毎日働いてるのに暇そうに見えるのはなぜか
司法書士として地方で小さな事務所を構えていると、どうしても外から見える仕事量が少なく思われがちです。事務所でパソコンの前に座って書類と向き合っている時間が多いので、「外回りがない=暇」と勘違いされることがよくあります。特に土日も書類作成や急ぎの登記対応でバタバタしているのに、「あれ、今日も開いてるんですね、暇そうですね」なんて言われると、軽く心が折れます。別に褒めてもらいたいわけじゃないんですが、せめて誤解されないようにしたいなあとつぶやきたくなる日々です。
土日も仕事なのに「休み多くていいですね」と言われる日常
先日、近所の人に「司法書士さんって平日にちょっと働いて、あとはのんびりなんでしょ」と言われました。そのとき思わず笑ってごまかしたんですが、内心は「この前の土曜、夜中まで相続の登記書類作ってたんだけどな…」という気持ちでいっぱいでした。土日だからってお客さんの事情が止まるわけじゃないし、むしろ「平日は休めないから週末しか動けない」と言われることも多いんです。それに応えようとすると、気がつけば休みは消えていくんですよね。
士業の仕事は外からは見えづらい
士業って、どうしても「何やってるかわからない職業」の代表格みたいに思われがちです。税理士や弁護士のような派手さもないし、建設業のように物が目に見えるわけでもない。そのため、実は日々膨大な書類に囲まれていても、外から見ると「静かで暇そう」に映ってしまうんでしょうね。
パソコンの前でじっとしてる時間の誤解
作業の8割はPCとにらめっこです。登記情報を整理し、添付書類の確認をし、印鑑証明の期限をチェックして…地味ですが一つミスすればお客様に大きな迷惑がかかる仕事です。でも外から見ると、ただパソコンをカチカチしてるだけに見えるようです。昔の友人に「動画でも見てるの?」と笑われたことがありますが、そのときばかりは画面を見せたくなりました。
お客様対応がない時間=暇と勘違いされる
来客がない時間帯は確かに静かです。でもその静けさの中で、どれだけの「見えないタスク」をこなしているか…そこに気づかれないのが悲しいところです。むしろ来客がないからこそ集中して作業できる時間でもあります。とはいえ、それを説明するのもなんだか虚しい気がして、つい黙ってしまいます。
なぜか人は「忙しい人」を想像で決めがち
「忙しそう」って、結局はイメージなんでしょうね。汗だくで走り回っている人や、電話を何本も掛けている人を見ると、「あの人忙しそう」って感じる。でもこっちは、静かにしてるだけで「あの人暇そう」って思われる。元野球部だったころのように、全力で走っていた姿が懐かしいです。今は目の前の書類と格闘してるんだけどなあ。
動き回っている=働いているという思い込み
学生時代、グラウンドでひたすらノックを受けてると「頑張ってるな」って言われました。でも資料と格闘してるだけだと、どうやら「暇人」と認定されるようです。このギャップ、どうにも埋めようがありません。「静かな努力」は、誰にも見えないんですよね。
地方で働く士業には見た目の華やかさがない
地方で司法書士やってると、どうしても地味に見えるらしいです。ビルの一角じゃなくて、古びた建物の一階で、スーツも地味。広告も派手じゃないし、SNSでキラキラ発信もしない。そんな生活を「のんびりしてていいですね」と言われても、「そっちのほうが大変なんだって」と言い返せません。
「暇そうですね」の一言に潜むストレス
この一言、地味に効いてきます。別に怒ってるわけじゃないけど、じわじわと心にダメージを与えてくる。たとえば、忙しさに追われて昼飯も抜いた日なんかにこれを言われると、「ああ、誰もわかってくれないんだな」と思ってしまうんです。
頑張ってるのに報われない気持ち
「働いても評価されない」って、司法書士になってから何度も感じました。自己満足じゃないけど、せめて「大変ですね」とか「頑張ってますね」と言われたら、心が救われる気がする。でも現実は、「暇そうですね」です。なんでこんなに温度差あるのか、ほんとに不思議。
モヤモヤを吐き出せない日々の蓄積
優しい性格、ってよく言われます。でもそれって、あまり文句を言わないからかもしれません。事務員にも、友人にも、愚痴をこぼさないようにしてきたけど、その分、自分の中にモヤモヤが溜まっていく感じ。最近は、寝る前に一人で天井を見つめながら、「俺、今日何やってたんだっけ」とつぶやくことが増えました。
優しい性格が仇になることもある
言いたいことを言えないのが自分の欠点です。お客さんに「暇そう」と言われても笑って流して、事務員には気を使って言葉を選び、でもそのぶん、心が擦り減っていきます。たまには誰かに「それって失礼だよ」って代わりに怒ってほしくなることも。
反論できない自分に自己嫌悪する瞬間
本当は言い返したい。だけど相手は悪気がないことも多いし、関係を悪くしたくない気持ちもある。そうやって言葉を飲み込んでいるうちに、「なんで俺、こんなに我慢してるんだろう」って自分に腹が立つ。でも、また同じことが起きると、結局また黙る。そんなループです。
「それでも暇そうって言うんだよなあ」っていう愚痴
このセリフ、最近の口癖になってきました。誰にも言えないからこそ、自分の中で繰り返してしまう。「あの人、あんなに大変そうなのに暇そうって言われてたよ」と、他人事のように話してみても、結局自分の話だったりします。
言われた瞬間の無力感と無表情な自分
その場では笑顔を作る。でも心の中では「なんでそんなこと言うの?」と叫んでいます。だけど、相手はこっちが笑ってるから、ますます「やっぱ暇なんでしょ?」と追い打ちをかけてくる。その繰り返しが地味に効くんです。
この仕事を続ける理由とやめない理由
それでも司法書士をやめようとは思いません。愚痴を言いながらでも、やっぱりこの仕事にはやりがいがあります。誰かの手助けができた瞬間、たった一言「ありがとう」と言われただけで、「また頑張ろう」と思える自分がいます。
誰かの困りごとを解決できたときの達成感
この前、急ぎの相続登記を土曜に対応したとき、お客様に「本当に助かりました」と言われました。その一言だけで、睡眠不足も報われるような気がしました。こういう瞬間があるから、なんとか続けられているんだと思います。
独り者でも、自分の居場所を作れる仕事
一人暮らしで独身、誰も帰りを待っていない日々。でもこの仕事があることで、「自分が必要とされる場」があると感じられます。元野球部で体力には自信があるけど、心は案外繊細です。そんな自分を受け止めてくれる場所、それがこの仕事場です。
元野球部の根性だけで持っている部分もある
あの頃の厳しい練習が、今の粘り強さにつながっている気がします。どんなに「暇そう」と言われても、どんなに報われない日があっても、「今日も一球入魂でいこう」と自分に言い聞かせてやっています。
一人事務所の孤独と向き合う日々
静まり返った事務所の中で、キーボードを打つ音だけが響く。そんな時間が一日の大半です。孤独だけど、それでもやめないのは、ここが自分の場所だから。誰かに理解されなくても、自分だけは自分を認めてやりたい。そう思って今日も、机に向かっています。