朝一番の電話で心がざわつく
朝の静けさを破るように鳴り響く電話。コーヒー片手に「今日は何から片付けようか」なんて考えていた矢先、一発目の電話で心がざわつくのは日常茶飯事です。受話器を取る前に、脳内では最悪のシナリオがいくつも浮かびます。登記漏れ?クレーム?それとも期限切れ?何でもない問い合わせであることを祈るしかありません。電話を取るだけで心拍数が上がるなんて、司法書士になりたての頃は想像もしませんでした。
「今日は穏やかに過ごせるかな」と願うも虚しく
朝、天気が良いと少しだけ気持ちが軽くなります。「今日は書類整理に集中できそうだな」なんて思っていても、現実はそう甘くありません。電話、LINE、メール…次から次へと仕事が舞い込んできます。そのたびに予定が狂い、いつの間にか本来のタスクは後回し。そんな毎日が続くと、「穏やかな日」という存在すら幻のように思えてきます。
電話の音に反応する身体のクセ
電話が鳴るたび、身体がピクリと反応するようになってしまいました。背筋が伸びて、心臓が一瞬止まるような感覚。まるで条件反射です。昔はこんなことなかったのに、今では「音=トラブル」のイメージが定着してしまいました。事務員さんには「またビクッてしてましたよ」と笑われるけど、こっちは本気で心を削られてるんです。
心の準備が追いつかない朝のルーティン
朝の時間は、本来なら心を整える貴重なひとときのはず。でも今では、メールチェックと電話の応対で精一杯です。ちょっとしたミスでも命取りになる世界なので、常に神経を尖らせている状態。だからこそ、朝から「また今日も戦場だな…」と肩に力が入るのです。深呼吸する時間すらもったいなく感じてしまうのは、決して健全とは言えませんよね。
書類の山に埋もれる日々
机の上には常に紙の山。処理しきれない登記書類や申請準備中の案件が積まれていて、どれもこれも急ぎ。何とか整理しても、明日にはまた元通り。まるで砂漠で水を撒いているような感覚です。これが司法書士の仕事だと割り切っていても、ふと「もう少しなんとかならないか」と自問自答する瞬間があります。
「いつか片付く」は永遠に来ない
「今月中には整理しよう」「来週こそは時間を作って…」そう自分に言い聞かせ続けて何年経ったでしょうか。結局、「いつか」は来ないんですよね。どんなに早く仕事を片付けても、新しい案件がどんどんやってきます。しかも、難しい依頼ほど不思議と重なるもの。「今片付けてるのに、なぜ今?」と空を見上げたくなる瞬間もあります。
一つ処理すると二つ増える現実
昔、テレビゲームで敵を倒すと増えるバグみたいなのがありましたけど、それに似ています。一つ完了させると、新しい案件が二つ入る。しかも期限が迫っているものばかり。事務員さんに頼れる部分も限られていて、結局は自分が背負うしかない。常に「やることリスト」が終わらないまま、日が暮れていきます。
事務員さんとの会話も溜め息交じり
事務員さんとの会話も、最近は愚痴ばかり。「また新しい依頼です」「今日中に処理ですって」なんて報告を受けるたび、二人で顔を見合わせて「ですよね〜」と苦笑い。それでも一緒に乗り越えてくれる彼女の存在には感謝しています。とはいえ、「お昼買いに行く暇もないですね」なんて会話が日常になっているこの状況、やっぱりちょっと異常だと思いませんか。
お客様の前では余裕を装う
どれだけ内心で焦っていても、お客様の前では冷静を装わなければなりません。相手はプロとしてこちらを頼って来ているわけですから、安心感を与えるのも仕事のうち。でも正直、こちらが相談したくなるときだってあります。「すみません、ちょっとパニック気味でして」なんて言えたらどれだけ楽か。
本当はこっちが相談したい
「こんなことで相談していいのかわからないんですが…」という依頼者に限って、複雑で重たい案件だったりします。そんなとき、心の中では「むしろこちらが相談したいです」と叫んでいます。とはいえ、顔は笑顔で「大丈夫ですよ」と返すのがルールみたいなもの。自分の不安や疲れを押し込めて、相手の心配に寄り添うのは、思ったより消耗します。
「大丈夫ですよ」の裏で滲む冷や汗
「任せてください」「なんとかなります」って、よく言いますよね。でも内心は「本当に間に合うかな」「書類の不備が見つかりませんように」と祈りながらの対応です。プロとしての自信を持ってはいますが、それでもリスクゼロなんてことはあり得ません。毎回冷や汗をかきながら、無事に終わることを願うばかりです。
それでも明日は来る
どんなに疲れていても、どんなに愚痴をこぼしても、朝はまたやってきます。今日と似たような忙しさが待っているとわかっていても、それでも一歩を踏み出す。司法書士という仕事は、そういう日々の繰り返し。でも、その中にほんの少しでも「ありがとう」「助かりました」という言葉があるだけで、不思議とまた頑張ろうと思えるのです。
だから、もう少しだけ踏ん張る
「辞めたい」と思うことは何度もあります。それでも続けているのは、自分の仕事に意味を感じているからだと思います。誰かの人生の節目に立ち会える仕事。大変だけど、やっぱりやりがいはある。だからもう少しだけ、踏ん張ってみよう。そんな気持ちで、今日もまた書類と格闘しています。
小さな応援が、意外と効く
知人の何気ない「頑張ってるね」とか、依頼者からの「本当に助かりました」という一言。それだけで、沈みかけていた気持ちがすっと浮上する瞬間があります。きっと、どの仕事でも同じかもしれませんが、誰かに見てもらっている、認めてもらえていると感じることが、こんなにも支えになるとは思っていませんでした。