼者に安心感を与えられるか
司法書士としての仕事は、知識やスピードも大事だけど、やっぱり「安心感」だと思っています。「この人に任せれば大丈夫」と思ってもらえることが、一番の信頼だと感じます。年下の依頼者にとって、自分は少し年上の専門家。だからこそ、頼れる存在でありたい。そういう気持ちが、最近はより一層強くなっています。
おじさん司法書士の居場所を作る
年下の依頼者が増えても、若者に囲まれても、自分なりの居場所を作っていける。そんな司法書士でありたいと思っています。ちょっと疲れやすくなったし、愚痴も多いけれど、それでもこの仕事が好きなんです。今日もまた、年下の依頼者に「ありがとうございます」と頭を下げながら、心の中で「負けないぞ」とつぶやいています。